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ガザの問題は以前からあったのだ。もう最悪な状態なのである。

『愛国の告白 沈黙を破るPart2』(2022年/日本/170分)【監督】土井敏邦

パレスチナ取材暦34年
土井敏邦監督による集大成
1985年以来、34年間現地に通い“パレスチナ・イスラエル”を取材、これまでガザ地区、ヨルダン川西岸、東エルサレムなどパレスチナ人地区とイスラエルについて多数の著書・ドキュメンタリー映像を発表し、報道してきた。

本作『愛国の告白 ─沈黙を破るPart2─』は2009年に国内で劇場公開し、さまざまな映画賞を受賞した長編デビュー作『沈黙を破る』の続編、土井敏邦監督の34年におよぶパレスチナ・イスラエル報道の集大成となる作品である。

「裏切り者」と呼ばれても伝えたいもうひとつの真実

“占領軍”となった若いイスラエル兵たちが、パレスチナ人住民に絶大な権力を行使する兵役の中で道徳心・倫理観を麻痺させ、それがやがてイスラエル社会のモラルも崩壊するという危機感を抱く。その元将兵たちは、“占領”を告発するNGO「沈黙を破る」を立ち上げる。前作『沈黙を破る』(2009年公開)では、そんな若者たちの姿と証言、そして占領地の凄まじい実態を描いた。

あれから13年、イスラエルは一層右傾化し、占領と武力攻撃はさらに強化されている。

その情勢の中で、「沈黙を破る」の活動は、イスラエル社会でさらに重要な存在意味と役割を持つようになった。それに従い、政府や右派勢力からの攻撃も急激に強まっていく。それでも彼らは屈せず、活動を続ける。

これは私たちにとって「遠い問題」ではない。“自国の加害”と真摯に向き合う「沈黙を破る」の元将兵たちの凛とした生き方は、私たち日本人に「“自国の加害”と、あなたはどう向き合っているのか」と問いかけている。

去年も見たけどガザの状況が最悪なことになっていたので再度鑑賞。

鑑賞後監督の話が聞けて良かった。ガザの状況はやはり最悪というか、もうガザは戻らないだろうと言うことだった。昨日の日曜討論でもやっていたが、ウクライナの死者数の1年分が数日の爆撃で達してしまったというから、その凄まじさが伺える。ガザはイスラエルに囲まれて逃げ場がないので、破壊は抹殺を意味する。南に移動させてガザの中心部はイスラエル支配下に置くというような。まさにロシアがやっていることと変らないのだが(それ以上に酷い)、何度も書いているが日本はアメリカの属国なのでイスラエル支持なのである。それでロシアのことどうのこうの言えないというかウクライナの支援も滞りそうな情勢であるようだ。アメリカではどちらも戦争協力するのには反対勢力が増えているという。すでに世界の警察国家ではないのだ。アメリカの影響はヨーロッパと日本ぐらいで、アジアや中東はアメリカ離れが進むだろう。そして中国が影響力を強めていくのだ。

映画の内容とはちょっと離れてしまった。映画はイスラエルの中にも占領は良くないと思う人々がいるということだった。ただこれもロシアの例があるように、政権側に非国民扱いされて、今ではガザでの攻撃は当然と思う兵士が多いという。彼等は復讐しにかかっているという。ハマスのテロがその口実を与えてしまったのだが、パレスチナ問題をここ何年も顧みなかったのは我々の責任だという。イスラエルが軍事国家になっていることは気づかなったはずはないのに、いやむしろ日本は軍産複合体企業としてイスラエルとは協力関係にあった。イスラエルの破壊兵器は世界一かもしれない。軍産複合体企業が中東の戦争を臨んでいるからだ。シリアとかすでにロシアとアメリカの代理戦争であったわけだし、イラン潰しのためにイスラエルを軍事国家にしてきたわけだ。

パレスチナはイスラエルによって占領されて破壊され続ける。それはライフラインを破壊することでもあるという。井戸に車を投げ込まれるとか農作物が燃やされるとか電気施設も破壊されたのでポンプが使えないとか。煮沸して水を飲んでいる状態で、すでに飢饉は始まりつつあるとか。パレスチナ難民がゲリラ化していくのも止められないだろう。もはや安住するところはないのだから。死は天国だと教える原理主義が広がっていく。この絶望状態のどこに光を見出すのか?やはり歴史を知らないということが大きいようだ。イスラエルの占領の歴史とパレスチナが潜在的恐怖となってより軍事化されていくのだ。このシステムは軍事産業の構造なのだろう。その戦争で儲けているか者がいるということだ。

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