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友人Kが彼の友人と玩具屋に行ったらしい。
そこでKの友人はレジに立っている女性に一目惚れをしたらしい。人が恋に落ちる時、もっとロマンチックな表情をするものだと思ってたと、Kはなんかがっかりしていた。そんなこと言ってやるな。
Kの友人はかなり惚れ込んだようで、足繁くその店に通い、今までに見たことがないくらい積極的に口説きに行っていたようだ。
長く恋愛をしていないKはその友人の姿は素直に尊敬できるものだったと、僕に語ってくれた。
Kの友人が過ごす彼女との時間は、きっと彼女の仕草や声など自分に向けられている全てが素敵なものとして映っていたのだろう。
演出をするなら、暖かな光と暖かな色で…。


【for】という詩を書いた。

「恋は盲目」という言葉はシェイクスピアの戯曲が始まりだそうだ。
気持ちはわからんでもない。
きっと普段よりその人との時間は価値があり、何もかもが美しく見えてしまうのだろう。一挙手一投足に一喜一憂する、文字にすると言葉通り「いちいち」なにかが起こってしまうのだ。
窓辺のようなカフェから見える笑顔の女性を想像した。恋なんて知らない子供はきっと、その姿に初恋をしたりするんじゃないか。そしてその子はきっと、自分に向けられた彼女のなにげない仕草全てにいちいち動揺してしまうのだ。
そんな物語はいかがだろうか?

Kの友人はあえなく振られてしまったらしい。恋愛経験の無い彼だから仕方ないとKは言っていた。まあ残念だがあまり気にせず次の恋に向かってほしい。シェイクスピアの代表作「ロミオとジュリエット」も初めはロミオの片思いが上手くいかないところから、ジュリエットに出会い始まるのだ。彼にとってのジュリエットにもきっとすぐ出会えるだろう。そしてこの戯曲のような素敵な恋を始めて行けるはずだと僕は信じている。



…あ、だめだあの話ふたりとも死ぬんだった。

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