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木の質感について考えてみた。

先日、iichiとcreemaに檜で作ったちょっと(じゃないな。かなり)大きめの筆箱を出品しました。
以前、針葉樹で作った作品も出して行きたいっていう記事を書きましたが、その流れで、試作してみたんです。

杉や檜などの針葉樹はホームセンターでも人工乾燥材(KD材と表示されている)が簡単に手に入るので、材料の調達も楽ですしね。

ちなみに材の乾燥はとても重要です。乾燥が十分でない材料で作品を作ると、変形・変色・割れ… などのトラブルの原因になって、酷い目に合う事になります。
先日、黒柿の板が割れたという記事を書きましたが、あの板も乾燥が十分でなかったのかも知れません。

余談が続きますが、今年の天候は例年より乾燥してるんでしょうか?

実は、材料が割れたのは黒柿だけじゃなくて、20年くらい前の木工始めたての頃に購入した欅の板や、鉋の台も割れました。
鉋台の方は、仕込み(刃の出し入れの硬さ)が硬めだったせいもあると思うんですが…。

鉋台割れた

写真だと分かり難いですが、裏から表まで、一直線に割れています。
こんなに色々な材が割れる経験は初めてです。😢


話を戻して檜の筆箱ですが、自分的には不本意な結果になってしまいました。

正直な話、材料の質感が足りない感じがします。
有り体に言えば、"安っぽい"ということ。

柔らかい材だから、表情も柔らかくなって軽い感じになるとか、重量そのものも軽いし、身の回りでありふれた材だし、値段もそれほど高くないし、簡単に手に入るし…

そういうものが折り重なって”安っぽい”に繋がったんだと思います。

重量感があって、硬くて、表情もはっきりしていて、光沢もあって、ありふれてなくて、値段もそれなりに高くて、入手性は悪い。(ホームセンターでは手に入らない)

栗、欅、桜、桑、楓、ブラックウオールナット …

今まで使って来た広葉樹はみんなそうでした。

比較してみれば、針葉樹と真反対ですね。

人工林で計画的に生産されている木材と、自然林の中にしかない希少な木材の違いという事なのかもしれません。

決して檜をディスっている訳じゃありません。檜は本当に素晴らしい木材です。特に建築材としては、無二の存在だと思います。
ただ、あまりにも「普通過ぎる」という事なのでしょうね。


作ってる最中に、「これじゃ、お金は貰えないなぁ…」と感じつつ、「やり始めちゃったんだから、途中で放り出すのも…」と思いながら作業してました。

ただ、檜の質感が好きっていう人もかなり居るだろうから、作品として出してみる事にします。

構造的には、わりと頑張ったので、興味があったら見てみてください。

https://www.iichi.com/listing/item/2055270


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