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青乃
2021年10月26日 17:19
雨上がり頭痛治る。乾いた陽射しが廊下の無垢板を照らし、くっきりと影をつくるので、廊下で寝転がる私も日向と日影でまだらになっている。体を動かさず静かにしていると、少しずつ体温が下がって日が暮れていく。体温調節が楽な秋は、家中どこでも眠れるので、普段使わない二階のベッドで横になり、廊下に布団を引っ張り出しては眠り、台所にマットレスを持ち込んでは、転がる。じっと横になっていると自分の体温
2021年10月21日 21:49
「いややったら食べなはれ。ひもじい寒いもう死にたい不幸はこの順番に来ますのや。」の言は、『じゃりんこチエ』から。衣食住足る上での悩みは、私の場合は、食べて風呂に入って冷める前に布団に入り目を瞑れば済むが、衝動に駆られて夜の酒場へ出掛けていってしまうのは、有り余る体力があるから…。酒を飲み、炭水化物をとりたくなり、最終的には屋台の豚骨ラーメン、始発を待ちながら24時間営業の喫茶店、又は無意味
2021年10月16日 19:55
かりんとうを口に放りボリボリと噛み砕く。骨に響き耳の後ろで音がする。その後、熱い茶を飲めば舌が痺れ脳が甘くなる。湯呑を洗い裏返して夕寝する。夕寝は廊下に布団を引っ張ってきて敷き、庭の見える窓のそばで転がっているのが良い。そのうちに日が暮れどこもかしこも薄暗く全身一色になっている。重たくなった頭を持ち上げ、台所に戻る。台所で裏返され乾いた湯呑に水を入れる。一気に飲み干した後、
2021年10月13日 20:52
電話に出ると、すみません、寝てましたか、と言われる。起きてから既に3時間以上経っている。起きていました。簡潔に答えるのは、いつもの事だからだ。何時に電話に出ても寝起き声であり、すみませんというのは寧ろこちらの方である。要は私の発声の仕方が悪いのだ。レジ袋が無料だった頃、袋お入れしましょうか?の問いかけに、「はい」と言っても三回に一回は袋には入れられず品物を渡された。店員側からすれば
2021年10月4日 15:13
石の上で、小さなトカゲが日光浴をしているのをジッと見ている。トカゲは繊細に作られた前足で踏ん張って、胸をそらして、非常に熱心である。見ている私に気付いているのかいないのか、警戒せずに、恍惚の様子で、夜の間にすっかり冷えてしまった身体を暖めている。恍惚のトカゲを見る私の後ろから足音がする。青乃さんと呼び掛けられギクリとする。見つかる時は一瞬だ。私は慌てて立ち上がる。その無遠慮な様