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桃が主役

先日川で洗濯していましたところ、どんぶらこっこどんぶらこっこと可愛い桃が、流れてきたので拾ったんですよね。

でも中から桃太郎的な、いのちが、産まれてきても育てる自信もなく、育てられたとしてもうちにはネコしかおらず、イヌもサルもキジも従える事ができませんので、困ったなとしばらく注意深くその桃を見てたんですけど、どうやら私の妄想だという事に気が付きました。

何も産まれる気配なし

実家に滞在中、長野県に滞在している叔母さんから送られてきた桃を、我が家に1つ持って帰ってきました。

マゼンダからうすく赤みを帯びたカメオベージュへの見事なグラデーション、ベルベットのような高貴な触り心地、ほのかに感じる甘く優しい香り。

天は二物を与えずと言いますが、桃には全ての美点が与えられているような気がします。

以前noteに書きましたが、昨年は桃のパフェを作ってみたものの成功とは言い難い出来栄えでした。

苦い夏の記憶を思い出し、今年は桃を使ったお菓子ではなく、料理にしてみようかと考えていました。


冷静に考えて、冷製パスタしかないやろ。

恥ずかしげもなくよく言えたな。


今まさに、マイブームはカッペーリーニではありませんか。
そう、桃太郎云々のくだりから既に心は桃の冷製パスタを作ってみたい気持ちでいっぱいでした。

桃をパスタに使うなんてそれ美味しいの?と、どちらかといえば否定的な気持ちの方が強かったのですが、それでもずっと心のどこかに憧れがありましたので、このチャンス逃すわけにはいきません。

メインとなる冷製パスタが決まると、あわせてポタージュやサラダなど作りたいものが色々と浮かんできました。


まずは、ゴボウとブラックマッシュルームのポタージュです。

ゴボウ+玉ねぎ+ブラックマッシュルーム
=豊かな土壌

ハンドブレンダーが唸り声をあげてゴボウの繊維と戦ってくれています。
後にポタージュになるとはにわかに信じ難い見た目ですが、みにくいアヒルの子もやがて白鳥になりましたので大丈夫です。

冷蔵庫に残っていたブリーチーズとそら豆はオリーブオイルで和えてみました。

仲が良さそうな感じがする
いぶりがっこも入れたい衝動に駆られる


ニンジンはキャロットラペに。
オリーブオイルでクミンシードを香り立つまで熱したら一気に千切りしたニンジンにかけて混ぜます。

小学生の頃は食べられない野菜
No.1だった


サラダなのかカルパッチョなのかよくわからないけど、とにかく好きな野菜と好きな白身魚を和えてみます。

レッドオニオンがあれば彩りは何とかなる



さて、メインとなる桃の冷製パスタです。

今回パスタ用に新しいオリーブオイルを買ってみました。

以前観たYouTubeで、日本海側で釣れる白身魚はウリの香りがするので、ウリの香り(青草の香り)がするオリーブオイルを合わせる事で、白身魚がよみがえるとシェフが言い、私はそんな考え方があるのかと衝撃を受けました。

桃に合うオリーブオイルはどれだ。

フルッタートが目に飛び込んできた

フルッタート、フルーティ、そんな言葉に反応して買ったオリーブオイル。

だけど良く良く考えてみたらオリーブオイル果実の香りがフルッタートなだけで、何か別の果物の香りがする訳ではないのでは?という事に気がつきました。

じゃあ青草の香りがするオリーブオイルって何なんだろうという謎は深まるばかりですが、今回はとりあえず、こちらを使ってみます。

そして、甘い桃には塩分のある生ハムを相棒に。

あまいのとからいのとあまいのとからいのとあまいのとからいのと…人生はそうやって続きます。

ジャンボンといえばサマージャンボ
いちおくえん当たりますように 
買った事ないけど


桃は皮を剥いて、角切りにします。

少し力を入れただけでも潰れそうな繊細な桃を左手で軽く押さえながら、ゆっくりと包丁を入れていきますと、”コツン”と固い何かに当たりました。

もしかして太郎なの?

それより私大丈夫なの?

もうこのまま食べようか
それが一番美味しいんじゃない?


角切りにした桃をボウルに入れて、オリーブオイル、塩、レモン汁を合わせてソースを作っておき、たっぷりのお湯でカッペリーニを茹でたら、氷水でサッと冷やした後に水気を切って混ぜ合わせます。



何だかんだと色々楽みながら作ったディナーの全貌がこちら。

ランチョンマットが欲望を受け止めきれない


作りすぎた感が否めませんが、好きな器をフルに活用出来ましたし、華やかさもあって満足です。


主役はもちろんこちらの方。

ハーブには爽やかな香りのチャービルを


命名。

『桃から産まれたパスタろう』

セイ トゥギャザー。

『桃から産まれたパスタろう』


流行りますように。


作ってみてわかった事は、私の知識と技術では、桃はそのまま食べた方が100倍美味しい、という事です。

良く出来たとは思いますし美味しかったのですが、想像の範囲内の味で驚きはありませんでした。

驚きがあったのは、素晴らしいネーミングを開発した、私の類い稀なる才能だけです。

あ、驚いてんの自分だけか。

むしろ、ゴボウとブラックマッシュルームのポタージュは白鳥どころか鳳凰へと変化を遂げ、その味わい深さの余韻に浸ってしまうほどでした。

私は食事をしながら、いつかどこかのお店で、驚くような桃の冷製パスタを食べてみたいな、とそんな事を考えていました。


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