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【読んだ本07】魔弾の射手〜天久鷹央の事件カルテ:知念実希人

きっかけ

医療モノと推理モノが好きな私にとっては、とても魅力的な作品でした。正直、トリックは読んだ後でもそんなことがあるのかと不思議に思ってしまう内容でしたし、全く予想がつきませんでした。シリーズものなので最初のお話から読んでみたいと思いましたが、図書館でたまたま手に取ったこの作品がかなりの当たりでした。以前に紹介した「仮面病棟」と同じ作者なのでかなり期待してましたが、期待を裏切らない作品でした。

気になった一説

考えさせられる一説があったので、紹介します。
鷹央の一言

「つまり、人間の生命というのは、それ自体が奇跡的なバランスの上に成り立っているものなんだ。そのバランスは、ちょっとしたことで容易に崩れ去る。だからこそ、『死』を身近に意識しつつ、奇跡的に保たれている自分の生命に感謝しながら毎日を生きる。それこそが正しい姿なんだと私は思っている。特に、臨床現場に出て、日常的に『人の死』に触れるようになってからはな」

魔弾の射手 天久鷹央の事件カルテ:知念実希人

さらに、鷹央の一言

「身近なものを喪うと、誰もが後悔の念を抱くものだ。その人物が生きているうちに、もっとなにかしてあげれば良かったと。それを完全に防ぐことはできない。しかし、『死』が身近にあると意識して毎日を過ごすことで、後悔を少なくすることはできるはずだ。まあ、簡単に言うと、親しい人物は普段から大切にしておけってことだな。」

魔弾の射手 天久鷹央の事件カルテ:知念実希人

これらの文章を読んでハッとさせられました。小説の中とはいえ、医師のセリフというのも重みがあったのかもしれません。私は、医師に憧れがりました、いや、今でも憧れがあります。おそらくそれは、今後も消えることはないと思います。だからこそ、これらのセリフが心に刺さったのかもしれません。

家族の関係性について

この作品では、家族間の関係についても考えさせられました、表面的な関係ではわからなことも多いと思いましたし、医師の子供は医師になるべきだと思ってしまう心理や自分がやりたい事と親の希望のズレから生じてしまう軋轢などが描かれています。

17年ぶりに会う親子とその心の雪解けが今後の話でも描かれているといいなと思いながらも自分自身にとっても胸が痛いお話でした。

他のシリーズも早速読んでみたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。他の小説の感想も書いてありますので、よろしければお読みください。


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