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考えに気づくために、状況と気持ちと考えを書き出そう。

以前取り上げた「認知療法の記事」の続きです。

考え方は気持ちに影響します。以前の記事でお話ししたように、「知り合いとすれ違ったときにあいさつをしたが挨拶が返ってこなかったときに」、

わたしなんて…と考えれば落ち込みます、あいさつくらいしてくれてもいいのにひどいと考えるとイライラしてきます、なんかわるいことしちゃったかなと考えると不安になります。

ひとは自分の身の周りに起こった出来事をそのままニュートラルに評価しているわけではありません。

ひとそれぞれ起こった出来事を、解釈し、意味づけています。

ただ、そのような解釈や意味づけは、その人それぞれに考え方のクセがあるため、自動思考という形で一瞬で自動的に出てきます。

なかなか考えには気づきにくいですし、考えが気持ちに影響するのを実感することは難しいところです。しかし、仮に落ち込んだり不安になりやすい考えに気づいて変えていけるとしたら、どうでしょうか?

認知療法では、「じぶんの考えに気づくためのトレーニング」をまず行います。

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(1) 状況を書き出す

まず、気持ちが動揺したり、不安に感じたり、落ち込んだり、怒りをおぼえた状況を書き出してみてください。できる限り、具体的に書き出してみましょう。

いつ?どこで?誰と?何が起こった?どのような時間経過があった?など、その瞬間を映画のワンシーンのように切り抜いてみてください。

(2) 気分を書き出す

そのときにどういう気持ちになったか?そういう感情や気分が出てきたか?を書き出してみましょう。

落ち込み、悲しみ、不安、心配、怖い、怒り、イライラなどがおもな気持ちとして出てきます。

あるいは恥ずかしい、申し訳ない、失望、困惑、後ろめたいなどもあるかもしれません。

そしてその時の気持ちを0がまったくない、100がめちゃくちゃあるとしてどのくらいのもんか?を評価してみましょう。

(3) 考えを書き出す

(1) で書きだした状況のとき、みなさんはどんなことを考えていたでしょうか?その気持ちを体験した瞬間に浮かんでいたイメージや考えはどのようなものでしたか?

頭の中にあったことに注意を向けて、出来るだけ詳細にたくさん書いてみてください。

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このような考えを書き出す練習をしていくことで、自らの考えに気づくことができるようになります。考えに気づくことで、ふっと冷静になることができるようになります。その後の適切な判断にもつながります。

また、気持ちと考えを切り離してくれます。それによって、今起こっていることを大きくて圧倒的なものではなくしてくれます。そして、考えを整える準備ができたとも言えます。

次の機会に、切り離した考えをどう整えていくかについて説明していきますね。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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