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悪性グリオーマⅠ

信号待ちをしているときにふと思った。結局私の心にべったりとへばりついた寄生虫は、私に幻想を与えるだけ与えてくるけど、寄生しているから私の一部になっていると言うことを。

脳内にできた悪性のガンのことをグリオーマというけれど、まさにそれだなと感じる。

頭の中で色々考えても、無駄なのに、あーだこーだと煩い。それを煩わしく思ってため息を一つ吐き出して気付いた。

私のグリオーマはいつも同じことを言っていた。何度も、何度もそれを繰り返していた。私が目の前の現実に頭を抱えて、ただただ生きている中で、グリオーマはいっつも同じことを私に伝えてきていた。

それは

「どうせ誰もお前になんか興味を持たない」

と。その声は私の中から生まれていた。だから私は、私がそういう人間なのだと信じてやまなくなっていたのである。

好きな人が出来れば、

「どうせお前の他にあと二人か三人くらい同じような扱いの子が奴にはいるんだよ。入れ替わり相手して、楽しんでるんだろうよ」

と、必ずいうのだ。私なんかどうせそんなもんなんだと、無意識の中に埋め込まれていった。

なんていうグリオーマなんだろう。とはいえ私の一部だ。私はこんな感情を望んで生まれてきたわけではないのに。コイツを焼きつくしてしまえば良いだろうか。いや、きっと焼いたところで不死身だ。グリオーマには愛が足りていないのだから。

愛が足らないものは、執念、執着になる。そこに愛があるという気付きだけが、それを解放することができる。

つまり私は私のグリオーマを愛することでしか手放すことができないのだ。あぁ、私はコイツが憎い。憎くて仕方ない。だけど私の一部であり片鱗だ。何故そこに拘るのか、グリオーマと向き合うしかない。私のグリオーマは、きちんと応えてくれるのだろうか。。。


もっと読んでみたい!という気持ちが 何かを必ず変えていきます。私の周りも、読んでくださった方も、その周りも(o^^o)