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そりゃミスは誰だってするけど……

 三連休の終わりに仕事の話を書くのもアレだが、どうにも気になってしょうがない場面に出くわした。以前ここで書いた方がまたやらかした。

 ざっくり書くと、機械の設定をミスして製品の元となる部分をおシャカにしかけたのだ。その機械では複数の製品を製造し、製品によっては設定変更が必要な場合もある。しかし事務方も現場における手間暇を考慮して、極力同じ設定で済む製品を、連続で仕掛けられるようなスケジュールにしてくれている。そのため設定変更の回数はそこまで多くない。
 それに設定といっても、ボタン操作で済む作業なので複数のスイッチをポチポチ動かす複雑さはない。要は「この製品の場合は『○○』という数字に設定して作ってください」ということ。

 しかしそれでもうっかりミスで「設定をし忘れた」なんてトラブルは当然発生する。思い込みは恐ろしいし、記憶というのは実に曖昧だったりするからだ。それを防ぐために現場では「作業フローチャート」を作り「この製品の場合はこの設定」と作業の前に必ず行っているわけですが……

 先に挙げた方が設定ミスをやらかした結果、ロクに確認もせず作業してるのがバレてしまったのですね。「これは何ですか?下手すりゃ不良品ですよ」と製品管理の事務方も怒らせる状況に。
 無論、職場が嫌悪な空気になるのもアレなので、本人の前で怒鳴ったりとかも無く、朝礼等の打ち合わせでミス発生の報告があっても名前など出ませんでした。そりゃ当然です。

 にもかかわらず、ミスした当人は物凄く不貞腐れていたのですね。その後に当人が作業する様子をチラと見ていたところ、各種道具をやたらと荒っぽく使っている。明らかにモノへ当たっている。バタン、ガタンと見るからにイライラしている。ドラマ等で、サラリーマンが上司から説教喰らった後、当てつけとばかりにドアを勢い良く締めて去っていくアレと全く同じです。そういえば、以前その方がミスった時も同じような態度を取ってたはず……

 もし一言忠告出来るならこう言うだろう。貴方がミスするのはそういうトコですよ、と。

 貴方が過去にミスをした後、どんな会話を交わしたか覚えてますか?
 なぜミスをしたのか? どうやったら次を防げるか? と自己分析もせずに「またやっちゃった」と苦笑しながら、あたかも道具のせいにしてそれらを荒っぽく使ってましたよね。何ら変わってません。
 あと、以前自分が貴方に作業を教えていた際「手順が違う」のを指摘してら、貴方はこう返してきましたね。
「どうせ俺がミスると思っていたんだろう!」と……

 当時、自分は「?」となりましたが、ようやく分かりました。
 貴方は、周囲から間違いを指摘されるのが、とても苦手な人です。
 むしろ周囲からの指摘を、あたかも自分が否定されたかのように捉えてしまう人なのです。
 同じ職場にいる、自分含めた我々が指摘しているのは「作業手順におけるミス」であって、それを「どう修正するか」を求めています。決して貴方自身の否定ではないのです。でも貴方は、なぜかそう受け止めてしまう。
 そして不貞腐れ、道具や機械を荒っぽく使う。本来は丁寧に扱うべきなのに、それをしない。自分はそこが引っかかります。

 自分も過去に山ほどミスとチョンボをやらかしました。同じ現場作業をし続けてはや十余年、どれだけ迷惑かけたか分かりません。罪悪感すら覚えました。つい最近もやらかしましたが、そこで終わったら今までと一緒です。
 まずは「なら、どうすればいいのか?」と疑問を持つことが大切です。しかしこれでは具体的ではありません。

 自分はこう考えてきました。単に「うっかり」「ボーっとしていた」で終わらせず、それを防ぐ方法を何でもいいから考えます。自分の場合は、己をバカだとして、例えそんなバカでも間違えないような手順や方法を周囲の人達に相談しています。無論「それはどうだろう」と疑問が返ってくることも多いですが、しかしここが肝心だっります。
 「自分なりに考えてみたんだけど、どうだろう?」としっかり態度を示すのが重要なのです。
 つまりミスを自分で抱え込まずに、周りを巻き込めばいい。こうすると、自分のミスを「注意喚起」という形に転換できるため、ミスした時に覚えた罪悪感を多少なりとも緩和できます。……ただ不貞腐れて道具やモノに当たるよりはずっと良いと思うのです。もっとも、あくまでも自分なりの処世術ですが。

 ただ「ミスをした」「やらかした」時に、自分に襲いかかる不貞腐れの感情を回避する方法は、絶対に考えておいた方がいい……と思うのです。


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