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京都暮らしと庭いじり~魂の色~


去年の晩夏、京都の庭付きの借家に引っ越して来ました。
休眠状態の庭が変化してゆく過程を綴っていきます。


先日、芝を張った。
芝と芝の間に入れる土(目土)が届いたので、スコップでまんべんなくふりかける。
これで根付きがよくなるそうな。
今のところ枯れ葉色だけど、来春にはツヤツヤの緑の絨毯になるだろう。
楽しみ~。

残りの空間は、ブロックの小径の反対側。
芝を敷いた面積と同じくらい。
半分はシロツメグサの種を蒔き、残りの半分は謎の球根を植える予定。
(たくさんの球根は、庭の土を掘り返した時に出てきたもの。)

よし、球根を植えよう。
10cm間隔で謎の球根を植えてゆく。
その数30個以上。
球根や種は、芽吹く環境が整うまで、じっと待つことができる。

ふと、ハスの実のエピソードを思い出す。
1951年、千葉県の落合遺跡から発掘された古代ハスの種が芽を出し、世界的に話題になった。
今から2000年以上前の種を発芽させることに成功した大賀博士。
植物たちのポテンシャルに、敬意を表さずにはいられない。
http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/3861392.html


待つことを楽しめるようになったのは、植物たちと暮らすようになってから。
元々は短気だけれど、生きとし生けるものたちの雄大な命の営みに沿うと、
気持ちに余裕が生まれるようになった。
期待しすぎず、おおらかに暮らす。

そういえば、私、2000年に『オン・シツ』という作品を書いて、上演してたわ。
球根を植えながら、だんだん思い出してきた。

事故死した母が大事にしていた温室に入り浸る娘。
娘に届く差出人不明の恋文の中に綴られている、心揺さぶる言霊たち。

「花の持つ色は、その花の魂の色です。
 だから花は、咲かずにはいられないのでしょう。
 僕があなたの名前を呼ばずにはいられないように。」

娘は、溢れる涙と共に、心の奥にしまったまま眠っていた「何か」が覚醒してゆく。
その恋文の主は。。。


人の魂にも色がある。
人それぞれいろんな色を持っている。
営みの中で、濃くなったり、薄くなったり。
すぐに曇ってしまうので、花々の魂に触れて、共鳴したくなるのだろう。

この球根たちは、何色の花を咲かせてくれるだろう。
どんな形の花びらを広げてくれるだろう。

来年の春を楽しみに。


(写真は今年の4月に咲いたオランダアヤメ)


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