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痛みの意味とは?【慢性痛に行動活性化①】
福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。
今回からの記事では科学研究費での研究の一環として「慢性痛への行動活性化」という心理療法を開発しているのですが、その内容についてお話ししていきます。痛みでお困りの方に少しでも役に立てれば嬉しいです。
本日は「痛みの意味とは?」をテーマにお話ししていきます。
慢性痛とはどのようなものか、痛みの意味は何か、そして、痛みが発症した時と現在続いている理由が違う、ということを説明していきたいと思います。
慢性痛とは?
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痛みを感じ続けることはなかなかにしんどいことです。わたし自身も腰が痛かったり、朝起きて関節のふしぶしが痛かったりと、痛みを感じることが多々あります。
慢性痛とは「一般的な治療やケアをしているけれど、痛みが長く続いている状態」のことをいいます。
痛みが続くと、いつもの活動をすることに支障が出ることもありますし、痛み自体とっても不快なものです。
痛みになんとか対処したいと考えて、あなたもその痛みを軽くしようと、いろいろ試みてきたのではないかなと思います。
痛みは悪者?
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痛みは不快なものなので、取り去ってしまいたいというように多くの方が考えます。実際に、わたし自身も痛みがなくなればいいのにと考えることがあります。
一方、痛みがなければどんなことが起こるでしょうか?
例えば、寒い冬の日に、ストーブに背を向けて温まっていたとします。寒いので数時間ストーブの前にいます。ここで痛みがなかったとしたら、背中が熱くて熱くて火傷してしまっていることに気づかないかもしれません。
事故にあって血が流れるほど身体が傷ついていたとしても、痛みがなければ自分自身が傷ついていることに気づかないかもしれません。
痛みは本来、「自分の身に危険が迫っていることを教えてくれるセンサー」です。痛みがなければ、身に危険が及ぶことも多いのです。
ただし、そのセンサーは「時に誤作動してしまう」こともあります。痛みをゼロにするのではなく、警報装置を適度に鳴ってもらうように調節する必要があるわけです。
痛みの発症と維持は“別“の話
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みなさんが痛みを最初に感じたとき、おそらく、なんらかの外傷や病気が原因となっていると思います。
例えば、重いダンボールの箱を持ってギクッとなってしまったです。これは明確な原因があって、痛みが発症していますよね。これを「発症要因」といいます。
一方、痛みを感じている現在まで重いものをもってギクッとなってい続けるわけではないですよね。もっと言うと、検査をしてももう病状はよくなっている。
ということは痛みが続く要因は別にあるということになります。これを「維持要因」といいます。この維持要因があるほど、痛みの誤作動が続いていきます。
この維持要因には「静止、うつや不安、睡眠、楽しみの不足」など多くの要因が関連しています。さらに言うと、病気や損傷などの原因が続いていたとしても、維持要因によって痛みがさらに悪化するとも言われています。
今日のポイント
慢性痛は治療やケアをしているが長く痛みが続いている状態
痛みは危険を教えてくれるセンサーだが、時に誤作動する
痛みが発症した要因と維持要因は別
次回の話では「痛みはなぜ維持されるのか?」をテーマにお話ししていきたいと思います。
それでは最後までお付き合いいただいてありがとうございました。
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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。
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