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「あれ? まだ飲んでないの? 早く飲みなさい」 食後のお茶だけが残されたテーブルの上に…
みんな出かけてしまって誰もいないリビングに入った僕は、いつものようにローテーブルの上に…
ーーーあらすじーーー みたらし団子をこよなく愛する都ゆづきは退社後、会社の後輩である「み…
どんよりと厚い雲の下、ねっとりとまとわりつくこの時期独特の水分と生臭さをたっぷりと含ん…
ある日、駅に向かって歩いている僕の視線の先にバナナが落ちていた。 今まで大根やネギな…
「私はさ、多分この家に来るとおもうんだよね」 僕の部屋で夜眠りに落ちる前、彼女は暗い部…
あと三日。 三日後の手術さえ無事に終われば僕たちの幸せな生活がこの手の中に帰ってくる。 ”あの凄惨な事故から十年が経ちました。豪華客船スプレ号が……” アナウンサーの言葉を最後まで聞き終わる前に僕はニュースの通信を切った。毎年この日に流される、誰もが知っているスプレ号の事故。今年は十年目ということで例年以上に取り上げられていてどこもかしこもこの話題で溢れかえっている。 しかし今の僕はこの世界に存在する全ての暗い出来事から距離をとっておきたい。悪いことに触れる時間
中学3年生の夏。 マンションの屋上に座り、欠けていく月を見上げながら僕は願った。 …
今夜が峠だろうか。 僕は目を閉じてベッドに横たわる彼女を見下ろしながらそう思った。 …
最近、彼女が僕のことを避けようとしているような気がする。 彼女と僕はもう長いこと一緒…
ぽつりぽつりと寂し気に立ち尽くす街灯が照らし出す道の先は、この世ではない場所へと続いて…
一度閉じたカーテンをめくると窓にはしっかりと鍵がかかっている。 僕はスマホの画面越し…
「ただいまー!」 「おかえりなさい。あら、マモルちゃん。頭に草がついてるわよ」 ある日…
あと一歩だというところまできたその時、歩調を合わせ、ここまで一緒に歩いてきた彼女の足が止まった。 僕もその場で立ち止まり、彼女の方を振り返る。そして彼女に向かって優しく笑いかけながらこう言った。 「どうしたの?もしかして、怖くなっちゃった?」 彼女の肩にそっと手を乗せて覗き込むと、青白い顔をした彼女は固く口を閉じ、焦点の合わない目でこれから行く先をじっと見つめていた。ぎゅっと握りしめすぎて真っ白になった両手。ガチガチに硬直している身体とは裏腹にガタガタと膝は激しく震