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ノラネコシティ観劇の感想(ネタバレ有)

はじめまして。
推しである三井淳平くんのお芝居を観劇することが大好きなセリと申します。
舞台は推しがご出演されている2.5次元を中心に足を運びつつ、普段は読書やゲーム、アニメ、服など色々と雑多に楽しんでいます。

今回、小説が原作である『ノラネコシティ』の舞台の初日〜8日目の計12公演を観劇いたしました。
毎公演とても楽しく、1人でも多くの方に観ていただきたいと思う内容だったので、感想をこちらに記したいと思います。

原作履修済の状態で観劇した一観客として、既にご覧になっている方はもちろんのこと、興味があるけれどどんな感じなんだろう…?という方に対して、ご参考になればと思いnoteを書こうと思いました。
このnoteが少しでも原作を手に取り、ノラネコシティ自体に興味を持ちかけている方の背中を押すことが出来ましたら嬉しく思います。
よろしくお願いいたします。

『ノラネコシティ』とは

まず『ノラネコシティ』ってなんだろうと思われた方に向けて公式から引用します。著者は木崎ちあき先生で、

違法ドラッグと超能力が跋扈する犯罪超過都市――通称『ノラネコシティ』。
その一角で今日もまた、厄介な事件が巻き起ころうとしている……。
犯罪が日常茶飯事のこの街に、あるものを求めてやってきた『黒猫』クロ。
そこで彼が見たものは、特殊能力『Ψ』を持つもの、持たざるもの……軍警が追う『絶対に捕まらない』薬の密売人、新人女優につきまとう『透明な』ストーカー、そして『悩み』を抱えたスーパースター、彼等の視点が交差するとき、事件の真相が浮かび上がる。

https://bslogbunko.com/product/noraneko/

があらすじとなります。
つまり、単なる猫たちのお話ではなく、社会情勢の内容も盛り込みつつ超能力といったファンタジー要素があるお話となっています。
様々な内容が含まれているのですが、とても綺麗にお話がまとまっている点と、鈴木次郎先生のスタイリッシュかつシックなイラストによって、アンダーグラウンドでありつつもどこか洒落た世界観が伝わってくるのが原作『ノラネコシティ』の魅力です。

観劇前

こちらに足を運ぼうと思ったのは冒頭でも述べたとおり応援させていただいている俳優さんである、三井淳平くんがアビーを演じられると発表されたことがきっかけでした。
きっかけ自体は上記が理由なのですが、原作の小説は昔読んだことがありました。
そのため、舞台化されると知ってすぐに「どうやってこの内容を舞台化するんだろう…?」という感想を抱きました。(なお、原作者である木崎先生もそのように思われたとTwitterで呟かれていました。それくらい、舞台で表現できるのかな?って内容でした)

なぜそう考えたかの理由としては、以下の2点が挙げられます。

①原作が小説であること
②各章で各キャラクターに焦点が当たりつつも、点と点が繋がっているという構成 

であるため、(自身が知っている範囲では)他の2.5次元の作品と前提が異なることもあり、どのような舞台になるのか想像が全くつかず良い意味でドキドキしていました。
(あと場所とパイプ椅子にやや不安がありました。)


観劇しての感想

「すっごく面白い!!」が初日の感想でした。笑
いきなりnoteに書くまでもないアホみたいな感想でになってしまうのですが、本当に面白くて、、
原作自体も綺麗にまとまっているのですが舞台もとても綺麗にまとまっていて、ノラネコシティはめちゃくちゃ舞台向きな作品だったんだとびっくりしました…!
また、毎公演面白いを更新していく素晴らしさに感動する日々でした。
最初から最後まで、ネタバレ全開で感想を書いていきたいと思います。よろしくお願いいたします。


以下からネタバレを含めた感想となります。


まず小波津亜廉さん扮するクロ横田龍儀さん扮するアッシュのシーンから始まるのですが、これは原作だと1番最後のシーンに当たります。
その時点でまず、おっ!?となりました…まさかラストを舞台の冒頭に持っていくとは思わないですよね…そこで一気に観客を惹きつけてから、オープニングが始まります。

このオープニングがとっても素敵で!冒頭の会話のシーン→オープニングという流れの盛り上がりっぷりがすごかったです…!
各キャストの皆さま扮するキャラクターが次々と順番におしゃれな音楽と共に登場するんです…!!
わー!!!原作からみんなが飛び出してきた〜!!!!!と終始大興奮していました!
あのワクワク感はどんな年代の方が観ても、とっても楽しいと思います!!端的に言うと、アニメのOPみたいな感じのアレです。(伝わりますでしょうか、これから物語が始まるぞ〜!!っていうあの感じ…)

このオープニングの時点で、各キャラクターの個性がけっこう伝わる仕様となっているのが特徴です。

そしてオープニングでメインキャストさんが登場する際は、ネオンでキャラクターの名前が映し出されます。
このネオンという発想がすごく素敵で…めっちゃ良い!となりました。
ノラネコシティの世界観を名前の表記の仕方からも存分に表現されているなと。
ノラネコシティはどことなくシックで、それこそドーラが働いているバーのあの空気感が漂っているのですが、それがキャラクター紹介でも伝わってくる演出で、、
ほんとあのオープニングを入れてくださってありがとうございますと関係者様にお礼を言いたいです…

原作を読了済&観劇なさった方々はおそらく共感していただけると思うのですが、全キャラクター登場するたびにイメージどおりというか想像以上でびっくりしましたよね、、?
ここまでキャラクター全員が二次元のイメージそのまんまであることってなかなかないと思います…

なので、まずは物語全体との比較の前に各キャスト様で個人的に好きだったところを記載したいと思います。

各キャストさまで特に印象に残った点

小波津亜廉さんのクロは、ノラネコだけれど「只者ではなさそう感」が佇まいから伝わり、ずっとあの手をキープなさっている所も大変そうですが徹底なさっていて、まさしくクロでした。
また、お声の出され方や、他のキャラクター(対アッシュ・対ドーラなど)とやり取りをする際の表情が異なっていて、ドーラに対してはお腹が空いて死にそうなところを助けられたから礼儀正しいけれど、アッシュに対しては面倒だと思っていることが伝わってきました。
クロは飄々としていて一匹狼(一匹猫?)に見えるんですが、それは黒猫として差別されてきたからであって心根は優しいんですよね。
強盗にお金を取らせてあげる人ってそうそういないですよね…いくらあのΨ(サイ)の能力があったとしても、、
そしてお話が進むにつれ、アッシュと関係性が深まったあとは笑顔が少しずつ増えていき、友人No.1が出来たことを照れ臭く思いつつも嬉しそうで見ていてこの2人の関係って良いなぁと改めて思いました。ここの舞台上での描写は個人的に、原作よりもさらに仲が深まっているように感じられました。


次に、W主演である横田龍儀さんのアッシュはスーパースターにも関わらず、人の良さも感じられる雰囲気を纏われている点が素敵でした。
横田さんのアッシュはそれぞれの目で過去と未来が見えるという設定のためオッドアイなのですが、特に目の演技が好きでした。

未来が見えていたにも関わらず大量に犠牲者が出てしまったセントラルパークの現場に居合わせてしまってから行われる、マネージャーさんとの電話のシーンは目が虚ろになっていて、目だけで精神的に摩耗したのだと分かる演技をなされていたところが本当にすごく、双眼鏡で覗き込むのに必死でした。笑
DVDをご購入された方はぜひその目のお芝居に注目していただきたいです。
また、クロが生き返って驚く時のジャンプと驚き方も毎回異なっていたり、Tabby(*1)で強盗を退治した後の掛け合いが徐々に面白くなっていって観ていてとても楽しかったです!


飯窪春菜さん扮するドーラは大人の女性感も含め、原作の表記と本当にそのままで、バーのマスターのとおり、まさしく酔いしれました。
立ち振る舞いがとにかく妖美で、、

また物語が進行する上で変化していくクロへの接し方もとても素敵でした。
最初は邪険に扱うわけではないけれど、夫を黒猫に殺されたという背景からあまりクロを招きたくなかったという雰囲気を出されているのですが、命を助けてもらってからは「ドーラでいいわ」と話しながらの笑顔が心を許したのだととても伝わり、最初のクール美人でややとっつきにくそうな印象から一変して、可愛い雰囲気を纏われているのがすごかったです!!
また、途中のごろつきに絡まれてめちゃくちゃ嫌そうなお顔をされるところや、怪力男に怯えるお姿も魅力的で…
ドーラはとにかく美人!という印象があったので、どのような方が演じられるのかなぁとドキドキしていたのですが、飯窪春菜さんのオーラがすごくてぴったり!でとても素敵なドーラでした。


田中晃平さんのブルースは真面目オーラ出まくりで、ブルースまんまでした。笑
アビーによる運転のスピードに怯えてシートベルトを握るお姿や、ベンやウィッカーシャムと接する際もかしこまっていて、随所でブルースらしさが感じられました。
またカテコでのお話によると、猫は瞬きをしないということを知ってから、ほぼ瞬きをされていないとのことでした。そのカテコを伺ってから改めてその点に注目して拝見していたのですが、本当に瞬きを全然されておらず…
その数少ない瞬きも、場面に合ったタイミングでなさって、そこまで細かいところにまで神経を使って演技されるお姿が拝見していてとても惹きつけられました。
そしてなにより、あの最後のアビーの手を掴む時の表情がとっても素敵で!!
今まで家族を含め、気が許せる関係の相手がいなかったからこそ、あそこまで笑顔になったのだなぁと伝わる表情がとても素敵でした。
回を重ねるごとにブルースとアビーのバディ感が強まっていることがこちらにも伝わり最高でした…!

淳平くんのターンが来ました!!やや長文になります。笑
三井淳平くんの元気で人懐っこいアビーは、お声・表情・動き・纏われる空気等、アビーというキャラクターそのものを体現されていて、初めて拝見した時は元々期待大だったのもあってさすがだ!!と思いました。
個人的にはノラネコシティに出てくるキャラクターの中でアビーが一番お気に入りなので、とても楽しみにしていました。
アビーは、賑やかでよく喋り後輩の面倒見も良い明るい性格な一方、麻薬を使用している者を捕まえる真面目な場面では声も表情も一変し、下手に動いたらすぐに躊躇なく撃ってくるというある意味二面性があるキャラクターなのですが、
それを完璧に演じられつつ、よりアビーが魅力的な存在として昇華されていると一観客(一読者)ながら感じました。
また、淳平くんのお声だからこそという部分も存分にあると思うのですが、「撃つよ」や、「はい、逮捕」で色気も感じられ、、
原作だと「撃つ」表記なのですが、「よ」をつけてあの表情をなさることで淳平くんのアビーの解釈がとても伝わってきました。
またせっかちなことが伝わるシーン(エレベーターでキャラメルを投げる、運転でスピード違反するなど)も原作をさらに楽しく・アビーの性格を分かりやすく表現なさっていて、追いかけることに必死ですごく充実した毎日でした。
淳平くんがなさる演技は、細かい部分までずっと最後までそのキャラクターのままで…最後に舞台から捌ける際もブルースを急かしていてアビーだなぁと思いました!!
見逃してしまった方はぜひDVDでご確認ください!(7月に到着するので写っているのか不明ですが…)


神里優希さんのウィッカーシャムは美人だけどどことなく神経質そうで分かる〜!となりました。
ヘレンちゃんやベンと話すシーンの眉間へのシワの寄せ方や、目の顰め方などがウィッカーシャムで…
台詞等で共感することが一番多いキャラクターだと個人的に思うのですが、また随所に【警護官】であることを気にされていることが伝わる表情が素敵でした。
冒頭のオープニング、ヘレンちゃんを車から出てすぐに守る場面や、パーティー会場での場面が身のこなしが鮮やかで格好良かったです!!
最後の、物語が最高潮に達する救出シーンは音楽も相まって何度観てもあの場面で鳥肌が立ちました。


新井將さんのベンは思わず笑ってしまうくらいベンでした。
お声も体格も想像するそのままのベンです、びっくり。
ウィッカーシャムとの掛け合いやヘレンちゃんとの会話でなされるアレンジ(「どうした?」や「俺の勘〜♪」など)も、キャラの印象を崩さない範囲でなさっていて、細かいアドリブも日々の公演との違いを楽しみにしながら観に行ってました!
また、パーティー会場でのヘレンちゃんが「まぁ素敵ね!アッシュ!」と褒めるところで、ウィッカーシャムのタキシード姿を同じように褒めているのもベンならしそうだなぁと…やりすぎない範囲のアドリブがとても光る方だなと感じられました。
本当にそういう細かい場面のお芝居がDVDで全て収録されて欲しいなと思うくらい面白かったです!笑

新井さんご自身がアドリブがお好きなのかなぁ…?と拝見していて感じたのですが、ベンのキャラクターととてもマッチしていたので楽しく拝見していました。千秋楽の「にゃ!」、とても良かったです…!


北澤早紀さんのヘレンちゃんはまずめちゃくちゃ可愛かったです…!!
キャラクター的にも最もお声と表情の使い分けが分かりやすいかなぁと楽しみにしていました!
ウィッカーシャムに対して【警護官】を見下していることが伝わる表情や声色からの、変な手紙が届いた場面での目が泳いでいる繊細な演技に毎回注目したました。
ドレスアップ姿もとてもお似合いでした。
また、最後のエリザベスに捕まって催眠にかかって操られている場面では、原作だと首を吊ろうとするのですが舞台上では拳銃で自殺を図るように変更されていたため、より催眠にかかっていることが伝わりました。
ヘレンちゃんは、ウィッカーシャムに対して応対だけだと性格が悪そうに見えるのですが、全然そんなことはないんです。
ヘレンちゃん自身、Ψ(サイ)の能力を持っていないからこそ、何の能力も持たない【警護官】を見下した言い回しをしているのだと思います。
そういう背景を考えると、主演を任されたヘレンちゃんは相当血の滲むような努力をしてきたんだろうなぁ…と思います。なので、ウィッカーシャムもお仕事を全力かつ完璧に(むしろ期待以上に)こなしているので、2人はなんだかんだで気が合うのではないかなと個人的に思っています。

美里朝希さんのエリザベスは、アッシュの悩みや相談に優しく寄り添う良きカウンセラーである一方、裏の顔はアッシュへの思いを募らせて暴走するあまり、他者を捨て駒に操るという冷酷さの演じ分け、ヘレン・ウィッカーシャムとの会話シーンがすごく良かったです…!
アッシュはあくまでカウンセラーであるから悩みを打ち明けているだけなのに、それを自分からのことを愛しているから・付き合っているからと勘違いし本人は彼女と思い込んでいる台詞から、下手なことを言うと殺されてしまうかもしれないという狂気・一触即発の緊迫感が客席にも伝わってきました。初見はゾッとして鳥肌が立ったことをよく覚えています。笑 また、初日から公演を重ねることによってより今までの犯行が「愛ゆえに」行われたのだと感じられて素敵でした…!!銃に持ち替えさせて満足げに手を叩くシーンや、最後の軍警たちに捕まって不服そうな表情も最高だったので、またDVDでじっくり見返したいと思います。


各キャストさまのキャラクターについて色々印象に残った場面を書かせていただいたのですが、そもそも推しの猫耳&軍服姿が観られるのはノラネコシティしかない…心の中で思わず五体投地してこの世の全てに感謝していました。


本編の内容と原作との違い

オープニングが終わると、すぐに本編が始まるのですが、本編は基本的にはほぼ原作に忠実な内容となっています。
ですが、舞台だからこそ原作の「会話」がよりリアルで。良い意味で生々しく感じるところもあり、とても見応えのある内容になっていると感じました。(あのユニークで面白い原作を舞台でも分かるようにしつつ映えるよう脚本をお作りになられ、演出なさった久保田さんは天才だと思いました…)

また会話が中心であるため、キャストの皆さまの台詞の声色や空気感などはその日によって変化して行き、キャラクターが「日々生きている」と感じられるのがとても面白かったです。
クロがアッシュとの高級なお店で咳き込んだ時も「小骨が詰まった」と表現されていて世界観を壊さないようにされ、その後アッシュがパーティー会場で「小骨はないよ」と言ったり、ブルースが噛んだ時もベンがツッコミを入れてフォローしたりと、キャストさま同士の助け合いといいますか、フォローなさっているお姿がすごく自然だなぁと思いました。

また、この前の公演ではこのように表現されていたけれど今回はまた違った表現(例えばアビーの取り調べ中の立ち振る舞いや、エレベーターでのおばあちゃんからもらうキャラメルのシーン、物語後半のベンとウィッカーシャムの掛け合い、クロのタキシード姿での服装のチェックなど)がされていて毎公演、そういった細かな違いを楽しめる点も魅力がいっぱいでした!
特に尻尾を掴まれた時やびっくりした時にされる表現は、全キャストさまその日によって飛び跳ね方や勢いなども日によって違っていて見ものでした…!


今回のノラネコシティの公演でnoteを書くにあたり絶対お伝えしたかったのが、原作と同様に全てのキャラクターが主人公となっている点です。

一般的に物語は主人公が存在し、その主人公を中心に話が進んでいくと思うのですが、このノラネコシティは全キャラクターがかけがえのない存在で、1人1人が主役だと感じられる演出となっています。
アンサンブルの方々の役(例えばアッシュのカウンセラーのエリザベス、ウィッカーシャムの上司に当たる警護局の局長、アッシュのマネージャーなど)キャラクターの背景や人柄などをいろいろと想像できるようになっていて、改めて原作の面白さと脚本の素晴らしさを感じました。
全キャストさまの演じ分けがめちゃくちゃすごいですし、アクションも格好良かったです。

冒頭のオープニングのアクションの場面では、アンサンブルの方々が何公演か重ねてから「くそっ」などお声を出されるようになったこともあって、より軍警VSごろつきたちの構図に深みが増していると思っていました!
個人的には特にカウンセラー役の美里朝希さんの怪演が好きで癖になっていました。笑
アッシュの恋人と思い込んでいる狂気的な感じがお芝居から伝わってきて、現実でも実際にそのような人っていそうだなあと感じました。


これは観劇なさったみなさんが思われることだと思うのですが、ノラネコシティでは(アンサンブルの方々が演じられているキャラクターも含め)様々な性格や背景を持ったキャラクターが出てくるので、このキャラクターのこの部分は自分とそっくりだとか、このキャラクターのこういう所を見習いたいなぁなど、
自分にも当てはまる・当てはめて考えることが出来る点が「ノラネコシティだからこそ得られるもの」が観劇の楽しみとしてあると思います。
自分自身もアビーのせっかち具合や、ウィッカーシャムの「持たない者」である点(ひたむきに努力をする点は見習いたいです)など当てはまってるなぁと思うところが多々ありました。


超能力が出てくるし猫耳姿だし、いわゆる非日常のお話ではあるのですが、お話自体はキャラクターに焦点を当てつつ進行していくのでとても親しみやすく、良い意味で刺さる言い回し(ウィッカーシャムに共感できる方や、アンサンブルの方々のキャラクターに共感される方もいらっしゃると思います。)もあります。
そこが、2.5次元作品と言い切るのは違うかもと思える舞台 ノラネコシティこそが持つ魅力だと思います。

冒頭で記載した②の点や、これは演出上どうするんだろうと思っていたΨ(サイ)の能力を使用するシーン(原作だと目が徐々に黒くなってから能力が発動するとなっているのですが、舞台上だと後ろの座席だと見えない&目を徐々に黒くするのはほぼ無理)、ヘレンちゃんのシーン(首吊りをしようとする場面なので、舞台装置がそもそもあるのか、変更するとしたらどのように表現されるのか)等も舞台用に違和感なくアレンジされていたので、
そこも違いを楽しむことが出来るのが原作と舞台を見比べる醍醐味だなぁと実感しました。

そして、あの車の運転シーンでの視点の切り替え方を(今まで私が舞台をたくさん観たことがないのもあるかもしれませんが)初めて観たこともあり、非常にユニークだなぁとなったのでとても楽しかったです!!
運転シーンでは、アビーはスピード狂なので前が進まないとすぐにイライラして「おっせーよ!」や「早くしろよ」と言ったりしながら足をイライラさせたり、運転途中でドアを開けてアッシュのポスターを見たりするのですが、ウィッカーシャムはヘレンちゃんと会話をして険悪なオーラが漂いつつも、最後まで丁寧に運転されていました。


ノラネコシティの物語の世界は、犯罪が当たり前・薬物中毒者が蔓延る、いわゆる治安があまり良くない場所(それこそ会場周辺みたいな感じ)なのですが、クロやアッシュをはじめ全員が生活している世界が実際どこかにあるのではないかと思うくらい、
キャストの皆さま全員の原作の再現度と、さらにキャラクターがより魅力的に感じられる演技が本当にすごく、パイプ椅子もそこまで気にならないくらい125分があっという間でした、、

また、公演が折り返してからはアドリブの追加によって、クスッと笑える場面もたくさん増えました!!笑 
みなさまの掛け合いも初日と比べると、私が言うまでもないのですが、キャラクター同士の会話の空気感をさらに纏われてよりパワーアップされているなぁと感じました、、(舞台観劇初心者にも伝わってくるくらい、みなさまが楽しそうに演じられていました!!)

原作を読んだことがない方も気付けばノラネコシティの世界にどっぷりと浸かること間違い無しなので、ぜひ少しでも気になる方はDVDをご購入いただき観ていただきたいです!
個人的には前情報無し(未読)で観劇→原作を読む→再度観劇 の流れが原作と舞台での表現の違いを確認することができて、存分にノラネコシティの世界観や舞台ならではの良さを味わえる楽しみ方だと思うのでお勧めします!
未読の状態で一度観ただけだと理解がもしかしたら難しいという方もいらっしゃると思うので、もしDVDが初見となる方は最低2回は観ることをお勧めしたいです。


そしてカテコのご挨拶、各キャスト様によって個性が全面に出ています!
本当に仲の良い座組によって形作られた舞台だなぁと日々実感するくらい、楽しそうで…!
演じられる上での裏エピソードなども聞けたり、思いを感じ取ったり出来るのは生の舞台だからこそだと感じました。公演期間中にお誕生日を迎えられたアンサンブルの加納さんのお誕生日をみなさまとご一緒にお祝い出来たこともとても良い思い出です。

今後期待すること

本当に面白かったのでどうか舞台をきっかけに、続編を出していただけないかなぁと切実に願っています…!みんなの今後を見守りたい!!
アッシュとクロの一風変わった組み合わせを見守るドーラ、アビーとブルースの凸凹バディ、ウィッカーシャムとベンの関係の変化、ヘレンちゃんの女優活動とウィッカーシャムとの関係、カウンセラーさんの今後などなど全部が気になって仕方ないです。
これからさらにキャラクターの関係性が深まっていくと個人的に思っているので、続きを見たくて仕方がありません…。
木崎先生、関係者の皆さま、お忙しいところ恐縮ですがお願いいたします…!


終わりに

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。今まで観劇を全然しておらず舞台に通い出したのは今年からであるためこのnoteも拙い内容だと思いますが、少しでもご興味を持っていただけたら嬉しいです。
全12公演、初日から最後までキャストの皆さま・スタッフの方々全員が病気やお怪我等もなくご無事で、笑顔で千秋楽まで駆け抜けられたお姿を拝見できたこと、心から感謝しております。
素敵な舞台に出会えてよかったなぁと毎日楽しませてくださり、また新たな気づきや考えを与えてくださりとても幸せな日々でした、改めてありがとうございました。

p.s.
まだご存知でない方はぜひ読んでいただきたいのですが、木崎先生によるサイドストーリーはこちらから拝読できますのでぜひご覧になることをとてもお勧めします!!また、木崎先生の舞台観劇のご感想等はInstagramやnoteにも記載されているのでチェックなさることを推奨いたします。


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