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薪ストーブと環境問題

薪ストーブは環境にやさしい。
そんな話は聞いたことがあるけど、どうしてなんでしょう。
燃料の薪は森林資源だし、薪ストーブを焚くと煙が出るし。

今回は薪ストーブときってもきれないトピック「環境問題」について、薪ストーブの魅力や火のある暮らしを40年間ご提供し続けてきたエープラスが深掘りしていきたいと思います。

・化石燃料の利用と地球温暖化

地球温暖化の要因の一つである、化石燃料の利用は産業革命以降増え続けています。
化石燃料を使うことで、二酸化炭素が増加します
1750年に278ppmだった二酸化炭素濃度は、1990年には357ppmそして2020年には416ppmにまで増え続けています。
現在も毎年2.6ppm程度上昇を続けています。

CO2が空気中に増えると地球が温暖化し、気温や雨の降り方などの気候を変化させます。
このような背景から、CO2を排出している化石燃料の削減が、言わずもがな世界共通の課題となっている昨今です

・薪が燃えるときにCO2が出るのに、本当に環境に優しいの?

森があって、その木を薪にします。薪ストーブを燃やせばCO2がでます。
しかしそのCO2はもとの森が成長するときに吸収されます
そして、20〜30年後には成長した木が薪になり、排出されたCO2はまたもとの森に吸収されます

このように、森と薪ストーブを炭素が循環するようになるので、薪はCO2を増やすことも減らすこともしないのです
なので、森林の再生速度を超えない範囲で利用する薪は、*カーボンニュートラルな再生可能エネルギーなのです。

*カーボンニュートラルとは
温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること。
カーボンニュートラルの達成のためには、温室効果ガスの排出量の削減並びに吸収作用の保全及び強化をする必要がある。

環境省「脱酸素ポータル」
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/about/

もし薪ストーブを使わなかったらどうでしょうか?
灯油や電気など、化石燃料を使用した暖房を使うことになります。
薪はCO2を増やしも減らしもしませんが、薪ストーブにより化石燃料を使用しなくて済みます
結果として、薪ストーブは大きなCO2削減効果があるといえます。

ここで大切なことは、もとの森が維持されるということです。
例えば、薪を切り出した森がゴルフ場や太陽光発電施設に変わって、森ではなくなってしまった場合。
個別に見ると、その薪はカーボンニュートラルとはいえなくなってしまいます。
ただ日本全体で見た場合、日本の森林面積はこの50年以上ほとんど変化がありません。
日本全体で見ると森林は維持されていますので、日本の薪はカーボンニュートラルと言えるのです。

・日本の森林にとって、薪の利用はプラス?


この図は日本の森林量のグラフです。
昭和40年から森林量が増加しているのがわかります。
日本では、森林を増やすというよりは伐って使う時代である、ということがわかります。
木をうまく使うことのほうが課題なのです。

日本の森林は増えているのですが、その森林の状況はどうなのでしょうか?

実はこの写真のように、戦後植えられた人工林は間伐がされず、低質な木が多いのが現状です。
用途がないと伐り捨て使われません。
薪はどんな木でも使えるので、薪も立派な木の用途になっています。

特に間伐遅れの人工林は、針葉樹の森です。
薪として針葉樹を使うことが、森の有効活用につながります

このように、薪利用は森林・林業に大きく貢献しているのです。

・ゼロカーボンに向けて、森林資源は貴重な自然エネルギー


日本は、CO2排出量実質ゼロ(ゼロカーボン)を目指しています。

菅総理大臣(当時)は、2020年10月26日、所信表明演説において、「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。その後、2021年10月22日に2050年カーボンニュートラルに向けた基本的な考え方等を示す「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略(PDF)別ウィンドウで開く」を閣議決定し、国連へ提出しました。

外務省「気候変動」
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page1w_000121.html

実現のためには、我々の生活の全てを見直さないといけません。

これまで必要なものは世界各地から輸入して使用するグローバル化が進んできました。
しかし、輸送には化石燃料が必要で大量のCO2が放出されています。

今後は反対に、地産地消が見直されると思います。
地産地消の視点で日本を見ると、森林は数少ない貴重な資源です。
森の木は材料として、エネルギーとして今後見直されることでしょう

・薪作りは地域づくり

多くの方に薪の話を聞くと、薪作りはおじいちゃんの仕事、という家族が多いようです。
薪作りはおじいちゃんの生きがいとなっているようです。
また、薪を買う場合、薪を買うと地域で仕事が増えます。
山仕事の林業はもちろん、福祉施設で薪を作っているところも多くあります。
また薪を配達する仕事にもなります。
薪を買って使うことで、地域の身近な人々の仕事となり地域社会を支えているのです

薪の配達

このように、薪を作って使うことで地域でお金が循環するようになります。
これまでの田舎、中山間地域は地域から人材とお金が流出して疲弊してきたのですが、薪を使うことで地域内の経済が活性化できるのです。
まさに、薪作りは地域づくりといえるのではないでしょうか。

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どうでしたでしょうか?
今回は、薪と環境問題にフォーカスした記事を書いてみました。
薪を使うことや日本の森林について、少しでも身近に感じていただけたら嬉しいです。

また、薪は木の種類よりも乾燥の仕方が重要です。

エープラスでは、長野県伊那市の地域材を使った薪の配送・配達を行っています。
是非お気軽にお問い合わせください!

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