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印度林檎之介@小説
2016年2月5日 05:55
友人のA子の知り合いがブティックをやっているというので見に行く。いま流行の呪い系女子、サダコさんの店だそうだ。店についてみると、外観からしてなんか禍々しい雰囲気だ。わざと古びさせたペンション風?とでもいうのだろうか。一人では絶対入れないだろう。入るのを躊躇していると、A子がニッコリして話しかけてくる。「ね、オーラがすごいでしょ?」「……お、おう」なぜか地下1階が売り場の入り口
2016年2月20日 09:25
「おじいさん、おばあさん。私は月に帰らねばなりません」「おお、そうなのかい?」「まあ、まあ、それは大変ですねえ」「私は月に帰るんですよ?お別れなんですよ?」「はい、はい。わかりましたよ。 そうだ、お土産におだんごを作ってあげましょう」「それがいいのう。ばあさんの団子はうまいからのう。 ……それで、いつかえってくるのじゃ? おまえがいないと、わしらはさびしくてのう」「そう、そう、
2016年2月2日 07:27
キールは北の大地に住むシベリア虎、森の帝王だ。ずば抜けて大きな体を持ち、無敵の強さを誇る。羆や他の虎、人間までもが彼を恐れ敬うのだ。そんな彼にも苦手なものがあった。満月だ。思い起こせば一年ほど前になる。山中で出会った人間を襲ったところ、逆に噛まれてしまったのだ。以来、満月の晩になると彼はこそこそと誰もしらない洞窟に隠れ、じっとしている。なぜなら、満月が昇ると、彼は狼に変身し