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詩集『アプリコットジャム』

19
杏子とお砂糖、煮詰めました。
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#自由詩

【詩】November

11月が来る 君が遠くなる

君の温度を忘れそうで凍えた

11月が来る 塗り替えられてしまう

君の言葉をまた失うんだろう

11月が来る 嫌いな季節だ

僕の闇が 色をまた深める

11月が来る また11月が来る

11月が来るたびに君を忘れてしまうのならば

僕はもう死んでしまいたい

いかないで。

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【詩】still.

【詩】still.

君にとってはもう過去の話なのでしょう
腐敗した思い出 そんなものなのでしょう

どうしてそんなものに今もなお
私は期待しているのだろう
君の笑う顔が あの笑顔が
再び私に向けられることはないだろうに

いまでも好きなの

君にとってはその程度の恋だとしても
ここにある傷跡 いつまで残るのでしょう?

どうしてこんなものを今もなお
治す気にならないのだろう
君の笑う顔を あの笑顔を
忘れたとしたら生

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【詩】瘡蓋

安物のサンダルはすぐ指の皮が剥ける

その靴ずれ、お風呂で沁みた

大した距離、歩いてないのに

簡単に傷つけてくれるものね

瘡蓋になったその取るに足らない後悔

今朝なんとなく引っ張ってみた

痛みもなく綺麗に剥けた

簡単に治ってしまったりするものね

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ちなみに3月に寝ぼけた頭で古紙出そ

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