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気持ちのリハビリの記録|膠原病退院後の生活【その12】 復職後一カ月『うつの日内変動を何とかしたい』

🔹全身の倦怠感

全身の倦怠感。これを何とかしたい。体だけではなくて、気持ちがザックリと削がれる。こいつに支配されたら、自ら命を絶ってしまうかもしれない。今はあり得ないと思えるけれど、本当に堕ちた時には、周囲が見えなくなるのだろうから。
そして、気持と体どちらが先かは分からないが、「気力が起きない」と「動くことができない」が連動している。
入院中の他の患者の話や、前の職場のスタッフの経験談から、これはうつ症状だと思う。うつは気持ちの症状だと思っていたが、実際は、「体が重くて動かない」という身体症状を伴っているようなのだ。

🔹気持ちのアップダウン

それから、うつは、ずっと落ち込んでいるものだと思っていた。でも実際は違っていて、私の気持ちは一日の中でも上がったり下がったりする。これを「日内変動」と呼ぶらしい。
今朝は、起きた時から仕事中の午後2時頃まで全身が重かった。まぶたが重くて目がしっかりと開いていない感じになる。寝起きで覚醒しないまま、仕方なく職場に行って、辛うじて何かをしているようだった。
その後仕事が終わる5時頃にかけてアップし、仕事後から帰宅してしばらくの間、7時頃まで再びダウンした。
7時過ぎから調理、食事、片づけをした9時近くまでアップし、寝るまでに再びダウンした。

一日の中で、きっかけは特に見当たらず、原因不明のアップダウンを繰り返している。上がっている時は良いが、下がったまま人の中で過ごすのも辛い。かと言って、部屋で眠っていても、状況が良くなる訳でもないようなのだ。

🔹  🔹  🔹

この状態に、受け身でいたくはない。
何とか自分の体をコントロールしたい。

今の様子をちょっと図にしてみた。
[手書きのものをPCで再作成した]

🔵病気前の私

病気前の私の自己イメージは、輪郭がはっきりしていて、自分のことはある程度わかっていたと思う。性格的に「強い」とまでは言えなかったが、ある程度のストレスは跳ね返したり、対処できていたと思う。
職業生活が長いため、年齢相応の課題には遭遇し、対処してきた。不得手なことは、コツコツと本を読んだり練習したりして克服することが多かった。かといって根っから真面目という訳ではない。高校生の頃からの野宿無銭旅行で身につけたいい加減さ、「何とかなるさ感」と「本当はどうでもいい感」が気持ちのどこかにあった。そうやって、自分が完全に詰んでしまうのを回避できていたのだと思う。

🔴病気後の私

それが、病気を経ると、なんだか輪郭があいまいになった感じがして、自信を失った。

命の危機とリハビリの時間を通して、自分が一つになった感じはする。自分の体を大切に思うようになった。不具合があっても自分の体をいとしいと感じる。体を守るために何をするか、そして残りの時間で何をするかという気持ちの持ち方に変わったと思う。

一方で、社会生活でのストレスの影響を、受けやすくなった気がする。体力が落ちて疲れやすくなっているし、メンタル面でもダメージを受けやすくなったと思う。
これまで当たり前だった自分の中の価値観が組み替わる中で、社会にどう対峙すればいいのかが、まだわからないのかもしれない。
また、病気と障害を抱えることによって、社会から受ける新たなストレスが加わっているようにも思う。普通に暮らしていても、緊張していて、消耗する。「普通の社会」のスピードや荒さに、常に気を張って構えている。配慮のなさや無理解には、気持ちが萎える。

🔹知りたいこと

そこで、私が知りたいことは、こんなことだ。

①気持ちが下がる要因 「ストレス等」

気持が下がる要因がつかめれば、それを避けたり、予め対処すれば良いのではないかと思う。
だから、今の私のストレスが何なのかを把握して、排除したり、軽減したり、予めの対処方法を見出したいと思う。

②気持ちが上がる要因 「キー」みたいなもの

情緒が不安定で、短時間でのアップダウンが激しくなっている。体感としては、ダウンからアップになる要因(「キー」)があるような気がする。そのキーがわかれば、ダウンをアップに転じることができるのではないかと思う。
気持ちと体が連動しているのであれば、体から気持ちを上げたり、気持ちを上げることで体が動く状況を作れるのではないか。
もしキーを見つけられれば、下がった時に意図的にその行動を取ればいいはずだ。

③自分の耐性を上げる方法

体力、心理面等、ストレスを受けてもダメージを被らないようにするには、どうすればいいのか。
輪郭がなんだかあいまいで、ストレスに弱くなってしまった病後の自分を、強くする方法はないだろうか。それがストレスへの耐性なのか、体力または気持ちの持ち方なのかはわからない。もしかすると、ストレスに対処する技能で何とかなるのかもしれない。今後晒される様々なストレスに対して、耐えられる自分を作りたいと思う。

☘つづく…
次回、続きを考えてみたい。アップ(ハイ)な日、ダウン(ロー)な日の日記はこんなふう ↓

6月26日 ハイな日の日記  
昨日はいつもよりも一時間早く寝た。そのせいか、今日は一日かなりハイだった。
そして、私の表情が明るいからなのか、色々な人が話しかけてきた。下がっている時は、かなり暗い表情をしてるのだろうな。
入院中に気づいたことだが、話をして笑うと気分がアップする。上がっていると会話が増え、さらにアップするという良い循環に入り、一度も下がらない一日を過ごせた。仕事が終わり歩いて帰る途中で、わずかな足元のふらつきがあった。気分は下がっていなかったので、これはふつうの疲労だと思う。

今日の条件で、ここ数日やいつもと違っていたこと
①睡眠時間が1~1.5時間長かった
②先週半ばより車で移動していたのが、今日から再び徒歩&電車になった
③本来業務の核心に近い所に手をつけ始めた
④細かい億劫な仕事を消化し、それらがなくなりつつある
⑤週末が近い
⑥帰りにバイクを見に行くという前向きな計画があった
⑦一昨日夜から抗炎症剤とコレステロールの薬を飲んでいる
⑧一昨日昼からステロイドを減量している
⑨風邪をひいていない

6月29日(休日) 一日体調ダウンの日の日記
体が重くて、昼に一度起きたものの、軽く食べて、また夕方まで寝た。仕事あれば何とか行動するものの、なければ本当は、毎日こんな体調なのかもしれないなって思った。天気が関係あるとか聞くけれど、どうなんだろう。

最近関心があったバイクも、今日は、どうでもいい。億劫で新たな行動を起こす気には、とてもなれない。

疲労感が出ると、無意識に回復しようとするのか食欲が増す。体重増は足に良くない。
何だか色々なことが、閉塞した螺旋の中でぐるぐるからまっている。出口を見つける気力と思考力なし。

夜になって外を歩いたけど、足元がふらついた。発症した時のように左膝が持ちこたえられずに抜ける。右足こんなにしびれていたっけ。
何をしても、何を考えても気が滅入る。


(つづく)


文・写真@2023 青海 陽

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🌼 次回の更新は 2023年7月21日㈮です 🌼
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