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御仏は雄雌欲望解脱する煩悩の者文学者ら

『鎌倉文学碑めぐり』(鎌倉文学館編)

古本屋で買った百円本。GWにどこも行かないからせめて読書だけでも旅気分をと思って買った何冊かのうち(奥村恒哉『歌枕』もその一冊)の大庭みな子『「万葉集」を旅しよう』を先に読んでいたのだが、悪い意味ではなく大庭みな子の文章はそこに行きたくなってしまうのだ。それでこちらを先に読んでしまったというわけだった。

でもやっぱ実際に行ってみたくなる。明日あたり天気が良かったら行ってみようかとも思う。まず何と言っても漱石碑。

「佛性は白き桔梗にこそあらめ 夏目漱石」

あやめじゃないのか?この区別が難しい。桔梗は、漢方で整腸薬だったようで。漱石も飲んでいた?

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それで朝早く北鎌倉にいました。ちょうど通学ラッシュで改札が学生で渋滞してました。北鎌倉駅は狭いです。地方ならでは駅だった。昔、小津映画で出てきたのを想い出しました。小津監督も住んでいたとか。

通学の改札出口渋滞す北鎌倉は小津映画かな

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朝早すぎて門は閉じられてました。最初の句碑巡りから失敗でした。夏目漱石『門』の宗介気分。

先生に出会えぬ門前開かずの門「掟の門前」禅問答以前

北鎌倉からいざ鎌倉へ。グーグルで検索して、次の目的地「銭洗弁天」へ。ここは句碑はないですけど、ご利益に与ろうと思って。

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弁天や銭洗うより宝くじ

中の仕組みがよくわからずお札はコロナ禍中でお札は洗えないとか。線香を買って洗い場へ潜入するシステムのようですが、そこまで信心もなかったので外見だけ。

次は「佐助稲荷神社」へ。ここも句碑はないですけどお稲荷さんで沢山のキツネが出迎えてくれます。

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お稲荷様鳥居を潜れうぐいすのステルス警報佐助のキツネ

この時点でかなりバテてしまいました。北鎌倉から鎌倉へグーグルだと30分ほどなんですか、寄り道したり坂道や階段ばかりで。本来の目的である句碑が全然辿れない!で一時間強かけてやっと鎌倉駅へ。

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誰よりも「鎌倉殿の 13 人」いえお目当ては実朝様

大河ドラマは観てないので『鎌倉殿13人』で騒がれているのも知らないわけではないですが、鎌倉はそればかりです。「鎌倉殿13人定食」とか。

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ちょっと写真では分かりにくいのですが(『鎌倉殿13人』の観光客の団体さんばかりで正面から撮れなかった)実朝の歌一首

「山はさけうみはあせなむ世なりとも 君にふた心わがあらめやも 源実朝」

入ろうと思った「鎌倉国宝館」は休館で事前に調べないからこうなる。

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ちょっと休憩してから江ノ電に乗って大仏様に会いに行こう!いや、目的は与謝野晶子の歌碑なのです。

「かまくらやほとけなれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな 与謝野晶子」

川端康成『山の音』(これも成瀬巳喜男監督で映画化されました)で「大仏は釈迦じゃないんだよ。実は阿弥陀さんなんだ。まちがいだから、歌も直したが、釈迦牟尼で通っている歌で、いまさら阿弥陀はとかいうのでは、調子が悪いし、仏という字が重なる。しかし、こうして歌碑になると、やはりまちがいだな」と云わせている。やはり川端康成は意地悪な奴だった。

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御仏(みほとけ)は雄雌欲望解脱する煩悩の者文学者ら

鎌倉の大仏見学した頃から足が棒になりまして、『東京物語』でした老夫婦した老夫婦?の東山千栄子を背負っている気分になりました。鎌倉大仏がでてくるのは『麦秋』だったようで、景色が混線してますね。すでに2万歩歩いて、もうほとほと歩くのが嫌になったのですが「鎌倉文学館」へ。

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ここは灯籠(金属製)に文学者の俳句や短歌を並べてあるのですね。ここに来れば、漱石先生も右大臣実朝も与謝野晶子も出会えるというわけでした。そればかりか芭蕉や正岡子規までも。

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たぶん皆さんは、味気ない句碑よりも薔薇ですね。ちょうど薔薇展をやってました。

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白薔薇にギロチンという薔薇があり

ここにはなかったんですけど、先日見た映画『金の糸』に出てきたものだから捜してしまいました。


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