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マスクは暑さで外すのか?|6/27〜7/3

佐藤李青(東京アートポイント計画)

コロナ禍の日々の記録。平日の仕事中心。2020年の1回目の緊急事態宣言の最中に開始。3回目の宣言解除の日から再開、少し休んで「第6波」から再々開。すぐに途切れて、再々々会。もう3年目。

2022年6月27日(月) 武蔵小金井→谷保

週末はとんでもなく暑かった。今日も、朝から暑い。熱中症の注意喚起のニュースも多い。東京電力管内では「電力需要ひっ迫注意報」も出た。記録的な早さで、関東甲信から九州にかけて梅雨が明けた。3月16日の地震から3ヶ月ぶりに阿武隈急行が全線開通。昨夜は熊本で震度5の地震があった。TARL(Tokyo Art Research Lab)の動画で港千尋さんが紹介していた『世界の終わりを先延ばしするためのアイディア』という書名が、頭のなかでぐるぐるする。「終わり」を感じてしまうほどの気候変動。どうすれば「先延ばし」出来るのか。真剣に考えねばならないのか……。

午前はシャトー2Fで「多摩の未来の地勢図」のミーティング。事業でかかわる児童養護施設で働くスタッフの現状をきく。抱えている課題は、わかる。施設職員ではない立場のNPOがかかわることで、その課題にアプローチする動きがとれる可能性も見える。でも、自分が現場で起こっていることを想像しきれていないだろうこともわかる。それが個人の経験や理解の足りなさだけでなく、いまの社会に強まりつつある分断の実相でもあるのだと思う。ちゃんと触れていかねばならないところ。
午後は国立市役所でACKT(アクト/アートセンタークニタチ)のミーティング。しばらくコロナ禍で忘れていたけれど、夏場の事業では熱中症対策が重要だった。水分補給の徹底や気温による実施可否の判断……。感染対策だけでなく、避暑のためプログラムはオンラインに変更もあるのかもしれない。コロナ禍で獲得した手法は、コロナ禍だけに対応するものでもない。感染者数が増えるタイミングには、どうするか? という会話もめっきり減った。このまま「終わり」を迎えることが、なんとなく共有されているようにも思える。東京都の新規感染者数は1517人、10日連続で前週に比べると増えている。「新たな死者は確認されていない」。だから、大丈夫……なのか?

2022年6月28日(火) 市ヶ谷

今日も暑さは続く。東京は6月としては初めて4日連続の猛暑日。都内で35℃を観測。政府は「熱中症予防の観点から」、マスク着用を「必要ない場合は周知」という考えかたを示す。マスクは暑さで外すことになるのだろうか?
係会(注:東京アートポイント計画のスタッフ定例会)では熱中症対策も確認する。その後、保管期限が過ぎた書類を廃棄する。7月末のオフィス移転に向けた片付けの一環。10年以上前の思い出に浸りながら、紙とクリアポケットとクリップを選り分ける。

2022年6月29日(水) 市ヶ谷

暑さはおさまる気配がない。「東京都、新たに3803人の感染発表 先週水曜から1474人増で12日連続前週上回る 重症5人、死者3人 新型コロナ」というニュースを見かける。だんだんと増えてきた。

2022年6月30日(木) 自宅

「移動する中心|GAYA」のZoomミーティング。生活工房の「穴アーカイブ」の一環として実施している「せたがやアカカブの会」の様子をきく。アカカブ会は、一般の参加者がひとつのテーブルを囲んで、アーカイブ化した8mmフィルムの映像を見ながら、あれこれおしゃべりをする会だ。2年ぶりに対面で再開。今回は半分が新顔で、これまでオンラインでしか会ったことがなかったサンデー・インタビュアーズのメンバーも参加したのだという(サンデー・インタビュアーズはオンラインに特化したプログラム)。オンライン/オフライン、それぞれに可能性や課題はある。どっちかだけじゃなく、どっちも相互乗り入れしていくような運用はよさそう。

2022年7月1日(金) 秋葉原→町田

3331 Arts Chiyodaへ直行。先日収録した動画シリーズ「アートプロジェクトの運営をひらく、〇〇のことば。」の公開までのプロセスを確認し、新たな動画収録も検討する。その後、毎年恒例のスタッフ集合写真と新任メンバーのポートレート撮影を行う。撮影は加藤甫さん。今回もシャッター音はしなかった。被写体側から撮影画像が見えるモニターが追加されていた。

左から岡野恵未子大内伸輔川満ニキアン佐藤李青森司入江彩美小山冴子櫻井駿介

町田市国際版画美術館へ移動する。暑い。町田駅からバスに乗り、公園のなかを歩き、美術館に向かう。日差しが強くて影がくっきりと現れる。まずは「彫刻刀が刻む戦後日本―2つの民衆版画運動」を見る。ここのところ、人に薦めてばかりいたけれど、実際に足を運ぶのは会期末ぎりぎりになってしまった。
戦後、運動、教育、技術、リテラシー、メディア……展示された豊富な資料は、それだけ触れる側の多様な視点を引きこむ。版画が生活の困難を表現したり、その技術を獲得する方法であり、生活の観察と反省を促すメディアであり、その時代、その土地で暮らす人たちの記録となる……その背景にある時代状況や生活の厳しさを想像しつつも、イメージや言葉の面白味にたっぷり浸る。最後の展示室には学校に飾られていた大きな版画作品や、全国各地で制作された文集が並んでいた。誰もが通ってきた道でもある。この展示を見て、みんなが自分の経験を語りだすんだろうなと思う。

展示を見終わってから、館内で資料を見せてもらっていたNOOKのメンバーと合流する。展示しきれなかった文集をダンボールから出して、ひたすら読み込んでいた。それぞれに独自の個性を発揮する文集、こどものつくった素朴な絵やことばと、それに対する辛辣な家族の感想……これが面白い、あれがかっこいい、これはどういう意味なんだろうか……わいわいと読むのは楽しい(まさにカロクリサイクル!)。幼少期に、こういう経験があれば、その後に労働組合なんかでガリ版を使ってサークル活動をはじめるのも納得できる。身についた技術は転用されていく。
担当学芸員の町村悠香さんは大学院の後輩。本当にしばらくぶりに再会できた。そして、すんばらしい仕事を見せつけられた。いやはや、町村さん、ほんとにいい仕事!! なんだかやる気が出てくる。

▼ NOOKの「カロク採訪記」町田市立国際版画美術館の展示レポート

2022年7月3日(日) 秋葉原

夕方から「テレビノーク#0」配信のため、3331 Arts ChiyodaのSTUDIO302へ。事前の配信テストでは、音声に常時ノイズが入ってしまう。機材を再起動したり、ケーブルを抜き差ししたり、いろいろと試すが、直らない。経年劣化か、暑さにやられた可能性もある。念のためのバックアップにICレコーダーを使おうとしたら、充電した電池が熱くなり過ぎて起動せず……人間より、機械のほうが熱さ(暑さ)には弱い。今後、その影響が現場で出てくるのだろうか?
配信は、おおまかな構成は決めつつも、話の内容は決め切らずにはじめる。いろいろ話しているとやりたいことが言葉になっていく。視聴者からのコメントも届く。つくりこみ過ぎないことで生まれた余地の効果なのだろう。その余地を内包したプロセスを共有できるのが配信の良さなのでは……と初心に返る。オンラインでの「仕立て」の精度を上げつつも、それは手段であることを、ちゃんと忘れずにいたい。

東京都の新規感染者数は3,788人。国内では23,299人で、前週の日曜より9,063人増えた。前週の同じ曜日を上回るのは13日連続、5日連続で2万人超え。日曜に2万人を上回るのは5月29日以来。死者は5人。確実に数が増えてきた。

(つづく)

▼ 1年前は、どうだった?(2021年の記録から)

▼ 2年前は、どうだった?(2020年の記録から)

佐藤李青(東京アートポイント計画)
アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画、Tokyo Art Research Lab、Art Support Tohoku-Tokyo(-2020)を担当。共著に『10年目の手記 震災体験を書く、よむ、編みなおす』(生きのびるブックス、2022年)。