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【7/28締切間近!】ディスカッション「災間の社会を生きる術(すべ/アート)を探る」(全6回)のポイントを紹介します。

Tokyo Art Research Lab(TARL)ディスカッション「災間の社会を生きる術(すべ/アート)を探る」の参加者を募集中です【応募締切:7/28】。「面白そうですね!」「いいタイトルですねぇ」「いま必要なことだと思います」という反応をいただきつつも、なかなか応募に踏み切りにくい内容でもあります。締切直前になりますが、プログラムのポイントをご紹介します。

経験有無は問いません!「災間の社会」という視点から、災禍への「かかわり」を考えたい

地球規模の気候変動の影響から国内各地では、さまざまな災害が起こっています。また、それぞれの地域の歴史を紐解けば、何らかの災禍の経験があることでしょう。そして、2020年初頭から日本国内でも新型コロナウイルスの感染拡大がはじまり、現在は世界的な災禍の渦中にあります。

今回のプログラムでは、このような状況を「災間(さいかん)の社会」として捉えることから議論を重ねてみたいと思っています。

災間の社会――すなわち、異なる災禍の「間」に生きるいま、誰もが災禍の当事者になりうるといえますそれと同様に誰もが何らかのかたちで支援者となりうることもあるでしょう。そのとき、わたしたちには、どのような「かかわり」がありうるのでしょうか? 
このディスカッションシリーズでは、災害復興の現場に多様なかかわりかたをしてきたゲストに話を伺います。災禍の現場に立つには、いったい、どんな態度や技術、方法がありうるのか? ナビゲーターとの議論を通して、「災間の社会を生きる術」について考えてみませんか?
プログラム概要より抜粋)

参加にあたって、災害復興の現場にかかわった経験の有無は問いません。むしろ、今回のトピックは誰もが非常の事態にかかわる可能性があるいま、平時のときから、しっかりと議論を重ねておくことが大事なのだと思います。

なので、経験はないけれど気になっていた話題で、ちゃんと考える時間がとれていなかった……と思うような方のご参加もお待ちしております!

もちろん、すでに何らかの現場にかかわるなかで、もっとちゃんと考えたい! ほかの現場はどうなっているのかを知りたい!という方も大歓迎です。

災禍への異なる「かかわり」の経験をもつ3人のナビゲーターが議論を展開します

プログラムは全6回です(通し参加での募集)。全回を通して3人のナビゲーター(宮本匠、高森順子、佐藤李青)が議論を進めます。異なる災禍への「かかわり」をもつ3人が議論を重ねることで、さまざまな視点を参加者のみなさんとも共有したいと思っています。

宮本匠さん(兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科准教授)は、2004年の新潟県中越地震をはじめとして、アクションリサーチの手法を用いて、東日本大震災や熊本地震などの被災地で支援活動を通した研究を行っています。

高森順子さん(愛知淑徳大学助教/阪神大震災を記録しつづける会事務局長)は、1995年阪神・淡路大震災の経験を表現する人々(阪神大震災を記録し続ける会)とともにアクションリサーチを中心に、被災体験の分有のあり方について研究しています。

そして、私=佐藤李青は、2011年の東日本大震災で被災した東北を芸術文化の分野から支援する「Art Support Tohoku-Tokyo」を担当してきました。

すでにある論点や手法を参加者のみなさんに受け渡すだけでなく、今回集まったメンバーの議論から「災間の社会を生きる術(すべ/アート)」を探りたい……

タイトルに掲げた「術」という言葉には、技術や方法を意味する「すべ」という読み方と、英語で表現したときの「Art(アート)」という読み方を重ねています。ナビゲーターの議論を通して、この状況下における芸術文化活動の可能性も探りたいと思っています(もりだくさんです)。

初回はナビゲーターの3人が自己紹介をかねて、それぞれに話題提供を行うことから議論を進める予定です。

第1回 イントロダクション「災禍に、どうかかわるのか?― 外からかかわる、「ままならなさ」と向き合う」
ナビゲーターが携わった、東日本大震災の支援事業(Art Support Tohoku-Tokyo)と阪神・淡路大震災にかかわる記録の実践(阪神大震災を記録しつづける会)、中越地震や他の災害の現場にかかわる実践などから、今回のシリーズのねらいを共有します(話し手:佐藤李青、宮本匠、高森順子)
スケジュールより)

▼ それぞれのメッセージも公開しています!

非常時の選択肢を増やす。全国各地から、現場経験が豊富なゲストをお招きします!

全6回はZoomを使ったオンライン開催を予定しています。2回目以降は、ナビゲーターに加えて、全国各地から4名のゲストにご参加いただきます。各回にはテーマを設定していますが、災害復興の現場に立つための態度、出来事を伝えていくための手法、文化的なアプローチには、どのようなものがあるのか? といったことをゲストのみなさんの実践から考えていきます。

第2回 どういう態度で、現場に立つのか?
―「めざす」のか、「すごす」のか

国内外の災害支援に携わってきた吉椿雅道さん(CODE海外災害援助市民センター事務局長)の経験を伺い、災禍の現場への入り方や向き合い方、続け方を議論します。
話し手:吉椿雅道、聞き手:宮本匠

第3回 何からはじめるのか? どう続けるのか?
― 記録から表現に向かう道のりと変化

東日本大震災直後から東北の地に通い、住み、人々の声を記録し、表現へと活動を展開してきたアーティストの瀬尾夏美さんの歩みをたどることから、災害が起こった場所での表現のありようを議論します。
話し手:瀬尾夏美、聞き手:佐藤李青

第4回 出来事を伝えるためには、どうすればいいのだろうか?
― 経験を伝承するための方法

阪神・淡路大震災の経験から学び、伝える活動を行う山住勝利さん(NPO法人ふたば/災害学習ラボ室長)の話を伺うことから、ある出来事の経験を継承し、伝えることについて議論します。
話し手:山住勝利、聞き手:高森順子

第5回 アートは、災禍に、どうかかわるのか?
― 異なる災禍へのかかわりから

ハンセン病療養所、熊本地震、令和2年7月豪雨、水俣へのかかわりなど、熊本市現代美術館は開館以来、さまざまな取り組みを行ってきました。同館学芸員の坂本顕子さんに話を伺うことから、アートの表現とそれを支える仕組みが、どう土地の災禍にかかわるのかを議論します。
話し手:坂本顕子、聞き手:佐藤李青
スケジュールより)

異なる地域や分野で活躍するゲスト陣。その実践を伺い、議論を重ねた後の最終回では、参加者のみなさんと、これまでの議論を振り返りながら「災間の社会を生きる術」について考えてみたいと思っています。

何か結論があるわけではありません。(だいたい)月1回、土曜日の14時から17時の3時間、全6回の時間をかけることで、多くの言葉を重ね、参加者のみなさんが、それぞれに非常時を迎えたときの考え方や手法の選択肢を増やすこと。それがプログラムを通して、実現したいことです。

申込方法や詳細は以下のプログラムページをご覧ください。
みなさんの参加を心よりお待ちしております!

▼ Tokyo Art Research Lab(TARL)では以下のプログラムも参加者募集中!(いずれもお申し込みはお早めに!)

(画像)Tokyo Art Research Lab ディスカッション1(2020年度)実施風景。