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思考のスケールを変えることで対象との距離は変化する|5/30~6/3

佐藤李青(東京アートポイント計画)

コロナ禍の日々の記録。平日の仕事中心。2020年の1回目の緊急事態宣言の最中に開始。3回目の宣言解除の日から再開、少し休んで「第6波」から再々開。すぐに途切れて、再々々会。もう3年目。

2022年5月30日(月) 自宅

予定していたZoomミーティングが明日にリスケになる。ここぞとばかりに空いた時間を作業で埋める。

2022年6月2日(木) 武蔵小金井→市ヶ谷

昨日まで2日間、体調不良で仕事を休む。発熱とだるさ。自宅の抗原キットを使い、病院にもかかる。陰性。検査は先の予定を考えると、やはり躊躇してしまうけれど、前よりは構えなくなった。なるときはなる。しっかり寝こんで、風邪は抜けていった。
午前はシャトー2F「多摩の未来の地勢図」のミーティング。今年度の連続ワークショップの方向性を議論する。多摩地域をほかの土地の経験から見直してみる。そこから参加者それぞれが拠って立つ場所で何ができるかを考える……という狙いは変わらない。今年度は福島とのかかわりをつくりたいが、どうプログラムを組んでいくかを決めきれていない。その触れにくさについて、ある人には「惑星単位」で考えればいいのではないかと言われたのだという。思考のスケールを変えることで対象との距離は変化する。一方で、そのことばを聞きながら、福島のことは惑星単位で考えざるをえない出来事でもあるのだろうと思う。参加者とのかかわりも課題。今年度はオンラインとオフラインを混ぜ混んでいくことになる。何かを教える/学ぶだけでなく、一緒に、そして自分が何かをはじめる関係づくりを目指したいのだという。それには、おそらく、こうして議論しているプロセスを一緒に経験しながら進めていく必要があるのだろう。
そんな話をした部屋にはビーカーやスポイト、すり鉢がいくつも並んでいた。さながら実験室のような趣だ。図工など造形活動の基盤づくりをしている「ざいしらべ」の一環として、自然の素材を使って「色」を抽出する実験をしていた。この赤茶色のものはなんでしょう? とクイズを出される。正解は、アボガドだった。

先日収録した芹沢高志さんとの対談動画を確認する。自分のしゃべりを聞いていて、眠くなる。やっぱり動画収録は思うよりも元気を出していったほうがいいんだろうなと思う。

2022年6月3日(金) 市ヶ谷

予定では「ラジオ下神白」のドキュメント映像の上映会に行くつもりだった。会場は福島県いわき市の復興公営住宅「下神白団地」の集会所。高齢の人たちが多い場所だけに「ラジオ下神白」のプロジェクトとしても、しばらく団地には行けてなかった。その間にディレクターのアサダワタルさんは現地で録った音源を『福島ソングスケイプ』にまとめて、リリースした。プロジェクトの記録に入っていた小森はるかさんは、ひとつのドキュメント映像をまとめあげた。今回は、その映像を一般公開する前に、住民のみなさんにお披露目するために上映会を開いた。映像制作はコロナ禍以前からはじまっていた。それからコロナ禍に突入し、時期を見計らい続けて、やっとの開催だった。さすがに数日前にダウンした身としては、現地入りは難しいので、今回の下神白行きは断念した。上映会に参加した人たちから好評だったというメッセージが飛び交っていた。
事前に見せてもらったドキュメント映像はプロジェクトの記録でありつつも、音楽を主役にさまざまな人々の人生の物語を垣間見るようなものだった。ラジオ下神白のプロジェクト名の副題は「あのときあのまちの音楽からいまここへ」。CD『福島ソングスケイプ』はプロジェクトの記録であり、「ドキュメント音楽」としてつくられた。こうやってかたちになったものに触れながら、改めて、このプロジェクトが「音楽」を扱ってきたのだと体感している。

▼ 『福島ソングスケイプができるまで』は以下の動画から。

▼ 現地上映会の翌日(6月4日)は、読売新聞の記事で『福島ソングスケイプ』が紹介されました。

▼ 来月(7月31日)は、せんだいメディアテークでドキュメント映像の上映会と『福島ソングスケイプ』の音源を聴きながら、アサダさんと小森さんのトークも開催されます。

(つづく)

▼ 2年前は、どうだった?

佐藤李青(東京アートポイント計画)
アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画、Tokyo Art Research Lab、Art Support Tohoku-Tokyo(-2020)を担当。共著に『10年目の手記 震災体験を書く、よむ、編みなおす』(生きのびるブックス、2022年)。