おすすめのエッセイ本を読んでみた

noteをしていてよかったことのひとつに、新しい本との出会いがあります。記事を見て気になる本に巡り会うこともあれば、クリエイターの方から直接、おすすめの本を教えて頂けることもある。

昨年、すーこさんからエッセイ本をおすすめして頂きました。あれから少し時間が経ってしまったけれど、ようやくその本を手に取ることができたので、今回はその感想を文字にしてみようと思います。

■いのちの車窓から / 星野源

「星野さんは、どうして文章を書くのですか?」この問いに対して彼は「メールを書くのがものすごく下手だったから」だと綴っています。
「16歳のときに読んだエッセイストに憧れて、文章を書けるようになりたいと思ったから」というインタビュアー向けに用意した回答も嘘ではないというけれど、その真意を簡単に説明すれば、文章を書くのが苦手だったからこそ、彼は文章と向き合う覚悟を決めたのだということのようです。

このエッセイを手に取ったとき、私は「彼は本当に何でも出来る人だな」と感じました。特に言葉の選び方や伝え方が上手いなと、素直にそう思ったのです。笑福亭鶴瓶さんとの思い出を綴ったエッセイは個人的にかなり好きで、エッセイって素敵だなあと改めて感じられたほどでした。

わたしの中の星野源という人は、いい意味で「孤独」を愛する人というイメージがありました。それは以前、星野源さんとマツコデラックスさんが「ぐるぐる回っている洗濯機を見ながら孤独感にさいなまれる」話で盛り上がる様子を、テレビで観ていたからでした。
わたしはひとり、その話をすごく興味深く聞いていたのです。

このエッセイ本を読んで、彼は本当にたくさんの人に囲まれて生きていることを知りました。そして、私が感じていた以上に「人」がスキな人であるということも。

「人に頼らないようにしてるとか、自分一人で生きてるんだと思われるかもしれないんですけど。孤独なんですけど、孤独って人がいないとできないんですよね」
マツコ会議:星野源

あのとき彼がテレビで言っていた言葉の意味が、このエッセイ本を読んでなんとなく分かったような気がしました。ちなみにこのテレビ番組については、私がついついチェックしてしまう、しいたけ占いのしいたけさんも以前記事にされていたので、こっそりリンクを貼っておきますね。

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「どうして文章を書くのですか?」

その問いに、自分ならなんと答えるのだろうかと考えてしまいます。

__文章を書くのが好きだから。

その答えが全てに違いないのだけど、突き詰めていくとそこには何があるのだろうなんて、自分の頭の中を少し探ってみたりもしました。

「油絵みたいな海」だなあとか「木漏れ日の中を歩いていると…」だとか、目に見える景色を自然と言葉に変換していくようになったのは、いつの頃からだったのでしょうか。気がつけば、第三者としての私が、常に自分の姿を客観視しているような感覚が根付いていました。

自分の見た景色や感覚を同じように誰かと共有できたらいいのに。もしかするとそれが、私が文章を書く理由であって、文章を通して伝えたいことであるのかもしれません。

楽しいことをして、その時間を共有するのももちろん素敵なことだけど、なんでもない景色で見つけたワクワクを誰かと分かち合えることは、私の中でかなり素敵で、幸せなことなのです。

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改めましてすーこさん、素敵な本との出会いを下さり本当にありがとうございました。皆さまもぜひ、お手に取ってみてくださいませ。

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