夜のお散歩

疲れた日の帰り道、
ふと空を見上げると暗闇の中に
キラキラと眩しく輝く星がいくつも見えて、

「明日もがんばろう」

そう思える冬の夜が好きだった。

わたしの地元は、横浜市なのに
畑ばかりで「本当に横浜市？」
と聞かれるくらい田舎。

冬は大通りから一本入れば、
澄んだ夜空にオリオン座がはっきり浮かび、
どんなに寒い日でも
あたたかく「おかえり」と言ってくれる。

それが当たり前だと思ってたから、
星空撮影の練習のために近所をお散歩したとき
全然星が見えなくて、がっかりした。

ほぼ埼玉の都内でも街灯が少ない場所に行けば
星くらい見えるだろうと思っていた。

結論、見えたことには見えたけど、
ぼやっと、じわっとしか見えなかった。
全然キラッとしてなかった。

ちょっと悲しかった。
冷たい静けさに包まれた。

地元が恋しくなった。

ホームシックにもならないし、
地元愛が強いわけでもないけれど、
空を見上げて星から元気をもらえる
冬の帰り道は大好きだったんだなぁ。

そう気づかされる。

近々星に会いに帰ろうか。

なんてね。