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明日は予定通りならばオリンピックの開会式だった|7/21〜7/27

緊急事態宣言のなかで始めた日々の記録。火曜日から始まる1週間。仕事と生活のあわい。言えることもあれば言えないこともある。リモートワーク中心。そろりと外に出始めた。ほぼ1か月前の出来事を振り返ります。

2020年7月21日(火) 府中→市ヶ谷

朝から府中でACF(Artist Collective Fuchu)のミーティング。今月は集中して毎週実施。ACFの事業の方向性を「学び」を軸に考え方を整理し、実践の内容もいくつか出てきた。拠点の構想を膨らませる。すでにいろんなものがある府中の「ハブ」になるような場をつくれるといいのではないか。全国各地の事例を参照する。来月からは近隣を中心にリサーチに出かけていく。ミーティングでは、アイディアがテーブルにのっかると、誰かの口から府中や近隣地域の具体的な人や場所の名前が挙がって、実践の構想に結びついていく。ローカルネットワークの強み。
昼を挟んで4時間。途中、どうすれば2時間でミーティングが終わるのか、という問いも出てきたけれど、時間をかける必要があるミーティングなのだと思う。大枠の方向性や考え方を最初にしっかり時間をかけて議論しておく。そうすることで後々、時間をかけずに済むようになる。そもそも、なんでこれやっているんだっけ、と動いている最中に戻って議論することが、一番時間とストレスがかかる。長いミーティングのときは、そう心の中で念じることにしている(それが適用されないケースも多々ある)。
市ヶ谷のオフィスに移動し、昨年度のアーツカウンシル東京の事業報告書の校正を終える。旅費や超過勤務の申請を行う。出勤している人と、思いつくままにあれこれ話をする。リモートでは出来ないことを急いで行う。東京都の新規感染者数237人。200人台でも、あまり驚かなくなってきた。

2020年7月22日(水) 自宅

朝からZoomのミーティングは細切れで4本。午後はGAYAの定例ミーティング。サンデー・インタビュアーズの動きを、どう公開していくかを議論する。作業は見えてきた。やってみると面白そう。それを面白いことをやっていると(関わっていない人たちに)見えるようにするにはどうするか。アーカイブを楽しみながらつくる。その方法論を試みる活動だからこそ「楽しみ方」を広げるベクトルも必要なのだと思う。打開策は、いまだ見出せないけれど、問題意識は共有しつつ、継続審議。
札幌国際芸術祭2020が開催中止。各ディレクターはYouTubeチャンネルでもコメントを出していた。はっきりとした中止の打ち出し方は、逆にこの状況に真っ当に向き合う態度を感じさせる(9月にアーティストや作品の最終発表、12月開催という時期に中止は苦渋の決断だったろうことは想像に難くない…)。「2年余りの期間をかけて作り上げてきた本芸術祭の企画内容や参加アーティスト、作品のアイデア等は記録として取りまとめ、今後、公式ホームページ等で公開する予定」(「札幌国際芸術祭2020 開催中止について」)とのこと。
東京都の新規感染者数は238人。大阪府の新規感染者数が121人。前日の72人から急増。全国で795人。過去最多数を更新。「政府 イベントの人数制限緩和を延期へ」というニュースの見出しが目に付く。

政府は当初、最大5000人としてきたイベントに参加できる人数の制限を来月1日に撤廃する予定だった。しかし、東京都などで感染の拡大が続いていて、政府は専門家の意見を踏まえ、来月いっぱいは屋内、屋外ともに最大5000人まで、屋内は収容率の50%以内という今の制限を維持する方針だ。

都知事「連休中の外出控えて」。官房長官「感染防止策をとれば外出しても構わない」。4連休を前に駆け込むように、さまざまな報せが飛び交う。

2020年7月23日(木・祝) 自宅

これまで使い捨てのマスクを使ってきたけれど、ついに洗えるマスクをオンラインで注文する。ポリウレタンの3枚セット。東京都の新規感染者数は366人に急増。愛知県で97人。全国で981人。大阪府知事と福岡市長が明確に「第2波」という言葉を使った。数字だけ見れば「第1波」と言われたときは、さざ波に過ぎなかったのではないかとも思う。明日は予定通りならばオリンピックの開会式だった。

2020年7月24日(金・祝) 自宅

図書館で借りてきた『「混血」と「日本人」−ハーフ・ダブル・ミックスの社会史−』を読み始める。序章が「分析の枠組み」や「方法」に触れることから始まる。こういうアカデミックな手続きがある本を読むのはひさしぶり。著者がこれから触れていく事柄が属する領域をどう捉えていて、そこに分け入るために、先人の試みを踏まえて、何を手立てとして選んだのか。逆に言えば、そこから著者が選択しなかったものが、領域や時間の広がりともに見えてくる。こういうとこを勝手に自分の関心に引き付けて読むのが面白い。それで本題まで読み進められないことが、ままある。
東京都の新規感染者数は260人。この頃は天気予報のように感染者数を調べるようになった。という比喩を使うとき、震災後に福島市で乗ったタクシーのラジオで県内各地の線量が淡々と読み上げられていて、あぁ、これがこの土地では日常なんだな、と思ったことを参照している。

2020年7月25日(土) 自宅

「10年目をきくラジオ モノノーク」第1回の配信。どことなくパーソナリティのふたりが緊張している。東京都の新規感染者数295人。国内感染者数は3万人を超える。3週間で1万人が増えた。

2020年7月26日(日) 自宅

朝、急にどしゃぶり。その後は快晴。高温。もったりとした雲が、また現れる。そして、雨。不安定に繰り返す。雷も鳴っていた。「梅雨末期の大雨 土砂災害警戒」のニュース。去年の梅雨の終わりは、こんなのだったろうか。気分は、もう熱帯。
相模原障害者殺傷事件から4年。数日前から報道されているALS患者の嘱託殺人事件と重なる。関わった医師の「思想」についての記事がSNSでは飛び交っている。他者の生を不要なものだと考えること…。複数の人と、ともに生きている、という「社会」をどうイメージするのか。その先に「他者との関わり」をどう考え、どう行動していくか。それによって、結果は決定的に異なるのだろう。4年前に書き留めた熊谷晋一郎さんの言葉を読み返す。

今後アカデミアとソーシャルワークを含む現場の双方で、まずは現時点でのベストプラクティスを共有してゆかなければならないと思います。
 私は当事者研究というのは語りや経験を並べ、自分を知り、他者と知り合う場所であり、当事者運動はアクションを起こして社会を変える場所、それが車の両輪だと考えています。大学で研究を重ねる立場として、また、当事者運動として、次のアクションとして考えられるのは、エビデンスやロジックの提示だと思う。隔離収容や過度な医療化、犯罪化は、半世紀の社会実験によって、有効でないことが少なくとも部分的に示されつつあります。コミュニティベースでの支援という道にこそ、倫理的・学問的・経験的な根拠があるということも、徐々にわかってきました。そうした研究と実践の現状を、日本にいる人にもっとわかりやすい形でディスプレイしていかなければいけないと思います。
熊谷晋一郎「「語り」に耳を傾けてー分岐点を前に」(相模原事件の問い)『世界』2016年10月号、42頁。

すでに起こったことを、広く共有し、この先をつくる想像力を養う。そのための「ベストプラクティス」を広く共有していく。この「分野」だけの話ではない。ここまで、どれだけ出来ただろうか…。来年は、また、この言葉を思い出すのだろうか。
東京都の新規感染者数は239人。大阪府が141人、5日連続で100人超えを記録した。全国各地で発生したクラスターがニュースになっている。

2020年7月27日(月) 自宅

朝から係会(東京アートポイント計画のスタッフ定例会)。Tokyo Art Research Lab「東京プロジェクトスタディ」の伝え方を議論する。
昨日はArt Support Tohoku-Tokyo 2011→2021「10年目の手記」の1回目の締め切りだった(当初予定より1週間延長)。手記は、直接的な震災の体験から遠い人から届き始めた。結果的に東北以外の人がほとんどだった。定期的にラジオで朗読するため、締切は複数回設定していた。それによって本来ならば語りにくい人から語り始めている状況になっているならば、功を奏していると言えるだろう。
細々としたミーティングと作業を行う。あっという間に時間が過ぎる。7月も、あと数日。積み残しは多い。
政府は「ワーケーション」を推奨。ワークとバケーションを組み合わせた造語。「旅行先で休暇を楽しみながら仕事に取り組む」。「新しい旅行や働き方のスタイル」として普及したいとのこと。夜には政府が布マスクを8千万枚発注済のニュース。全国知事会は市町村単位で緊急事態宣言発令を可能にするよう政府に要望。東京都の新規感染者数は131人。若い世代に感染が多い。重症者は少ない。近頃の報道の傾向。

(つづく)

noteの日記は、Art Support Tohoku-Tokyo 2011→2021「2020年リレー日記」のテスト版として始めたのがきっかけでした。7月の書き手は、大吹哲也さん(NPO法人いわて連携復興センター 常務理事/事務局長)→村上慧さん(アーティスト)→村上しほりさん(都市史・建築史研究者)→きむらとしろうじんじんさん(美術家)。以下のリンク先からお読みいただけます!
東京アートポイント計画の10年を凝縮した『これからの文化を「10年単位」で語るためにー東京アートポイント計画2009-2018ー』がBASEで販売開始! PDF版は、こちらでお読みいただけます。


ありがとうございます!
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アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画(おもに西側)、Tokyo Art Research Lab(研究・開発が中心)、Art Support Tohoku-Tokyo(東京⇄東北)を担当。ジャーナル「FIELD RECORDING」編集長。運動不足。

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