だるくて動けないか?動けないからだるいのか?【研究紹介】
メンタルヘルスに関する研究紹介です。
からだを動かしていないと気分が落ち込む、あるいは楽しい気持ちになれないということがうつ病の行動理論ではよく言われています。
一方、うつ病の症状として気分が落ち込んでくると、億劫になり、体を動かしにくくなるというのがあります。
一般的には循環モデルとして、悪循環が生じていると言われていますが、実際のところどうなのでしょうか?
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/da.23298
この研究では、うつ病の患者さんとそうではない健常者の方を対象として、1日5回のスマートフォンでの気分の評価とアクティグラフィーを使った活動量の評価を行いました。
その結果、活量量が多いほどが3時間後のネガティブな気分が少なく、ポジティブな気分が多いことがわかりました(活動→気分)。この傾向は、うつ病の患者さんでは顕著でしたが、健常者でも結果は一致していました。
活動量の程度については、全体的にみると座りがちな活動よりも、座りがちではない何らかの活動をするほうが、気分の緩和効果があるようです。
一方で、ネガティブな気分の少なさとポジティブな気分の多さが、3時間後の活動量の多さを予測することもわかりました(気分→活動)。
結局のところ、気分と活動は循環しているということがわかりました。
気分を変えることはなかなか難しいですが、活動を変えることは気分よりかは容易にできるかもしれません。
座りがちな場合は、ちょっと立ち上がってみるでもいいかもしれませんので、座りがちな日常の中にちょっとした行動を取り入れてみるといいかもしれません。
それでは、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
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