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Bubbleで1ヶ月で構築し、あの大企業とコラボ!株式会社あいホーム「バーチャル展示場」は、こうして作られた!

昨日3/27、NoCodeCamp主催のイベントが開催されました。

ゲストは、株式会社あいホーム代表取締役の、伊藤 謙さん(通称イトケンさん)
先日バーチャル展示場をリリースし、不動産DXを実現。
この開発は、僕がBubbleを使って担当しました。

仲介に入ってくださったNoCodeCampのツバサさんとNinjaさんも交え、4人で楽しく話せました。

その中で、これからのアプリ開発における重大なヒントがたくさん出てきて、本当に勉強になったので共有します。

ノーコード開発だけでなく、アプリ開発に携わるエンジニア、発注者の全員に届いて欲しい。そんな記事となっています。

キーワードはとにかく「シンプル」、そして「削ぎ落とし力」です。

バーチャル展示場について

2021年2月、株式会社あいホームはバーチャル展示場をリリースしました。

※スマホ閲覧推奨です

各物件のページへ行くと、このようにアプリ内で自由に内見することができます。

バーチャル展示場

住宅展示において一社単独でバーチャル展示場を開発するのは国内初の事例となります。

大手の不動産情報サイトなら類似サービスがありましたが、
一社単独での開発は、全く新しい事例です。


そして更に大きなプレスリリース。
なんと株式会社Francfrancとのコラボが実現します。

さきほどのバーチャル展示場に、Francfrancの家具がコーディネートされています。
気になるアイテムをタップすると、そのまま購入することができます。

バーチャル展示場の室内を実際の家具や雑貨でコーディネートし、直接購入できる仕組みは初めての試みとなります。

一社単独でこのようなコラボは珍しいし、これまた全く新しい事例です。

地方テレビでも紹介され、話題になっています。



最初の納品物は、すぐに捨てた

今回の開発は、数段階に分けて納品しています。

①プロトタイプ開発
②バーチャル展示場開発
③デザインのブラッシュアップ

イベントで話してて初耳でしたが、①の納品物は受け取ってすぐ捨てたそうです。

なぜなら、①を見たことで②の構想が明確化したから。

イトケンさんの作りたいものは②のバーチャル展示場。
そのために①を無理やり改修するくらいなら、②を新しく開発してもらおう。
こういった考えです。

①を作らなければ見えなかった世界が見えた。
その時点で、①は役目を果たしたのです。


僕はこれを聞いて、本当に嬉しかったです…!

「せっかく作ったアプリを捨てられて悲しくないの?Mなの?」

とんでもない。MVP開発において、アプリは捨ててナンボ。
役目を果たしたなら捨てる。僕はこの考えに大賛成です。

これを行えるのは、ノーコード開発ならではだと思います。
期間も予算もみっちりかけて作ったアプリは、多少おかしくても捨てられないですよね。

でも今回の開発は1ヶ月。いい意味で、愛着が無いのです。

作ったアプリを見てアップデートされた思考で、また新しいアプリを作る。
その方が絶対に良いアプリを作ることができます。
そんなアプリを今回は開発できた。だから嬉しいのです。



要件定義は、紙2枚のみ

イトケンさんの発注を聞いて要件定義をした結果、たった紙2枚分に収まりました。
それも余白スカスカの内容で、もはやメモ書きです。

しかしそこには作りたいサービス、実装したい機能がズバリ具体的に書かれていました。
この情報量の少なさは決して手抜きでなく、本当にこれだけで十分だったのです。


こうなった背景には、発注者であるイトケンさんの考え方が反映されています。

イトケンさんは最初のアイディアを発案してから、周りの10人以上に壁打ちしてから発注してくださったそうです。
壁打ちすることで余計な機能は削ぎ落とし、要求をシンプルに。とにかくシンプルにしていました。

「絞り込み機能はいらない。PCビューはいらない。凝ったデザインはいらない。いらない。いらない…」
「でも、この機能だけは譲れない」

結果、非常に研ぎ澄まされた、しかし芯のある発注をしてくださいました。


僕らはこれを紙2枚に書き起こし、その通りに作ります。
そこに迷いはなく、1ヶ月という短納期でも余裕をもって開発できました。
なぜなら発注がシンプルだから。

納品物は一発でほぼOKが出ました。
なぜなら発注がシンプルだから。
要件が具体的かつ数えるほどしかないので、イメージの相違がほぼありません。

こうして生まれたバーチャル展示場は、シンプルで非常に使いやすいアプリとなりました。
開発者目線でも、本当に良いものが作れたと思っています。



発注者に求められる「削ぎ落とし力」

開発サイドの要件定義力も大切ですが、そもそも発注者の発注方法にも上手い下手があります。

今回のイベントの懇親会にて、この話を聞いたよーこさんが次のパワーワードを発します。

「削ぎ落とし力」

アイデアを壁打ちしたり、とにかくシンプルにする意識を持ったりと様々なノウハウがありますが、その全てが「削ぎ落とし力」という言葉に詰まっています。

開発者は、要件がシンプルであればあるほどスムーズに開発できる。
発注者は、シンプルな要件が完璧に実装されたアプリを手にできる。
ユーザーは、シンプルゆえに迷うこと無く、アプリの価値を体感できる。

ムダを削ぎ落として洗練された発注・アプリは、全員が得をするのです。

この考えを、アプリ開発関係者の全員に知ってもらいたい。
みんながハッピーになってほしいです…!



本の出版情報

今回のイトケンさんの考え方が詰まった本が出版されています。

DXの理論でなく、具体事例を掲載することにこだわった1冊です。
工務店のみならず様々な業界に応用できる内容なので、DX関係者は必読です!

今回のバーチャル展示場は、執筆期間の数カ月間で依頼〜完成まで収まっています。
なので内容を書き変えてもらい、今回の事例も掲載されています!

ぜひお手にとってみて下さい。
きっとDXを進めていくヒントを得られます!







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