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自分の気持ちに気づくには?【心理学】
福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。
ふだんからじぶんの気持ちについて考えることってあんまりないですよね。
日本人は特に、気持ちなのか、からだの感覚なのかの区別をつけるのがあんまり得意ではないみたいです。
心身一体というように、気持ちが不調であることを、具合が悪いとか、調子が悪いと表現する傾向があります。
アレキシサイミアという状態は、自分の気持ちに気づくのが得意ではなくて、気持ちの不調を、からだの不調として現れやすい状態のことをいいます。
ここでいう気持ちというのは、落ち込むとか、不安や心配とか、怒りのことです。
こういった気持ちに気づきにくいことで、実際にはこころが不調のサインを出したいところ、気づいてもらえない。
ならばからだの不調としてあらわしてやれ!ということで、お腹が痛くなったり、かゆくなったり、皮膚にいつものやつが現れてくることになります。
気持ちに気づくのが得意ではないふたつのパターンがあります。
ひとつは認知機能の特性上、気持ちを検出する能力がうまくいかないパターンです。
この場合は気持ちと身体の感覚を区別することが難しくて、ネガティブな気持ちと空腹をわけることができなかったり、不安であることをだるいというように表現したりします。
こちらの対処策は予想することです。
どういうことかというと、からだの不調が出た場合に、もしかしたら、怒り?不安?悲しみ?のどれかの気持ちなんじゃないか?と3択で考えてみてください。
人間の基本的なネガティブな気持ちは怒り、不安、悲しみの3つです。
そして、嫌な出来事があったり、嫌なことを考えていると、この3つのうちどれかの感情が多かれ少なかれ必ず起こります。
出来事や考えから逆算して、この3つのうちのどれかを感じていることに気づくことができれば、じぶんの気持ちを知ることにつながります。
もうひとつはこんな気持ちをもってはいけないです。
小さいときから、泣くんじゃないとか、強く生きなさいとか、日本人の美徳として、ネガティブになってはいけないというのを教わってくる傾向がいまだにあります。
こういった傾向があると、悲しい出来事があっても、悲しんじゃいけないんだと思ったり、イライラすることがあっても感情コントロールしなきゃとなります。
しかし、感情というのは、みなさんに危険がせまっていることを知らせるサインであるので、感情を押し込めてしまうのは逆に不適応が起こります。
身体の健康まで害してしまう場合もあるかもしれません。
何かを失ったときに悲しいと感じ、心配ごとがあれば不安になり、不当なことがあればイライラするのはふつうのことです。
過度に気持ちをコントロールしようとせずに、ネガティブな気持ちをしっかりと感じた上で、その後適切に対処していくのがいいのかなと思います。
もちろん何でもかんでも、感情をあらわに表現しましょうというわけではありませんが、適切な方法で感情表現をできるように工夫してみるのもいいのかもしれません。
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。
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