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「経営者を育てるアドラーの教え」を読む②

さて、先週末は推しのバンドのライブに2日連続して参戦してきて日曜日は1日部屋に缶詰でお勉強、そのあと怒涛の1週間ってことで今日は金曜日。そんなここ1週間でしたね。
あっという間だなー、先週盛り上がったのも随分前のような気がしないでもない。ほんと言葉だけでなく1日1日を大切にしたいなーと思う今日この頃なんですよね^^
今日は2週間前に書かせてもらいました岩井先生の「経営者を育てるアドラーの教え」についての第2弾になります。

こちらは前回の記事になります。

前回は、経営者にこそアドラー心理学が必要な3つの理由を中心に書かせてもらいました。
今回のnoteについては、これまでの「恐怖・不信・軽蔑」の支配から、
「尊敬」「信頼」「共感」「協力」の4つの条件を備えた人間関係へと転換させることではじめて組織変革が可能、と書かれているその4つの条件ですね、これをそれぞれこの後まとめていきたいなと思います^^




人の優劣は存在しない

アドラー心理学の4つの考え方のうちの1つ目が「尊敬」です。尊敬という言葉は実は経営においてはほとんど語られることはないんですよね。岩井先生いわれるには、パワハラ、セクハラ、モラハラなどのハラスメントの背後には、必ず「尊敬(リスペクト)」の欠如が潜んでいるとのことです。
上司と部下の関係って、これまでは普通に「タテ」の関係でとらえられてきていましたよね。
最近よく言われることですが、組織上、上司・部下という役割が存在するのは致し方ないけれども、本来は人間の尊厳においては違いがないわけで、経営者も社内での人間関係構築のためには「尊敬」をもって運営していくことが求められると私も思います。
そもそも上司・部下という呼び名もなるべく使わないようにはしています。

会社であれば、経営者こそがまずは社員に対して、尊敬、信頼の態度を示すことが求められています。「俺を尊敬しろ、俺を信頼しろ」とトップが言ったり、言わないまでもそのような空気を醸し出しているのは恐怖をもって支配しているのであって、「尊敬」をもとに経営していないわけですよね。

アドラーは「われわれが反対しなければならないのは、自分自身への関心だけで動く人である。この態度は、個人と集団の進歩にとって、考えられるもっとも大きな障害である。どんなものであれ、人間の能力が発達するのは、仲間の人間に関心を持つことによってだけである」と言っていますが、ここで仲間の人間に関心を持つというのは、社長(トップ)と社員が相互尊敬・相互信頼の関係になるということです。
支配の関係からそのような関係に変えていくには経営者の自己変革が求められると。組織の立場に応じた責任や権限は存在しますが、その組織を構成する一人一人の「人間」に対してリスペクトを持つ、これは絶対、という言葉を使っていいほど経営者にとって重要なことではないでしょうか。

ドラッカーは「仕事の上の人間関係は尊敬に基礎を置かねばならない。これに対して心理的支配は、根本において人をばかにしている」と言っています。支配によって人を動かすのではなく、自律的に行動させるには、尊敬に基礎を置く必要がありますね。ドラッカーもアドラーと同じことを言っています。
相互尊敬・相互信頼が令和的な人間関係のモデルになるだろうと岩井先生もこの本の中で書かれていました。ホントその通りだと思います。

アドラーは「われわれのまわりには他者がいる。そしてわれわれは他者と結びついて生きている。人間は、個人としては弱く限界があるので、一人では自分の目標を達成することはできない」と言っています。



信頼とは人間性の軸、信用とは生産性の軸

4つの考え方の、2つ目は「信頼」です。
「信頼」と近い言葉で「信用」という言葉もありますね。この2つの違いを明確にすることで「信頼」そのものも明らかになります。
信用と信頼はどこが違うのか。岩井先生はこの本の中で、触れられています。
組織の中には2つの原理が存在すると。それは生産性の原理と人間性の原理の2つ。生産性の原理は「信用」によって測られ、人間性の原理は「信頼」によって実現できるものなのです。

「経営者を育てるアドラーの教え」の図から抜粋編集

信用(Credit)と信頼(Trust)はどこが違うのでしょうか?上記は「経営者を育てるアドラーの教え」に掲載されている図です。
アドラー心理学では信用とは「相手の悪意の可能性を見極め、しっかりとした裏付けをもとに信じること」であり、信頼とは「常に相手の行動の背景にある善意を見つけようとし、根拠を求めずに信じること」と定義されます。

換言すれば、信用とは条件付きで信じること。
信頼とは無条件に信じることなんです。
このあたりを聞いたときには、以前の私なら、無条件に信じる関係、これを経営者が社員に対して持ち込むなんてとてもあり得ない、としか思えませんでした。いやそれどころか、人間は弱いもので何かきっかけがあったら何をしでかすかわからないんだから「性悪説」でいないと、結局、裏切られて自分も苦しむし、会社も損失を受けてしまうと。。。

しかし、無条件の信頼とは人に対して盲目的になる、ということではないんですよね。組織ですから、注意をすることもあるでしょう。相手の行動が間違っているとなれば、「君はちょっと期待したことを違うことをやっているな」というように助言をしていくことが、相手を信頼するということであり、相互信頼のベースになるものだそうです。
経営者はこうした信頼のトレーニングを絶えずやっていくと。
「本当に自分はこの人を信頼しているのか」と自らに問いかけていく。また「逆の立場だったらどうだろうか」と問いかけていく。

これは実際に自分自身が意識してやっていくととても難しいことが知らされますが、私の中で心境が明確に変わったことは自覚がありますね。これからの経営は生産性は問うていくのは勿論なのですが、その根底には人を育てて組織を活性化するために欠かせない人間性の軸に徹底してこだわっていく必要があるんだなと今は思っています。

「信頼が勇気にエネルギーを与え、勇気が希望を育み、希望が信念を創造し、信念が行動を生み出す」のです。



相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じる

3つ目は、「共感」です。
共感はまさに、相手の目で見て、耳で聞いて、心で感じることですよね。その反意語は何か?というと「独善」です。
経営者は自ら、「独善」に傾くことを戒めていかねばならないですよね。
しかし共感のレベルを超えて、「同情」モードに入ってしまうのもまた違うと。難しい。
共感は他者・仲間への関心と言えますが、その時の状況を俯瞰して見られるというのは共感の重要な要素です。

岩井先生がこの本の中で言われているのが、研修講師などをされていて参加する人の中に、ハイパフォーマーもいれば、ローパフォーマーもいると。
その両者の違いを観察すると、向上心や責任感などもあるけれども最大の違いは「共感力」の差なんだそうです。
ローパフォーマーは自分への関心が強い(いわゆる独善ってことです)割には、他者や状況への関心が極めて希薄だ、ということでした。
なるほど・・・すごくよくわかるなあ・・

アドラーは「人生において最大の困難にあい、他者にもっとも大きな害を与えるのは、仲間に関心を持っていない人である。人間のあらゆる失敗が生じるのは、このような人の中からである」と言っています。
だから、失敗をしがちなローパフォーマーから成長するには、仲間や状況への関心を高める訓練をしなければならないんだ、ということです。。。
またそれは経営者自身にも当てはまります。
経営者自らが、自己変革することによって組織が変わっていくんですよね。変革のモデルになることで変わっていくのだと。。。



原因追究のWHYではなく、協力のWHY

4つ目は何か、「協力」です。
会社の経営理念はずっと変わらなくても、年度年度で方針が変化します。それは変わってもかまわないもの。一つの理念やミッションに向かって結合する力を作る為に、経営者は表現を変えながら常に社員に訴えていく。
その為に強烈な理念を持たねばならない。それが協力の原点になる、と書かれていました。なるほど。

そしてもう1つ、印象に残ったのはWHYにも2つあって、現象、出来事がなぜそうなったのかを究明していく為に使うWHYもあれば、
別な、協力のWHYもあるんですよね。
何か失敗があったときに、なぜ失敗したのかと原因を追究していく、それが3回も続けば人格否定につながってしまうと。
現象や出来事を究明するためのWHYは必要であり有益であっても、人間の意図や意思がある行動についてWHYによって原因追究するのはいい結果を導くわけではないんです。

それに対して協力のWHYはあっていいし、必要。
何かミスをした部下が自分に報告に来た時。
事情を聴いた後に、そもそもこれは君だけで処理してもいいことだけれど、わざわざ自分に言ってきたのにはどういう意図があったのか?なぜなんだろう?とここでWHYを使います。
これは相手に話をさせて、現状への対応と再発防止の方法に一緒に考えてくれないかという協力のWHYです。
経営者は原因追究のWHYを使うのよりも、「一緒に何ができるだろうか」という前向き行動につながる協力のWHYにしてもらいたいと岩井先生もお書きになっています。

2回分で、今回「経営者を育てるアドラーの教え」という御本についてお話させて頂きました。私、今経営者としての考え方のベースは間違いなくアドラー心理学があります。
追々、今後はもっと分かりやすく皆さんに発信させて頂きたいなと思っている次第です^^

今日はこの辺で終わりにさせて頂こうと思っています☆

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