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患者さんと話すときに患者さんの立場に立つことを心がけると患者さんの満足度が上がるかも?

患者さんの立場に立つことを意識して患者さんに接することで患者さんの満足度があがる?

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医療者が患者さんと接するときに、患者さんが満足して帰ってくれるに越したことはないですよね。だけれども、どうしたらいいの?という声はたくさん聴かれます。

良いコミュニケーションをとる人のほうが、患者さんの満足度は高いです。けど、良いコミュニケーションとはなんでしょうか?

本日は、「他者視点に立つ」という視点から、患者さんの満足度をあげるコミュニケーションについて考えてみます。

コミュニケーションをとるときに「共感」しましょうとよく聞きますよね。共感とは、相手の感情を理解することをいいます。共感は、患者さんの満足度が向上したり、医療過誤訴訟が減少したり、健康状態の改善につながることはよく言われるところです。

しかし、どうやったら共感ってできるようになるのでしょう?

他者の視点に立つ

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共感をできるようにするためには、「他者の視点に立つ」が重要と言われています。相手の考えていることや感じていることを理解しようとすることが重要です。

他者の視点に立つ力を身に着けることで、コミュニケーションを改善し、他者を尊重する気持ちを持ち、いわれのない攻撃を制限し、ビジネス交渉において効率的なやりとりを生み出します。固定観念や偏見を減少させることにも成功しています。

さて、このような「他者の視点に立つ」は、患者さんと接するときにはどのように取り組んでいくと良いのでしょうか?そこで本日は以下の研究をご紹介します。

論文のご紹介:患者さんの立場に立つことを意識して患者さんに接することで患者さんの満足度があがる?

医学部生は、模擬患者さんとの医療面接を行うときに、以下のような指示を受けました。

「患者さんに会ったとき、自分がその人になったつもりで、患者さんの目で世界を見て、患者さんの靴を履いて世界を歩くように、患者さんが経験していることを想像してみてください。」

そして、面接を終えた後に、患者さんが経験していることを想像した内容を簡単なメモ(10行以内)に書くよう指示されました。あるいは、

患者さんと話をするときに、自分が患者さんの立場だったらどう感じるかを考え、その気持ちを想像してみてください。今、あなたが接している患者さんのことを考えてみてください。その患者さんの立場になって、自分がどう感じるかを想像してみてください。

という指示の後、「自分がその患者さんの立場になって、その患者さんの気持ちを簡単に書き出してみてください」と指示されました。その結果、

このような2つの指示をうけたそれぞれの学生に接した俳優役の患者さんの満足度は、指示を受けなかった学生に接した俳優役の患者さんの満足度よりも統計的に高くなっていました。

したがって「患者さんの視点に立つことを意識して患者さんに接することで患者さんの満足度があがる」ということが言えそうです。

限界点について

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この研究は、医学生と俳優役の患者さんの満足度に関する調査であるため、実際の医療者と患者さんにあてはめられるかどうかはまだわかっていません。

また、この研究で得られた患者さん満足度を高める効果は小さいものであったことにも注意が必要です。

最後に、医学生のうちもともと「他者の視点に立つ」力が少ない人の場合には、指示の有無による患者さんの満足度に対する差はありませんでした。したがって、もともと「他者の視点に立つ」ことが得意な人の場合に、この結果は限定されるかもしれません。

というわけで、「他者の視点に立つ」ことを意識することで、患者さんの満足度は上がるかもしれない?というお話でした。

今後も、共感やコミュニケーションについての記事を挙げていく予定です。もしよろしければフォローやチャンネル登録してもらえると嬉しいです(泣いて喜ぶ予定です)。

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