Yasu Myojin

明神 慈 「ポかリン記憶舎」で台本を書いたり、演出したり。 「キモノ時間ソレカラ」で着…

Yasu Myojin

明神 慈 「ポかリン記憶舎」で台本を書いたり、演出したり。 「キモノ時間ソレカラ」で着物の着付けや立ち振る舞いのレッスンをしたり。 2019年の晩夏から京都に移住。2022年の春から奈良に移住。 http://www.myojin-yasu.jp/

マガジン

  • 京都暮らしと庭いじり

    去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。 休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。

  • 『戀文』〜明恵と鷹島の石〜

    京都・栂尾高山寺の明恵上人は平安末期に生まれ、政権が貴族 から武士へと換わる動乱の時代を生きた高僧です。 上人は数々の逸話を 残した、アーティスト気質のユニークな人物でもあります。 朗読劇『戀文』〜明恵と鷹島の石〜は、上人が生涯手元に置き、愛玩した石が語り手となり、上人の心の内や悟りの景色を鮮やかに描いてゆきます。 9月20日の配信に先駆け、高山寺訪問や、稽古場の様子などをお届けします。

  • 京都のほっこりスポット

    京都のほっこりできるお店などを紹介します。

最近の記事

天使

京都暮らしも1年9ヶ月になり、暑さ寒さの厳しさを知り、      日々、命の更新を続けている。 庭には毎日出て、雑草を抜いたり、芝の上で瞑想を楽しんでいる。 庭は、自然界の縮図でもある。 コロナと共存して暮らす日々。 人間以外の生き物は、生き生きと命を輝かせている。 私も自然の一部。 太陽の恵み、雨の恵みをしみじみと感じる朝に、感謝せずにはいられない。 春の日の出来事。 ウグイスの囀りを聴きながら雑草を抜いていると、           小さな男の子の声がした。 ここは、

    • 再生

      【春日詣】明恵上人と春日明神の邂逅を辿る旅

      私が敬愛する明恵上人(みょうえしょうにん)。 明恵上人を慕う人々は「明恵さん」と呼んでいます。 鎌倉時代の高僧・明恵上人は夢日記を40年間記し、夢の中でも修行を重ねた、探究心旺盛なお方です。 その純粋さ、情熱ゆえ、おもしろエピソードも満載です。 明恵上人は母のお腹にいる時から春日明神に守護されていました。 明恵上人には温めていた夢がありました。 父と仰ぐ釈迦が修行した地、天竺へと旅することです。 31歳の時、天竺へ修行の旅に出ようとしましたが、春日明神の御宣託で止められ、断念します。 明恵上人は都を離れ、故郷の紀伊で隠遁修行を続けていましたが、春日明神に「京都に居を構え、多くの衆生を救いなさい」と諭されたのです。 後日、明恵上人は春日大社へ参拝し、夢を断念したことを報告します。 東大寺へ寄ると、中御門で神鹿たちが一斉に伏せ、香気が満ちました。 不思議に思っていると、後日の夢に春日明神が現れます。 鹿が伏せたのは春日明神がお迎えに来てくれていたのだと分かり、明恵上人は馬から降りなかったことを詫びます。 春日明神は「愛子に過(とが)なし」と伝え、対話は続きました。 2年後、学問も修行も手につかなくなった明恵上人は天竺への想いを再燃させます。 旅支度を整えますが、不思議の病にかかり、出発どころではなくなります。 釈迦本尊、春日明神、善知識曼荼羅の前で「くじ神託」にてお伺いを立てると、すべて「渡るべからず」と出ました。 明恵上人は、覚悟を決め、京都の槇尾に居を移します。 翌年、後鳥羽上皇から栂尾に高山寺を賜り、開祖として大きな仕事を次々と成してゆきます。 春日明神はそれを喜び、明恵上人のそばに眷属を置き、守護しました。 60年の生涯の中で、天竺への想いを形にしようとしていた頃が、身も心もゆれ動いていた、辛い時期だったのかもしれません。 先日、私も明恵上人の足跡を辿り、春日大社と東大寺に参詣しました。 一の鳥居、ニノ鳥居と歩みを進めながら、心の奥に静けさと高揚が広がりました。 雨上がりの杜の美しい景色や神鹿たちの佇まいを、おすそ分けさせてください。

      • 石からの恋文

        明恵上人の台本を書く前、私は上人を取り巻く女性の視点で描こうと想っていました。 「悟り」に至るまで、愛欲とどう向き合うかに挑むつもりでした。 ある朝、目覚めに布団の中で「石が心を得て、世界を知ってゆく」画が浮かびました。 作戦変更。 明恵上人が生涯手元に置き、愛玩した石が、上人と共に歩んだ景色を語ることにしました。 文字フェチの方、秋の読書時間に「石の言霊」をお楽しみください。 音読して、体内を振動させるのもオススメです。 聴くのが楽な方は、安部聡子の囁きをどうぞ。月末ま

        • 『戀文』~明恵と鷹島の石~ 配信中!

          明恵上人との出会いは、学生時代の日本文化史の授業。 稲妻に打たれたような衝撃を受け、心の底のマグマの蓋がパッカリと開いてしまいました。 心の師と仰ぎ「50歳になったら明恵上人の台本を書く」と目標を立て、演劇活動に励みました。 『戀文』を脱稿し、上演の機会を伺っていたところ、縁あって、明恵上人が開いた高山寺の書院で朗読劇を撮影することができました。 9/20(日)から10/31(土)まで、YouTube で無料配信します。 上演時間80分とたっぷりですが、明恵上人の生涯が詰ま

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        • 京都暮らしと庭いじり
          13本
        • 『戀文』〜明恵と鷹島の石〜
          4本
        • 京都のほっこりスポット
          1本

        記事

          ポかリン記憶舎 朗読劇 『戀文』〜明恵と鷹島の石〜

          京都に引っ越して一年になろうとしています。 友がサラッと使った暑さの表現「今日はオーブンみたいやから」に驚きつつ、盆地の夏を体感しています。 京都に移り住んだのは、明恵上人の台本を書くため。 脱稿し、上演の機会を伺っていましたが、今年は難しそうなので、YouTube で無料配信することにしました。 (京都市の「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う京都市文化芸術活動緊急奨励金」の採択事業) ポかリン記憶舎のチャンネルを作ったので、チャンネル登録よろしくお願いします。 (9/

          ポかリン記憶舎 朗読劇 『戀文』〜明恵と鷹島の石〜

          京都暮らしと庭いじり~吸血鬼~

          去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。 休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。 10月末、芝の根付き具合を気にしつつ、雑草を抜く。 カタバミやら、ドクダミやら。 先日、シロツメグサの種を蒔いたので、毎日たっぷりお水をあげている。 秋の虫の声も、そろそろフェードアウトしていくだろう。 ちょっと淋しい。 蚊はまだまだ生命力をみなぎらせて、吸血の機会を伺っている。 私は数年前から、なるべく虫を殺さない生活をしている。 庭では肌を出さないようにしている

          京都暮らしと庭いじり~吸血鬼~

          京都暮らしと庭いじり~少年の日~

          去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。 休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。 10月下旬。 東京の品川歴史館で『ミチカケ』公演が終わり、京都に戻って来た。 出演者、スタッフ、お客様と共に、素晴らしい時空を立ち上げることができ、至福の数日間だった。ありがとうございました。 http://www.myojin-yasu.jp/?p=372 そして、留守の間、庭や鉢植えの植物に水やりしてくれた友人に感謝。 さあ、来春に向けての庭いじりを再開。 この間、

          京都暮らしと庭いじり~少年の日~

          京都暮らしと庭いじり~魂の色~

          去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。 休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。 先日、芝を張った。 芝と芝の間に入れる土(目土)が届いたので、スコップでまんべんなくふりかける。 これで根付きがよくなるそうな。 今のところ枯れ葉色だけど、来春にはツヤツヤの緑の絨毯になるだろう。 楽しみ~。 残りの空間は、ブロックの小径の反対側。 芝を敷いた面積と同じくらい。 半分はシロツメグサの種を蒔き、残りの半分は謎の球根を植える予定。 (たくさんの球根は、庭の土

          京都暮らしと庭いじり~魂の色~

          京都暮らしと庭いじり~芝パズル~

          去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。 休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。 10月初旬の週末、大阪の友人が庭仕事のお手伝いに来てくれた。 先月に続き、ありがとうございます。 長方形の庭の真ん中を横断するように、コンクリのブロックが敷かれている。 一旦、すべて取り除いて、その部分を耕す。 重い物を持つ時は、声を出して踏ん張るに限る。 最近の流行っている掛け声は「もが~っ!」。 友に笑われる。 再び、ブロックを敷き直す。 微妙にカーブをつけつつ。

          京都暮らしと庭いじり~芝パズル~

          京都暮らしと庭いじり~安全地帯~

          去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。 休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。 先日、庭の土をスコップで耕した。 オドリコソウの地下茎がかなり深いところまで伸びていて 引っ張って抜こうとしたら、途中で切れてしまった。 その部分に水を注いで、土を柔らかくして、続きを掘り起こすことにする。 泥んこ遊び、久しぶり。 汗が地面にポトポト落ちる。 明治維新、農家の次男や三男坊が北海道に渡り、原生林を開拓した時の苦労を想う。 自分よりも年上の木を切り倒し、根を

          京都暮らしと庭いじり~安全地帯~

          月と蛍

          今夜は十二夜。友人と三味洪庵に行ってきました。 お目当は蛍。 窓際の席で、夕暮れの白川を楽しみながら蕎麦御膳を堪能。 おぞよや西京焼き、天ぷら、十割蕎麦、デザートをペロリといただきました。 20時から、室内の明かりを消して、テラスに出て蛍の舞を観賞。 恋のダンスはゆったりペアもいれば、三つ巴の激しいチームもいました。 のんびり葉っぱに停まっている子や、人間の頭上までやってくる子もいました。 は〜〜美しい。 点滅の周波数もそれぞれで、光の強弱で合唱しているよう。 蛍を見

          京都暮らしと庭いじり~愛しい土~

          去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。 休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。 先日、庭の4分の1に砂利を敷き終わったので、残りの部分を掘り起こしていくとする。 10月に入っても日中は夏日のよう。 夕方まで待って、作業開始。 ダンゴムシやミミズ、カナブンの幼虫が出てくる。 あ、セミの幼虫! 土の中に戻す。 セミの幼虫は、羽化する数日前から、外界の様子を伺いにチョコチョコ頭を出すらしいね。 この子は来年出て来るかな? 球根がわんさか出て来る。大きい

          京都暮らしと庭いじり~愛しい土~

          京都暮らしと庭いじり~ケッタイな人~

          去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。 休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。 9月末の休日、友人が庭の掘り起こしを手伝ってくれた。 防草シートを剥がし、庭の4分の1に砂利を敷いた。 今日は燃えるゴミの日。 剥がした防草シートをハサミで切って丸めて、ゴミ袋に詰める。 京都はゴミ袋が有料なので、なるべくコンパクトに。 後ろから声をかけられた。お隣さんだ。 まずは挨拶。 「なぜ砂利を敷いた」「なぜ庭を掘り返す」「○○ちゃんに言いつける」 とマシンガン

          京都暮らしと庭いじり~ケッタイな人~

          京都暮らしと庭いじり~砂利が鳴る~

          去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。 休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。 9月末、晴れ。 友人が大阪から庭作業の手伝いに来てくれた。ありがとう~! 彼女は数年前、私が東京に住んでいた時、近所のカフェで意気投合して以来の仲。 娘くらい歳が離れているのに、双子みたいに気が合う。 まずは魚市の鱧(はも)寿司で腹ごしらえ。美味し〜い。 http://www.uoichi.ecnet.jp/ 午後、帽子をかぶって、虫除けスプレーをかけて、作業開始。

          京都暮らしと庭いじり~砂利が鳴る~

          京都暮らしと庭いじり~砂利と芝~

          去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。 休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。 9月下旬。来月から消費税が値上がりする。 今月中に砂利を買っておきたい。 庭は長細くて、8畳くらいの広さ。 お隣さんの倉庫と隣接しているので、そこに砂利を敷く予定。 (挨拶しに行ったら気難しそうな人だったので、安全地帯を設置しとく作戦) 自転車で近くのホームセンターへ。途中、ナス畑を見つけてうっとり。 店先の砂利コーナーをチェック。 いろんな種類があるけど、グレーのリー

          京都暮らしと庭いじり~砂利と芝~

          京都暮らしと庭いじり~弘法市で鉢植え物色~

          去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。 休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。 京都に引っ越して3週間が経った。 近所にスーパーが3軒あるので、どの店がいいか買い物しながら検討中。 野菜好きなので、野菜の安さ、新鮮さが重要。 今日は9月21日。小雨パラパラ。 友人が弘法市に連れて行ってくれた。 毎月21日は東寺、25日は北野天満宮で骨董市があるそうで。 京都の人は「弘法さん」「天神さん」と親しみを込めて呼んでいるのだ そうな。

          京都暮らしと庭いじり~弘法市で鉢植え物色~