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25年前の鴨川くんからの手紙。20230127fri212

793文字・20min

サクッと書く。

小説を書いていたが、いまはマンガの原案を書いている。
落選はほぼ確実だ。それは《悪役令嬢モノ》の公募に《冒険ギャグマンガ》を書いているから。少女コミックに恐怖マンガで応募するようなものだ。

自分のプロット制作の訓練(20話のつづき話を20日で仕上げる)では鍛えられている。

本題。
1998年にぼくは田舎から東京に出、始めたバイトの一つにイベント警備がある。幕張メッセや東京ビックサイトでやる宝石イベントやゲームショウや東京モーターショウ。そこで鴨川くんに出会った。
彼は学生だったかは忘れた。
赤ら顔の一重と細身で声高だった。
彼はマンガが大好きで、色々なマンガをぼくに教えてくれた。
ぼくは自分が某大学の文学部だというと
「これからは、マンガの時代だぜ。文字の表現よりもマンガのほうが自由で可能性がある。とぼくは思うんだ」

文字の自由さは『すでに描かれ、規定された画や色では表現しきれないところ』にある。いまでこそわかるが、当時の19歳の青二才のぼくは他者に説明するなどできなかった。

「このバイトで金貯めてイギリスに行く。色々見てくる。住所教えてくれ。向こうからハガキを送るよ」
ぼくは横浜の住所を教えた。

本当に横浜にイギリスからハガキが届いた。

写真のハガキだから送り主の所に文がぎっちりと書いてあった。細かな内容は忘れたが、文の最後は覚えている。
「こっちは何もかもが素晴らしいんだ。君も海外を絶対に見ておくべきだ」
なんどよんでも元気が湧く。そんな彼らしい文だった。

ぼくは文を書くときに自分に挑戦を設けている。
『せっかく文で勝負してるんだから、おいそれと簡単にマンガ化や映像化できないような文章を書いてやる』だ。
確かに、文章教室や小説講座で「読者に伝わる文章」を習う。
それと文章の可能性は二律背反だ。

あなたは象を想像してはいけない

読んだ読者が象を想像してしまうように。



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