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印度林檎之介 ショートショート

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印度林檎之介作 珠玉のショートショート集
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2016年2月の記事一覧

ショートショート「最先端」

友人のA子の知り合いがブティックをやっているというので見に行く。
いま流行の呪い系女子、サダコさんの店だそうだ。

店についてみると、外観からしてなんか禍々しい雰囲気だ。
わざと古びさせたペンション風?とでもいうのだろうか。
一人では絶対入れないだろう。

入るのを躊躇していると、A子がニッコリして話しかけてくる。
「ね、オーラがすごいでしょ?」
「……お、おう」

なぜか地下1階が売り場の入り口

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ショートショート「涙」

「おじいさん、おばあさん。私は月に帰らねばなりません」
「おお、そうなのかい?」
「まあ、まあ、それは大変ですねえ」
「私は月に帰るんですよ?お別れなんですよ?」
「はい、はい。わかりましたよ。
 そうだ、お土産におだんごを作ってあげましょう」
「それがいいのう。ばあさんの団子はうまいからのう。
 ……それで、いつかえってくるのじゃ?
 おまえがいないと、わしらはさびしくてのう」
「そう、そう、

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ショートショート「苦手」

キールは北の大地に住むシベリア虎、森の帝王だ。

ずば抜けて大きな体を持ち、無敵の強さを誇る。
羆や他の虎、人間までもが彼を恐れ敬うのだ。
そんな彼にも苦手なものがあった。

満月だ。

思い起こせば一年ほど前になる。
山中で出会った人間を襲ったところ、逆に噛まれてしまったのだ。
以来、満月の晩になると彼はこそこそと誰もしらない洞窟に隠れ、じっとしている。

なぜなら、満月が昇ると、彼は狼に変身し

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