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うつは甘え?【論文紹介】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

精神疾患が起こる原因についてはいろいろな議論がされてきました。

現代でもはっきりとはわかっていないながらも、どうやら脳内の生物学的なことや考え方や行動パターンなどの心理社会学的な要因が原因になっているようだということがわかってきています。

昔からよくある誤解として、「うつは甘え」というものがありますが、うつは甘えによって起こるということを明らかにした研究はありません。

うつは気合や根性で治るということもありません。

こういったことは誤解ですし、メンタルヘルス上、間違った知識ですので、この考えでは精神疾患はよくなりません。わたしの医療現場での経験上ですが、悪化する場合もあります。

みんながみんなこのように考えているわけではないと思いますが、実際のところどのくらいの割合のひとがうつを甘えであると考えているのでしょうか?

https://bmcpsychiatry.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12888-021-03481-y

日本で行われた調査です。ビネット法という方法を使って、とあるうつ症状を持つAさんの様子を示し、Aさんが「その状況から脱出することができたか?」「その状態はその人の弱さの表れか?」「その人は本当は病気ではないか?」について同意するかどうかを尋ねました。

研究の結果、Aさんが上記の3つの質問のうちいずれかに同意すると答えた人の割合が24.5%いることがわかりました。

多くのひとではないかもしれませんが、抑うつ症状の原因を病気ではないものとしてとらえたり、いわゆる「甘え」としてとらえるような方が一定数いるということがわかります。

この研究の対象者は学校の先生でしたが、教員であるという理由で、うつが甘えだと認識しているということはないと思います、おそらく一般人口でこういった傾向があるのではないかなと思います。

また、2018年に行われた調査ですので、そこから知識が普及しているということになっていたらいいなあとも思います。

精神疾患について正しい知識を普及していくことや誤解をといていくことが必要だな~と再認識いたしました。

この記事では特定のかたがたの考えを否定しようとすることを意図しているわけではないので、その点だけご了承いただけたら幸いです。

それでは、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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