佐藤李青(東京アートポイント計画)

アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画、Tokyo Art…

佐藤李青(東京アートポイント計画)

アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画、Tokyo Art Research Lab、Art Support Tohoku-Tokyo(-2020)を担当。共著に『10年目の手記 震災体験を書く、よむ、編みなおす』(生きのびるブックス、2022年)。

マガジン

  • 10年目を歩く、ことばを拾う|2011→2021

    2011年3月11日の東日本大震災から10年目。Art Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)も10年目。その歩みとことばの採集記録。カバー写真は猪苗代湖の「かめ丸」。

  • アートプロジェクトの現場から

    • 286本

    都内各地で地域NPOとともにアートプロジェクトを展開する「東京アートポイント計画」。各プロジェクトに伴走するアーツカウンシル東京の専門スタッフ「プログラムオフィサー」がそのとき起こったこと、考えたことをお届けします。また、各プロジェクトからの記事も紹介していきます。

  • 続々・渦中から|2022年5月9日-

    コロナ禍の日々の記録。平日の仕事中心。2020年の1回目の緊急事態宣言の最中に開始。3回目の宣言解除の日から再開、少し休んで「第6波」から再々開。すぐに途切れて、再々々開。もう3年目。

  • 続・渦中から:2021年6月21日/2022年2月25日

    コロナ禍の日々の記録。平日の仕事を中心に。土日祝は休みます(例外あり)。2020年に初回の緊急事態宣言の最中にはじめた日記はこちら(https://note.com/ap_sato/m/m00773531d1f4)。3回目の緊急事態宣言解除の日から再開。ちょっと中断してから、再々開。しばらく続けたい。

  • ”集えない”時代のアート・アクション

    • 15本

    新型コロナウイルス感染症拡大によって、人と人との距離が求められるようになりました。アートプロジェクトは集えない時代にどんなアクションができるのか? 東京アートポイント計画にまつわるアーティストやチーム、プロジェクトの新たな試みをご紹介します。

最近の記事

  • 固定された記事

対談動画「3.11からの眺め」が公開されました。

P3 art and environmentの芹沢高志さんとの対談動画が公開されました。今年の3月にリリースされたCD『福島ソングスケイプ』と書籍『10年目の手記』の紹介から、アートプロジェクトにおける「事業・活動・運動」という軸を提示してみました。2011年の震災以降の動向を念頭に置きつつ、さまざまな話題を議論しています。前半と後半の2本立てです。 動画の冒頭でも触れた『震災後、地図を片手に歩きはじめる』(アーツカウンシル東京、2021年)は以下のサイトでPDFダウンロー

    • 展覧会「記録から表現をつくる」ができるまで

      カロクリサイクルの展覧会「記録から表現をつくる」が、3月11日まで3331 Arts Chiyodaの3階、ROOM302で開催中です。開場時間が、平日と休日で異なりますのでお気をつけください。 会場には、昨年の夏に開催したワークショップ「記録から表現をつくる」に参加したメンバーの有志が、それぞれにリサーチをし、表現をしたものが展示されています。関心の対象も、表現方法もばらばらで、じっくりとご覧いただけるものばかりです。 小さな空間で、短期間の展示ですが、どれもがリサーチ

      • 春の日に、「いしのこえ」を聞く

        花粉が猛威をふるう季節ですね。外出すると鼻水とくしゃみが止まりません。目もかゆい。そんななか、意を決して「ラッコルタ – 創造素材ラボ- vol.2 成果展 『いしのこえとみかげ』」へ行ってきました。 会場は府中市郷土の森博物館の敷地内にある「旧田中家住宅」。ちょうど「郷土の森 梅まつり」も開催されていて、園内はたくさんの人たちで賑わっていました。常設展や企画展を行う「本館」(プラネタリウムもある!)のほかに、園内には、いくつも移築された建築や梅園、売店などがあり、天気のい

        • 再開ムードは反転するのだろうか|7/11〜7/15

          2022年7月11日(月) 市ヶ谷じめじめと暑い。出社するだけで汗が止まらなくなる。週末はワクチンの副反応で寝て過ごす。投票には行った。自民党が圧勝のニュース。東日本大震災から11年と4ヶ月目の月命日。『戦争体験 一九七〇年への遺書』を読みはじめる。 体験的な10年前への距離の近さと、社会的な10年が過ぎる早さ……「11日」という日付を見ると思わず「月命日」と書いてしまう自分の感覚とも通じるものがあるんだろうなと思う。すでに自明なものは自明ではない時間に入っているんだろうけ

        • 固定された記事

        対談動画「3.11からの眺め」が公開されました。

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        • 10年目を歩く、ことばを拾う|2011→2021
          佐藤李青(東京アートポイント計画)
        • アートプロジェクトの現場から
          東京アートポイント計画 他
        • 続々・渦中から|2022年5月9日-
          佐藤李青(東京アートポイント計画)
        • 続・渦中から:2021年6月21日/2022年2月25日
          佐藤李青(東京アートポイント計画)
        • ”集えない”時代のアート・アクション
          東京アートポイント計画 他
        • 渦中から:2020年4月21日-11月30日
          佐藤李青(東京アートポイント計画)

        記事

          「以後」になると、「以前」が遠くに感じられる|7/4〜7/8

          2022年7月4日(月) 上野→市ヶ谷雨が降っている。でも、暑いものは暑い。月曜日の上野公園は、ほとんどの施設が休館のためか静かだ。東京国立博物館平成館に「だれもが文化でつながる国際会議」へ。セッション4の「つながりを生み出す:私たちの文化的生態系」に参加する。大きな力に対するためには集まることが必要……Collective、Platform、Groupであることを繰り返し語っていた(と思う)Struggles for Sovereignty: Land, Water, Fa

          「以後」になると、「以前」が遠くに感じられる|7/4〜7/8

          マスクは暑さで外すのか?|6/27〜7/3

          2022年6月27日(月) 武蔵小金井→谷保週末はとんでもなく暑かった。今日も、朝から暑い。熱中症の注意喚起のニュースも多い。東京電力管内では「電力需要ひっ迫注意報」も出た。記録的な早さで、関東甲信から九州にかけて梅雨が明けた。3月16日の地震から3ヶ月ぶりに阿武隈急行が全線開通。昨夜は熊本で震度5の地震があった。TARL(Tokyo Art Research Lab)の動画で港千尋さんが紹介していた『世界の終わりを先延ばしするためのアイディア』という書名が、頭のなかでぐるぐ

          マスクは暑さで外すのか?|6/27〜7/3

          ここにも表現による継承がある|6/20〜6/24

          2022年6月20日(月) 市ヶ谷→自宅朝から暑い。昨日は能登で震度6弱の地震があった。何かに追い立てられているわけではないけれど、記録はすっかり滞りがちになってきた……。 2022年6月21日(火) 市ヶ谷係会(注:東京アートポイント計画のスタッフ定例会)。来年度の予算要求は7月中に固めることになりそう。オフィスの引っ越しは7月30日と31日で決定。8月1日からは引っ越し先で仕事がスタートする。とはいえ、いまのオフィスに引っ越す前にいたビルの違うフロアに移動するに過ぎない

          ここにも表現による継承がある|6/20〜6/24

          「やろうとしたこと」は何であったのか|6/16〜6/17

          2022年6月16日(木) 市ヶ谷→上野寒い。こどもが週末に骨折をし、てんやわんやで看護休暇を取得していると、今週も後半に突入している。東京藝術大学へミーティングに向かう。はじめて音楽学部がある敷地に入る。ミーティングでは図らずも、これまでの活動を振り返るような内容になる。ある活動を、次の担い手にリレーをする。そのとき「できていること」より「やろうとしたこと」は何であったのか、「できなかったこと」も含めた膨らみのあるプロセスを引き継ぐことが必要になるのではないだろうか。 東京

          「やろうとしたこと」は何であったのか|6/16〜6/17

          いろんなものが再開してきている|6/6〜6/10

          2022年6月6日(月) 市ヶ谷ざんざん降りの雨。電車は遅延。『最期の声 ドキュメント震災関連死』を読み進める。もう何日も読み続けている。内容が面白くないわけではない。身近な人の死について声をあげ、判例をつくってきた人たちの話だ。著者は災害関連死という「最期の声に耳を傾ければ、自然災害を生き延びる手がかりをえられるのではないか」という。この頃、何かのブレーキがかかっているかのように、震災の話が生々しいものほど読むのに時間がかかるようになった。 Tokyo Art Resear

          いろんなものが再開してきている|6/6〜6/10

          思考のスケールを変えることで対象との距離は変化する|5/30~6/3

          2022年5月30日(月) 自宅予定していたZoomミーティングが明日にリスケになる。ここぞとばかりに空いた時間を作業で埋める。 2022年6月2日(木) 武蔵小金井→市ヶ谷昨日まで2日間、体調不良で仕事を休む。発熱とだるさ。自宅の抗原キットを使い、病院にもかかる。陰性。検査は先の予定を考えると、やはり躊躇してしまうけれど、前よりは構えなくなった。なるときはなる。しっかり寝こんで、風邪は抜けていった。 午前はシャトー2Fで「多摩の未来の地勢図」のミーティング。今年度の連続ワ

          思考のスケールを変えることで対象との距離は変化する|5/30~6/3

          コロナ禍も3年目にして、ようやっと掴みかけた|5/23〜5/27

          2022年5月23日(月) 市ヶ谷国立市文化芸術条例と文化芸術推進基本計画の内容と策定の経緯、文化芸術推進会議の議事録を読み込む。昨年度から始まったACKT(アクト/アートセンタークニタチ)は、この基本計画の一環として展開している。基本計画の掲げる「推進体制の構築」と、東京アートポイント計画が重視する事業を動かす体制づくりで目的が合致した。条例から計画、そして事業への流れを追いながら、2020年度まで共催事業だった小金井アートフル・アクション!(小金井市芸術文化振興計画推進事

          コロナ禍も3年目にして、ようやっと掴みかけた|5/23〜5/27

          「オミクロン株対策が行われるよりも前の扱い」に戻す|5/16〜5/20

          2022年5月16日(月) 自宅在宅で粛々と作業を進める。この頃は「作業」が多いが、時間がかかるだけで、きらいではない。これといって特筆すべきことはなし。 2022年5月17日(火) 市ヶ谷曇り空で肌寒い。この1ヶ月くらいは寒暖の差が激しい。出社して、すぐに短いZoomミーティングをひとつ。Tokyo Art Research Lab(TARL)ウェブリニューアルにあたっての作業方針を議論する。 係会(注:東京アートポイント計画のスタッフ定例会)。来月から来年度の予算要求が

          「オミクロン株対策が行われるよりも前の扱い」に戻す|5/16〜5/20

          継承は、受け手の勘違いからはじまる|5/9〜5/13

          2022年5月9日(月) 市ヶ谷「行動制限のないGW」が終わった。第7波は、まだ来ていない。ウクライナでの戦争のニュースが取って代わったかのように、日々の感染者数を確認することは、ほとんどなくなった。海外ではマスク着用の義務が解除されているところがあるのだという。新年度になってから、人に会うことが増えた。「戻った」という劇的な変化はないように思えるけれど、実のところ、かなり戻ってきているのではないかと思う。 その一方で、感染者が急増した中国では「ゼロコロナ」の対策を打って、3

          継承は、受け手の勘違いからはじまる|5/9〜5/13

          求められているのはテクノロジーか、テクニックか……たぶん、両方。|2/28〜3/4

          2022年2月28日(月) 自宅ロシアのウクライナへの侵攻のニュースが続く。SNSのアイコンや投稿では、明るい青と黄色の国旗のイメージがたくさん流れている。今日から停戦協議を開始。週末から暖かくなって、春めいてきた。花粉が飛散している。朝から目が痒い。 先週、濃厚接触者となった下の子は、今日までが健康観察期間となった。終日在宅に変更し、パソコンの前で一日を過ごす。合間にZoomをひとつ。この頃、ミーティングの前に手元のノートに図を書くことが多い。どういう位置づけで、個々の実践

          求められているのはテクノロジーか、テクニックか……たぶん、両方。|2/28〜3/4

          「絵図」を共有するやりかたが必要なのだろう|2/21〜2/25

          2022年2月21日(月) 自宅在宅で終日パソコンに向かう。Zoomのミーティングはひとつ。あとは淡々と溜まっている作業をこなす……だけだったのだけど、やたらと考えることが多い一日になった。ひさしぶりの知人から連絡が来る。文化とケアの接点をつくるようなフォーラムを企画していて、それが面白そうだなと思っていたら、チラシを送ってくれるのだという。そしたら「佐藤さんがずっと関わってらっしゃる震災にまつわる動きも、わたしはケアの系譜の一つだと感じていて」というコメントもくれて、ありが

          「絵図」を共有するやりかたが必要なのだろう|2/21〜2/25

          災禍のなかで読み返す|東北の風景をきく『FIELD RECORDING』vol.04から

          まもなく、11年目の3月11日を迎えます。 アーツカウンシル東京では、2011年から2021年までArt Support Tohoku-Tokyo(東京都による芸術文化を活用した被災地支援事業)に取り組んできました。 その一環として、2017年からは、震災後の東北の変化を捉えようとジャーナル『FIELD RECORDING』を発行してきました。「東北の風景をきく」をテーマに、2021年3月まで5冊を制作しました。いずれもウェブサイトでPDFを閲覧いただけます(着払いで郵送

          災禍のなかで読み返す|東北の風景をきく『FIELD RECORDING』vol.04から