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コロナのおくすりがはやくできますように|7/28〜8/3

緊急事態宣言のなかで始めた日々の記録。火曜日から始まる1週間。仕事と生活のあわい。言えることもあれば言えないこともある。リモートワーク中心。そろりと外に出始めた。ほぼ1か月前の出来事を振り返ります。

2020年7月28日(火) 自宅

朝早くに起きる。本当にあっという間に時間が過ぎてしまう。細々とした作業が積み重なっていく。終わらない。東北では「災害級」の大雨が降っている。こっちは降っていない。ニュースを追わないと感覚が追いつかない。
午後はZoomで「10年目の手記」の選考を行う。甲乙付け難く、議論を重ねる。震災の体験に近い人。少し距離がある、いまだから語り出せる人。この手記の企画の幅を伝えるためにも両方を拾いたい。「10年目をきくラジオ モノノーク」で朗読する手記は2本になりそう。
名前やペンネームに「フリガナ」があったほうがいい。居住地や年代を知っていたほうが手記を読んだり、朗読したりするイメージを膨らませやすい。手記の朗読を意識すると、改めて必要だった基本情報が見えてくる。今後のフローや展開もディスカッションする。「欲」は広がる。どう落としこんでいくか。早く決めたいという気持ちと、やりながらでないと分からないことがある。塩梅を模索する。
手記にどんな時間が流れているか。あのとき、あの瞬間のことを書いたものなのか。5年後、10年後に手記を書いたとき(10年目)はこうだったなと思い出せるようなものなのか。「10年目の手記」プロジェクトメンバーで阪神大震災を記録しつづける会の高森順子さんの経験に裏打ちされた言葉に、手記の読み方や扱い方を学ぶ。手記でなければ現れてこない言葉がある。その一方で、ひとつの手記に複数人の「読み」を重ねていくのも面白い。
東京都の新規感染者数は266人。全国992人で最多数を更新。大阪府155人で過去最多。5人以上の飲み会自粛を検討するのだという。愛知県110人。初めて1日で100人を超える。マスクよりインターネットの速度がほしい。

2020年7月29日(水) 自宅

山形県で最上川が氾濫した。秋田県でも河川氾濫のニュースが流れている。地域一帯が茶色の水に浸水し、家の屋根が点々と見える上空からの写真が使われている。
夜に打合せが入っていたため、在宅でC勤(12:15〜21:00のシフト)。朝、予約していた本を受取りに市立図書館へ。とんぼ返りでライフミュージアムネットワークのオンラインミーティング。福島県奥会津地域のミュージアムの民具を使ったキットづくりを1時間ほど議論する。知識や技術をもっている人が「教える」ために使うツールだけでなく、その場にいる人たちの記憶を誘発し、「教わる」ためのメディアとしてつくれないだろうか。生活者が専門家のようになりうるのが民具の可能性なのかもしれない。随分と前にremoの松本篤さんと話をしていたときに、AHA!が映像を介した語りの場をつくろうとしていることは、鍬(くわ)でもできるのではないかと思ったことを、急に思い出す。というか、ほとんど、いつも松本さんたちと議論しているようなことを転用して話す。何をしているかではなく、それで何をしようとしているのかに目を向けると物事の共通性は見えてくる。
ミーティングの終わりがけに、8月2週目にあるライフミュージアムネットワークのディスカッションと実行委員会に参加できそうかと聞かれる。予定は前から押さえている。自分のなかに明確な判断基準はない。「福島県としては県境の移動も大丈夫です」と言われる。もともと行くつもりではあった。でも、どこかで躊躇していた。行くか。会津若松の宿を予約する。それでも、心は決まらない。いいのだろうか。いずれにしろ、そのときの状況次第だろう。ほんとうに数週間先が想像できない。少なくとも収束するとは思えない。それだけは確信がもてる。
午後はひたすらに細々としたファイルづくりや連絡を行う。調整に次ぐ調整。検討に次ぐ検討。夜のミーティングはリスケになる。調整さんに来週の予定を入力する。来週は8月だ。今日もまた終わらない。
岩手県で初めての感染者が2人。これで全都道府県に感染者が出たことになる。都知事「第2波という認識」と17時半の会見で発言。東京都の新規感染者数は250人。愛知県159人、大阪府221人。どちらも最多記録。全国は1253人で、初めて1日で1000人を超えた。気忙しくてニュースもきちんと追えていない。

2020年7月30日(木) 府中→市ヶ谷

ACF(Artist Collective Fuchu)のミーティングへ。毎週集中して議論したことがかたちになってきた。数頁に積み上がった企画書を順に確認する。構想は見えてきた。「みんな、長生きしよう」。そんな言葉が飛び出す。実現までに時間のかかる構想なのだということも共有する。そのうえで、まずは何を、どう具現化していくのかを話し合う。これからアプローチをかける行政とイメージを共有するための資料づくりを話し合う。ビジュアルがもっとあったほうがいい。他の事例もいれたほうがいい。できるだけ具体的に絵図を描いたほうが熱意も伝わりやすいのではないか。大きな構想から、伝える相手を見定めた細部づくりへ。正しい議論の組み立て方なのだと思う。
市ヶ谷のオフィスでミーティング。STUDIO302で収録するラジオ企画を話す。東京アートポイント計画Tokyo Art Research Labの近況や過去のリソースを使うのはどうだろうか。ジングルやデザインは誰がいいだろうか。どれくらいのスパンでやるのがいいだろうか。noteやニュースレターとの連動性をどう図っていくのか。新しいことに取り組むことと、当面かけられる手数との塩梅を探りながら考える。あと一歩でかたちになりそう。
小金井アートフル・アクション!宮下美穂さんとZoomでミーティング。のはずが、オフィスに場所の空きがない。直前にミーティングの開始を30分ずらしてもらい、徒歩10分のところにあるアーツカウンシル東京の分室に向かう。その応接室でネットの接続を試みる。が、ネットの接続が悪い。電波が弱い。結果、スマホのテザリングで対応。オンラインミーティングをするためのオフラインの努力。その虚しさたるや…。
東京都の新規感染者数は367人。今日も最多を更新する。

2020年7月31日(金) 市ヶ谷→自宅

「演劇関係者でクラスターか 感染20人以上」。朝起きてスマホのアプリを開くと、このニュースの見出しが目に飛び込んでくる。具体名は明らかにされていない。出演者2人が陽性。4、50人が濃厚接触者として検査を受けた。公演ではなく、劇場での稽古中だったらしい。この前の新宿の劇場公演で発生したクラスターの記憶は、まだ新しい。劇場に対する社会的な「印象」の打撃は大きいだろう。同時に、いまはどこにでも発生しうる状況なのだとも思う。身近で起こったら、どうすればいいか。そればかりを考えてしまう。
朝から市ヶ谷のオフィスに出社。電車は人身事故で止まっていた。別の路線に乗り換えて、遅刻せずに到着。事業の精算書類の確認をする。旅費の申請をする。各所に連絡をする。直近の企画の話をする。午前で終えるつもりが、夕方にずれこむ。それから在宅勤務に移行する。
東京都の新規感染者数は463人。最多数を大幅に更新する。もはや、ニュースは数字しか伝えない。だからなんだと言うかのように。岐阜県は独自の「第2波非常事態」を発表。新規感染者数は19人。県民の名古屋への移動を警戒。愛知県は最多の「少なくとも192人」だった。沖縄県は本島で独自の緊急事態宣言を明日発出。新規感染者数は71人。7月の終わりに畳み掛けるように全国的な空気が変わってきている。夏休みを狙ってなのだろうか。

2020年8月1日(土) 自宅

関東地方梅雨明け。平年より11日遅い。今日から小学校は短縮した夏休み。16日まで続く。今年の小学生の絵日記は何が描かれるのだろうか。「コロナ」という言葉が頻出していた七夕の短冊を思い出す。「コロナのおくすりがはやくできますように」。東京都の新規感染者数は472人。最多数を更新。

2020年8月2日(日) 自宅

バリー・ユアグロー『ボッティチェリ 疫病の時代の寓話』を読み終える。感染するとボッティチェリの絵画のように美しくなってしまう疫病の話から始まる12本の「超短編」を収録。知人のnoteで見かけて、オンラインで即注文した。ほとんど売り切れで、京都の恵文社で2刷を購入。届いてから、その小ささ(薄さ)に驚いた。本というよりZINE。救急車の代わりに鯨が街のなかを回遊する。見たことがない風景なのに、見えてくる。文学の喚起するイメージの力を改めて考える。日々、肉眼では見えないものに即物的に向き合ってばかりだったかに気がつく。 

ウイルスは極端に小さい。種類によって大きさの違いはあるようだが、いずれも光学顕微鏡では見えない。写真家のカメラでは撮影できないのだ。わたしたちがニュースのたびに目にするイメージは、電子顕微鏡で拡大したものである。
イメージの上では、人間と肩を並べている。画面でも表紙でも、人間と対等になるようなサイズに調節されているのだ。その意味では確かに「ウィズ・コロナ」である。
だが果たして「われわれ」は、対等なのだろうか。これは像の問題でもある。
港千尋『コロナの風景 4』2020年。

現実を見るときにすら、いまは想像力が求められる。もしかしたら、メディアを介して、すでにある「像」を重ねてみているだけなのかもしれない。ならば、異なる像を想像することで、まったく世界は違ってみえてくるのではないだろうか。
東京都の新規感染者数は292人。こうやって、ここに記すために淡々と数字を拾う。数の多寡で一喜一憂しなくなってきた。

2020年8月3日(月) 自宅

快晴。暑い。東京都は今日から31日まで酒類を提供する飲食店やカラオケ店に対して22時までの営業短縮を要請。応じた場合に中小事業者には20万円の協力金を支給。
朝から在宅でパソコンと向き合う。細かく作業を積み重ねる。午後イチでGAYAのミーティング。事業に近いところで陽性になった人がいた話をきく。事業関係者が感染した場合に、どこまでが「事業」の話になるのだろうか。特に東京アートポイント計画の場合は地域の範囲や関わる人の範囲が「小さい」ものが多い。こういう話で誰かを特定出来てしまうことも多いだろう。この状況だからこそ、情報共有の話題として重要になる。一方で、この状況だからこそ、繊細に扱うべき話題でもある(そもそも、他者に陽性だったことを知られうることが「リスク」になる現状を常に問う必要はあるけれど)。具体的なふるまいを想定していかなければならない。
係会(注、東京アートポイント計画のスタッフ定例会)では、第2四半期(7〜9月)の各事業の動きを担当が順番に話し、全員で状況を共有する。週末に予定していたアートアクセスあだちの企画が話題になる。感染者数が増加している状況を考慮し、延期を視野に主催者間で協議することになる(後に延期が決定)。
東京都の新規感染者数は258人。国内初、犬2匹が新型コロナウイルス陽性。

(つづく)

noteの日記は、Art Support Tohoku-Tokyo 2011→2021「2020年リレー日記」のテスト版として始めたのがきっかけでした。7月の書き手は、大吹哲也さん(NPO法人いわて連携復興センター 常務理事/事務局長)→村上慧さん(アーティスト)→村上しほりさん(都市史・建築史研究者)→きむらとしろうじんじんさん(美術家)。以下のリンク先からお読みいただけます!
東京アートポイント計画の10年を凝縮した『これからの文化を「10年単位」で語るためにー東京アートポイント計画2009-2018ー』がBASEで販売開始! PDF版は、こちらでお読みいただけます。


多謝!
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アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画(おもに西側)、Tokyo Art Research Lab(研究・開発が中心)、Art Support Tohoku-Tokyo(東京⇄東北)を担当。ジャーナル「FIELD RECORDING」編集長。運動不足。

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