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描いて作って使って(BRUSHUP デザインのひみつ vol.2 CAN)

アオキ
さて、BRUSHUPについて1つ1つ紹介していくシリーズ、第一回のトライアングルのお話に続き、今回はこちら

ゴミ箱になるチリトリ。
CAN(カン)について紹介していきたいと思います。


1.そういえばあのアイデアって

アオキ
普段はゴミ箱として部屋に置いておいて。持ち上げるとチリトリとホウキになるCAN(カン)。そもそもはどうやって始まったんでしたっけ。


ケンケン
たしかこれはBRUSHUPが始まるより半年くらい前だと思うんですけど、TENTに僕の学校の後輩がインターンとして2週間くらい通っていたことがあったじゃないですか。

TENT ケンケン


アオキ
ああ!そうだ。福岡から来てくれた市丸くんだよね。

TENTではインターンの人に「何か自分が欲しいと思う道具を考えて、とりあえず使える試作を作ってみて」っていう課題を出すことがあって。

たしか市丸くんが「机の上の紙や消しカスなどのゴミをガサーっと入れられる、机に引っ掛けられるゴミ箱が欲しい」みたいなことを話してたんだよね。


ケンケン
そうですね。それ以外にもいろんな案があったんですけど、ゴミ箱が面白そうだねって盛り上がった記憶があります。


アオキ
それで会話の中で「どうやって引っ掛けるかが難易度高いよね」「机に引っ掛けるってよりは、いっそチリトリになっちゃうなんてどうかな」「しかもそのまま床に置いたらゴミ箱になったりして」とかって、アドバイスしていって。

その時は結局、どうなったんでしたっけ。

TENT アオキ

ケンケン
たしか、ダンボールで試作1号機を作るところまでやって、インターン期間が終了しましたね。市丸くんには「これをもっと改善して、どこかメーカーに持ち込んだら良いのでは?」って伝えた記憶があります。


アオキ
そうだった、そうだった。それで今回、友安製作所さんからホウキとチリトリって話があって「そういえばあのアイデアどうなったんだっけ?」って。


ケンケン
「もったいないから、あのアイデアをベースになんか考えられないかな」ってアオキさんが。


アオキ
たしかに言った気がする。しかも「ケンケンさん描いてみたら」ってお願いした気がする。


ケンケン
そうですね。その時はアオキさんはすでにTRIANGLEを進めていたので、僕の方でその案を検討することになりました。


2.主役と脇役を明確に

アオキ
最初はホウキについてはとくに考えてなかったですよね。


ケンケン
実は最初は、のちに別の製品になるSWINGっていうホウキ専用のチリトリにするつもりだったんです。

SWINGについては
またいつかお話します


アオキ
そうだった!だからゴミ箱の前側にあるハンドル部に、どうやってSWINGを装着するかって悩んでたね。


ケンケン
そうなんですよ。チリトリとして使いたいから小ぶりなゴミ箱にしたい。でもゴミ箱に合わせるとホウキが小さくなってしまう。

当時の試作

ケンケン
どうしたら良いかを散々悩んで、結局それぞれ別々の案にすることにしました。


アオキ
分解してそれぞれの長所を伸ばすという判断。そこがブレイクスルーでしたよね。とくにCANに関して言えば、あくまでチリトリが主役。ホウキが脇役になったことが大きかった。


ケンケン
そうですね。ホウキは脇役って決めたことで、シンプルな小さいホウキを背面に隠してしまうっていう構成を思いつきました。

ケンケン
当初は板金でできたポケットのような部分にホウキを差し込むイメージを描いていたんですけど、ポケットがあるとそこに埃がたまっちゃうってこともあって。

最終的に、背面にマグネットで貼り付けるだけというシンプルな構成になりました。


アオキ
マグネットだから好きな位置に気軽に貼り付けられる。その気軽さも良いよね。

アオキ
ちなみに僕はこのホウキ単体も秀逸だなあと思ってて。まずこのサイズ感と、形のシンプルさ。シンプルだけど愛嬌があるというか。


ケンケン
持ち手部分の形状はちょっと悩みましたね。持ち上げやすくて磁石がつきやすい形状ってことで、円柱を一部削いだような形にしてます。



アオキ
そしてマグネットね。CANだけじゃなく玄関ドアなんかにも貼り付けられるから実用性が高い。貼り付いている様子もかわいらしいし。


ケンケン
想定してなかった使い方なんですけど、事務所の階段にも貼り付けて、階段掃除に使ってますね。



3.二つの役割を満たす細かな検証



アオキ
ケンケンさんは、実際に使ってみて気に入っている部分とかありますか?


ケンケン
僕はCANの持ち手部分が気に入ってます。最初は鉄や木のパーツを検討していたんですけど、最終的にベルトにしていて。

ケンケン
ベルトなので使わないときは引っ込めることもできるし、鉄材との相性も良い素材が見つかって良かったです。

アオキ
ここの素材選びと穴のサイズは最後の最後まで検討を繰り返してましたよね。

検討といえば、上部の角度についても何度も試作してましたね。

こういう紙の試作をいくつも作って
使ってみながら検証を繰り返した


ケンケン
そうです。チリトリとして問題なく使えて、ゴミ箱としても違和感のないギリギリの角度を模索しました。


アオキ
実際にできてしまえばシンプルではあるんだけど、細かい検証が結構必要でしたね。


ケンケン
あと、半円型で壁にピッタリ寄せて置けるので、サイズの割に場所を取らないのが気に入っています。




ケンケン
作業場所の足元などに置いて、ミニゴミ箱として使うのもおすすめです。



アオキ
そうそう、まさにうちの事務所みたいに、大きな作業机があるスタジオみたいな環境では最高だよね。

紙やスチレンボードや段ボール、3Dプリンターのサポート材とか、試作を作る過程で生まれるゴミをサッと投げ入れたり、床にちらばったものを集められるから。

アオキ
BRUSHUPは「さあ、掃除しよう。 新しい世界を創造するために。」って言葉を掲げているシリーズなんだけど

アオキ
CANはまさに、スタジオとかアトリエとか、そういう創造的な空間でも活きる道具なんじゃないかなと思います。


ケンケン
そうですね。いろんな場所で見かけることができると僕もすごく嬉しいです。



アオキ
今日はありがとうございました。


ケンケン
ありがとうございました。



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