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蒼空春佳
2021年6月26日 06:40
目が覚めると泣いていた。号泣だった。涙があふれてきて、あふれてきて止まらなかった。夢のなかで私は確かに生きていた。夢と現実の境目はなかった。あの世界の私も、本当の私だった。それを、残したい。という思いがただそこにあるだけだった。ある街を私はひとりで歩いていた。なんとなくこちらを伺ってくるある男性に気付いたものの、その男性に見覚えはなかった。男性はニコニコと笑っていて「こんにちは」と私に
2021年5月27日 21:53
私は昔、子供ながらに母親が死んだらどうしようと、悲しくなる事があった。それは単純に親が死んだあとに自分が生きていけなくなるかもしれない現実的な不安とか、そんなんじゃなくて、ただただ、命はいつか消えて、そのいつかは突然訪れるものなのだと知って、それが怖かった。だからかもしれないけれど、母親のことが心配だった。大丈夫?っていつも気になっていた。無理させたくなかった。ところがいざ私が母親にな