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(詩)海猫の詩を3つ

うみねこの鳴き声聴いた

うみねこ、うみねこ、
なぜ鳴くの

かなしい声で鳴かないで

日暮れにうみねこ鳴いたけど

帰りたくても帰れない
帰る場所など、ありゃしない

おいらは哀れな、家なき子
大人のくせして、家なき子

海猫

ほんものの海猫は
猫に似た鳴声の
海鳥のことです

にせものの海猫は

たださびしがりやな
野良猫のことです
いっぴき、ぼっちが好きな

鳴くことも忘れ
ただ黙って
一日中海を見ている
そんな、やつです

ウミネコ

ウミネコ
海の猫

小さい頃
猫のことだと思っていた

生まれた時からずっと
海のそばで暮らす
さびしがりやで
ひとりぼっちで
しおざいが好きな

そんな猫

いつかわたしが
大きくなって
ふとさみしいと
思うことがある時は

そんな猫のいる海岸線に
いってみたかった
そして猫とならんで
黙って海を
見ていたかった

ウミネコ

けれど
ウミネコの正体を
知ってしまったわたしは

今はただ
どんなにさみしくっても
もうひとりで
海を見ているしかありません


呼んだ?

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