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格差社会のアメリカの現実

Netflix『私の帰る場所』(アメリカ/2021)監督ペドロ・コス/ジョン・シェンク

アメリカ西海岸地域のホームレス問題に光を当てた痛切なドキュメンタリー。 ホームレス生活を送る人々の素顔に迫り、深刻化する人道的危機の現状を映し出す。

アメリカの格差問題を扱ったドキュメンタリー。棲む場所が建て替えられマンション化されて、追い出された低所得層の人々。定職に付けない人はコロナ禍でも真っ先に首を切られ、ホームレスになる人も多いという。アメリカでも自立ばかり叫ばれ、公的支援も減らされ路上で彷徨う人々。アメリカの場合女性が多いのだ。

妊婦の人(ほぼレイプ)とか最悪な状態でもなかなか手が差し伸べられない。あとジャンキーな人が多そうだから、そのへんの支援も必要なんだろう。高級マンションの前や路上に並ぶホームレスのテント小屋。けっこう生活出来ているようなので(キャンプの延長のような人も)、そのへんも無関心なのか。日本もそうだけど。ただ路上で毎日死んでいくから問題化される。

コロナ禍でアメリカの浮浪者たちがマスクもせず叫びまわっているというTweetが流れてきたことがあったが、自暴自棄になっているのだ。早く死ぬ方が楽だと思う人もいる。貧者の孤立化は、どこの世界にもあるが格差社会だとますます悲惨な目にあっている現実だと思う。クリスマスシーズンなのに、路上で寝ている人を見るといたたまれなくなるが(昨日の横浜です)、どうしたら良いのかわからない。

『ノマドランド』は自動車での生活で彼らは「ホームレス」とは言わず「ハウスレス」と言っていた。その差は、自動車ならまだ安全を確保でき、警察や(悪意ある)自治体の人が来ても命の危険にさらされることはない。排除の方向性の自治体が多いのは事実だ。高級マンションの前にホームレスがいたら価値が下がる。ホームレスを狙った暴力は、日本でもニュースになる。絶えずそのような危険に晒されているのだ。

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