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【映画】A アレクサンダー・ペイン監督

おこもりな日々が続きますね。
負けじと良い映画を見て英気を養ってやりましょうよみなさま

私の好きな映画からオススメ作品をご紹介するコーナーです。

ルールは3つ
・監督or俳優別
・アルファベット順
・3作ずつ


初回はアレクサンダー・ペイン(米)監督。
この方の作品は小説のように非常に練り込まれた脚本が魅力です。ともすれば淡々となってしまいがちなストーリーを行き過ぎぐらいのコミカルさで笑わせ、そして最後は波も落ち着きすべてを広い海のように包み込むのです。素晴らしい力量をもつ監督さんです。

1
サイドウェイ

日本でもリメイクされた作品です。

教師をしているマイルスはバツイチで小説家志望。ワイン通のマイルスは親友のジャックの結婚前、2人でカリフォルニア州サンタバーバラ郡のワイナリー巡りに出かける。独身最後のひと時を極上のワインとゴルフで楽しもうというマイルスの思惑をよそに、ジャックは女をひっかけることしか頭にない。

ジャックはやる気満々、ワイナリーで働くステファニーと出会う。ワインを楽しみたいマイルスは実は元妻に未練しかなかった。ステファニーの親友マヤを連れて4人で会うようになり、ステファニーと愛を育み始め、ワインを愛するマヤに渋々だったマイルスもカリフォルニアの大地でワインが熟成するように音もなく静かに惹かれてゆくのでした。

悪友ジャックに振り回される暗めのマイルスに同情しつつジャックが起こすどたばたトラブルと妙な友情に笑ってしまいますが、
最後は、甘くはない大人の世界ながらもそれをまるっと大きく酔わせてしまう懐の深さを余韻に持たせる作品になっております。

【funky登場人物】ステファニー
韓国系カナディアン女優サンドラ・オー演じる。既婚を隠して近づくジャックを凌駕してしまうエネルギッシュなステファニー。全身で愛し、騙されたことに全身で怒り鉄拳を喰らわせる。マヤとは静と動、メリハリつけるようなキャラクターは行きすぎるほどに面白いです。

2
「アバウト・シュミット」

主人公は定年を迎えたばかりのシュミット。長年勤め上げ貢献したはずの会社も後任の若者が新しい風を吹かせている。それもなんだか悪くは無さそうだ。老いた妻と2人きりの生活に落ち着かない日々も束の間、突然の発作に妻は倒れシュミットは1人になってしまう。
結婚を決めた一人娘に会いに、呼ばれてもないのにキャンピングカーを走らせる。人生の意味、走馬灯のように記憶や感情が沸き起こる、シュミットは旅に出る。

シュミット演じるのは名優ジャック・ニコルソン。強面で真面目一筋にサラリーマン人生に捧げ定年を迎えたんだろうなあと思わせる。そんなシュミットが出会うびっくり仰天やほろりにこちらもはらはら。泣きっ面に蜂状態ながらもラストは何故かほっとしてしまうのです。

【funky登場人物】一人娘の義母・ロバータ
キャシー・ベイツが登場です。スティーブン・キングの小説「ミザリー」の映画化で流行作家を監禁する熱狂、偏狭的ファンを演じてアカデミー賞を受賞しました。狂気を演じるこの2人が顔を合わせてしまう。半裸でプールの中でシュミットを誘惑しようとします。とっても圧巻です。

3
「ファミリー・ツリー」

ジョージ・クルーニー演じるマットは弁護士業と事故に遭い意識が戻らず寝たきりの妻・エリザベスがいる病院を行き来する日々。亡き父から存続したカウアイ島の広大な土地の売却にも頭を悩ませていた。
離れて住む長女を呼び寄せ、尊厳死を望むエリザベスの死を皆で受け入れようとしていた。しかし長女が告発したのは母の浮気だった。

物言わず死にゆく妻は長年連れ添って知らない一面なんてあるはずがなかった。17歳の長女と10歳の次女の気持ちも。気づけばマットは知らぬことばかりだった。そして改めて先祖代々残されたカウアイの土地に想いを馳せる。
ハワイの美しい景色とハワイアンミュージックを背景に過去は崩れマットの描く未来が静かに流れ始める。

【funky登場人物】長女のボーイフレンド・シド
アレクサンダー・ペインの映画には予定調和な流れをぶち壊してくるような素っ頓狂なキャラクターがよくでてきます。あり得ないと思われるような言動や行動や外見だったりするけれどそれもよくよく付き合ってみるとこちらの価値観だけでは計り知れない良さがあったりすることを教えてくれる愛すべきキャラです。
本作のシドくん。チャラい態度で挨拶してマットに冷たくされたり年寄りを直接ディスって殴られたり、つい正直が過ぎて頭に浮かぶことがそのまま口から出てしまうようです。でも実はとても正義感の強い家族想いの青年であることをマットは理解します。お互いの歩み寄りで人の関係性や個々の人となりって変わるんですね。


今回の3作、
どれも主人公たちが旅をしてくれるので自粛生活な私たちも旅する気分にさせてくれます。

ただしみじみ良い映画、ってだけでなく
人には見せられないような失態や後悔とかの苦さもコミカルに描いて笑って共有させてくれるのがアレクサンダー・ペイン作品の魅力です。

おうち映画選びの参考になると良いです!
良い連休を(๑・̑◡・̑๑)

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