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山奥の家に招待される。

これは二十歳の僕のネパール日記。


8/9
9:38
次の目的地は「ドゥリケル」
エベレストの見える村だ。


ここ首都からバスがあるらしいが、ネパールのバスは難しい。

行き先地は書かれておらず
何百とバスが停車するバス停で、運転手が行き先を連呼している。

その中から見つけなければならないのだ。

しかし運転手は「ドゥリケル」などとは言わない。
早口で連呼しまくって
「ディケディケディケディケ」としか聞こえない。

結局1時間ほど探しやっと見つかった

前の特等席に乗れた。

ネパールのバスは満員になると出発する。
そしてみんなカレーの匂いがする。

とても綺麗な田舎道を
銀杏BOYZを聴きながら一時間ほど走った。

(少年少女→ナイトライダー→青春時代→あいどんわなだい)

着いた!!最高!!!

首都の雰囲気とは全く違う、生きやすい。

ここがドゥリケルだ。

宿を何軒か周り決めた後、
荷物を部屋に置き、村を出て山を歩く事にした。

とても探検に出たい気分なのだ!!!


素晴らしい景色、
どこまでも続く山々と田園
そして所々に映える家がとても美しかった。

ヤギ使いがいたり、
牛舎、鶏小屋も点々とある一本道。

とにかく広大で、とても楽しい。


山を下って2時間ほど経っただろうか。
少女が歩いているのが見えた。

「エクスキューズミー!
近くでご飯の食べれる店はありますか!」

「エクスキューズミー!」


何回も叫んだが完全に無視されている。

心が折れた僕は、宿に戻る事にした。


30分ほどきた道を引き返す。


“”すると前からジジイが走ってくる””

『ジャパニーーーズ!!!』

怖い!!!!!!!
なんかめっちゃ怒鳴っている。
でも嬉しそう。

「Yes」そう答えると握手された。

その後の弾丸トーク
ジジイの英語は下手くそで、ネパール語混じり
何を言ってるかわからないが


「マイハウス」
「ノープロブレム」

という単語だけ聞き取れた。

多分家に連れて行ってくれるのだろう。
ついて行こう!

戻った道を、また戻る事40分。
水色の小さな家を指差した!

ここが家らしい。


ドアも玄関もない。
家の床は土で、電気はなく昼なのに薄暗い。

そんな中に
・おばあちゃん
・赤ちゃん
・主婦が2人
・娘が2人

めっちゃいる…

あ!!
さっき無視された少女だ!!!!!!!

その少女は目すら合わせてくれない。

かなり気まずかった。

70代くらいのお婆ちゃんは、ベッドに寝転び大麻を吸っている。

赤子は泣き叫び、
娘はスマホに夢中。


そして、全員が僕を知らんぷりしている。


「一旦落ち着こう」
僕は床に座り、深呼吸をした。

暫くすると、
棚の中の鍋から何かを皿に移した。

そして僕にくれた。

痩せたドーナツとドロドロの野菜炒めだ。

かなり怖いが、勇気を出した。


作ってから時間が経っているのか、どちらも冷え切っているが不味くはなかった。

でも、途中からは水で流し込み食べ終えた。

とても色々なことを考えさせられた。
せめてもと、とても笑顔で
「ベリーヤミーセンキュー」と告げた。



視線を感じる。


“全員が僕を見ている”



次は僕が食べられるのか?
「注文の多い料理店」が脳によぎる。


よし、、、お礼をしよう。

スケッチブックを破り、
赤子の似顔絵を描き、それをあげた。

みんな無表情で感情がわからなかったが、
お婆ちゃんだけは喜んでいた。

大麻で絵がよく見えているのだろう。


「それじゃあ帰るわ!」
オジイにそういうと、必死に僕を止める。

その手を振り払い帰ろうとすると、オジイかま僕に叫んだ。

「トゥモロー」と「カム」とだけ聞き取れた。


家を出るとオジイが追いかけてきた。
「フィフティールピー」
そう言っている。

お金が欲しいらしい。

50ルピー=50円くらいなので、お礼に気前よく渡した。

するとオジイは部屋に帰って行った。

そして私はまた、2時間かけて山を登り無事に宿に着いたのだった。 


次回!
「遂に犬に噛まれる!」

衝撃です。

これぞ段々畑

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