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【研究者日記】ひさしぶりに研究発表で質問に答えられないという経験をしたという話。

研究者たるもの、学会で発表するというのは当然の営みのわけです。私たちの心理学界隈では修士課程の時に、ボスがメインにしている学会などに赴き、卒論でとったデータなんかを発表するわけですね。

そういうときって、初めての経験だし、右も左もわからない。自分の研究とは言え、まだまだ本質もつかめていないので、何か質問をされても、なんて答えていいかわからずに敗北…なんてことがあるわけです。

慣れというのは不思議なもので、そういう敗北も場を重ねる毎に慣れていくわけで、だんだんと勝手がわかってきます。何を聞かれているかもわかるようになるし、芯をついた返答ができるようになります。私なんかは行動活性化になかなかの時間をそそいできたので、その歴史も原理も研究成果も、だいたいのことは答えられます。それが研究者っていうものです。

ただ、こうやってひとつの研究に命を注いでいくこともできるのでしょうし、そうやって鬼ほどニッチな領域の研究者になる人も多いのですが、私の場合それだと刺激が足りなくなります。

いまは医学教育や医療コミュニケーションのほうにハマっているので、いままで勉強してきたことがあまり使えないようになってきます。ですが、なんとか研究費を引っ張ってきて、研究をさせてもらっていました。

そんな医療コミュニケーションの研究費の成果公表会が先日ありました。時間もなくというのは言い訳ですが、いつもの通りそれなりな尤もらしい発表資料を作って、さあ当日だ、と。院生時代の前の日に感じていた、明日は発表だ、緊張するなという気持ちもなくです。

おやおや、発表会場であるZOOMの画面の中に、どうやらお偉い先生ばかりいらっしゃるようだぞ、と。あれ、一般市民の方がいらっしゃる発表会じゃなかったっけ?というあたりでめずらしく1緊張。

発表はいつも通りになんとなく終わるものの、その後の質問で「この結果の解釈はちょっと違うんじゃない?」「タイトルにあるような解析じゃないですよね?」というなかなか鋭いつっこみが。

いつもの通りの分野だと知識が膨大にあるので答えられていたものが、まったく通用しない。頭の中をフル回転させて、なにか答えはないか???と探し出すものの何もでてこない笑。

ひさしぶりにもう少ししっかり準備をするべきだったなと反省をした瞬間でした。なお、発表後調べてみたところ、じぶんの発表していた内容で間違っていないことがわかったので、ちゃんと答えられたらなあと思う瞬間でした。

こういう経験は同じ分野に居続けると絶対にできない経験でしたので、慢心はよくないなと戒めるとともに、新しい経験をできて良かったと思うのでした。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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