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400字日記(リニューアル版)

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400字日記をリニューアル 日記に通底するテーマ 「すべては作家人生のために」 400字に入れること➡︎日々に見た感じたもの(具象) 四百字をどのような形式で見せるか? ➡︎「第…
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丸山健二先生に宛てたメール(後編)20240417wed(398字)

丸山健二先生の「魂」を「丸山塾」で一子相伝で受け継ぐ。 じぶん固有の文体を作り上げる。作家としてこれは非常に困難な作業です。 才能とは己の欠落を補強する力だと思います。 では才能はどこにある?  才能はそもそも存在しない。そう思います。 (才能については割愛) 数年前、鉄道旅行にて。 秋田駅のホームでぼくは盲目の女のステッキで躓いた。 「あっすみません」  と小声をだしたつもりでした。が、 「ぎゃっ」  と彼女はぼくの声に反応して悲鳴をあげた。 このときぼくは思った。女は盲

丸山健二塾第三回(文章をドラマチックに書く) 映像は有料

5770文字・15min ■□■□■□ ◉前回丸山健二先生の改稿: 重油の匂いに溢れかえった浜。黒い波が寄せては返す。 カモメの代わりにカラスが群れている。 陽光が虚無を放っている。 風が踊り狂っている。 辺りには人っ子ひとりいない。 いや、誰かがいる。 娘だ。 そうではない、少女だ。 穢れた砂の上に横たわっている。 全裸だ。 僕はひざをつく。まじまじと顔をのぞき込む。知らず知らずくちびるに迫っている自分に気づく。 気配を察した少女は肩を小刻みに震わせる。 「寒いか」と訊

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なぜ文章が失敗してしまうのか? / 文章レッスン(基礎講座)

3371文字・20min 稚文をさらすこのぼくが先日文章教室をやりました。 相手の属性は年齢43歳で女性です。 KYさんとしましょう。 文章は原爆に関する文章でした。 ということはこれは本人の目撃シーンではない。 文章の原型なる「風景」はある人から「伝聞」で聞いたそうです。 ■□ 爆心地 原文) あの時、爆心地の真上の空では、核爆弾が閃光のように、眩(まばゆ)い光とともに炸裂した。爆心地の近くの地面には、原爆で焼かれ、生きたまま彷徨い倒れて、死屍累々と積み上がって死

「もっと上手く書ける」@日記から抜粋コラム

700文字・12min ■□ 四月六日(土)晴れ。 作家の境地について。 じぶんが「ある境地」に達した。 先日、それを感じた。 きっかけは丸山健二先生のことばだった。 「自分が作家として世に出ることは捨てなさい」 作家で生計を立てると決意した人間に対して残酷な一言だった。 昨日、野原綾さんの記事のやり取りをして、改めて村上春樹について馳せた。 「だれに向かって書くのか? 」は作家の大命題だ。 数年ぼくは商業作家でデビューをする前提で書き続けてきた。 先月のある日、突然ぼ

お返しの記事(読書と書物について)

3588文字・34min ぼくは基本、パソコンもケータイも画面もディスプレイカラーを反転させています。これは京都に住んでいた時分の設計士の友人に教わりました。設計士はいまはデスクでCAD作業です。立体の橋、教会、タワー、図書館、家などを無数の線で白地に黒線で書き続ける。やはり目が疲れるそうです。 執筆も基本はおなじです。 僕はディスプレイを黒地にして文字は柔らかいオレンジや青色などにしています。 さて、野原綾さんの下記の記事にて  ぼくのnoteでは村上春樹さんの作品

小説らしい文章って何だろう?20230404tue285

255+1999文字+α・45min  記事は前後する。風邪を引いたらしく風邪薬を飲んで寝た。深夜に起きて、書きたい気持ちがあって冒頭をいじっていた。推敲といえば推敲だが、これは採用はない気がする。泉鏡花だとか昔の宇治拾遺集だとか川端康成だとか村上春樹さんもそうだけど、ちょっとそういう「物語」を書く作家になりきって書いてみようか。と思ってぼんやりと書き始めた。  すると、そういうふうな文章が勝手にするすると浮かび上がるのが不思議な感覚だった。ある意味、別の何かに成り切る。他

京都の定宿で綾子と再会FB / 202303311sun264

前記事のFB(フィードバック)。 ■シーンが浮かんだきっかけ=? ■シーンが浮かんだ(書いた)順 橋で《綾子=決定》に告白するシーン(最終的には回想シーンに)。 《綾子》は大阪弁?=《僕》の地元は大阪弁?を話す田舎町に。 現在のシーンを書く=冒頭のホテル=《僕》は小説家? 回想。白い小箱が登場。『告白』で『指輪(伏線)』をプレゼント。 回想シーンは高校の卒業式の日に決定。 過去の『告白』の伏線(指輪)を回収する仕掛け=過去の《僕》小説家になった《私》が「いつも

京都の定宿で綾子と再会。202303310sat263

京都の定宿で、私は遅く起きて座机で仕事をしていた。 しだいに筆が走る。今日は調子がいいと思った。 部屋に仲居が入ってきた。それから座敷の掃除を始めた。いつも仲居はこの時間は私の執筆の邪魔はしないはずだ。私の筆は止まった。 「ザッとでいいですよ。まだ数週間は泊まっていますから」 私は振り返らずに言った。早く部屋から出て行ってもらいたかった。今日の仲居は新人のようだ。 私がイライラしているところ、後ろから肩を叩かれた。 「これ、返したるわ」 綾子だった。綾子は白い小箱を、私の胸

日記、次のステージへ。(一年の復習編)202303310sat262

◯◯文字・◯◯min 今日からぼくは字数の制限はやめる。 今まではタイムを書いてきた。 それはぼくが書きあげた目安だ。 では今日からの日記は具体的にどのような移行になるのか? 上の四行は、今までにぼくが学んだ文章の書き方だ。 文章の書き方についてぼくは下記のことしか学んでいない。 ・短文で書く。 ・文章は時間の流れ通りに《字》が出現する(後で説明する)。 ・表記(ひらがな6、漢字2、カタカナ2)のバランスを考える。迷ったら記者ハンドブックをひらく。 ・主語は省略しない(四

800文字日記/20220531tue/084テーマ「危険な道草」046(修正前)

一九八六年。小学四年生。朝は集団登校だった。園児や一年生を真ん中にして列になって歩く。帰りは家が近所だった根岸蓮とよく一緒に帰る。一人で帰る日は半時間、早いと二十分で家に着く。僕はよく道草をした。道草に夢中になると帰りが二時間も三時間も掛かった。 秋。僕は毎日一人で帰った。マイブームだった。北門を出て、幼稚園を左手に見、住宅地を抜ける。空き缶一つ蹴らずに歩く。昨日より早い。さらに早足になる。左に田んぼが広がる。田んぼに沿って走る農業用水路は枯れている。この時期、降りて遊ぶ。

800文字日記/20220416sat/046テーマ「老いた顔と手」010

自分の顔を鏡で見る。自分の老いと醜さに驚く。頭はバリカンを当てゴマ塩だ。右目が潰れていて血が混じる。向かって右の上まぶたに二つと下まぶたに一つ脂肪を含む疣(いぼ)が突起する。上まつげは長いが色が薄い。左眉のなかに薄茶色のホクロがある。メガネのパッドがいい加減な角度で鼻梁を挟む。奥歯を強く噛むクセがここ何年も続き、下顎の奥の関節を動かすスジと筋肉が隆起する。頬と顎が二段腹に見える。 顔を左右に振って見る。頬骨より外側の肌に茶色や焦茶色が染みた老人斑が散見される。が、引きこもり

800文字日記20220415fri045テーマ「三枚の写真」009

朝から鬱(うつ)が重く夕方までもだえる。起きる。猫にカリカリをやってある。音楽をつけ掃除をはじめる。外は雨雲、陰鬱だ。冷蔵庫をあける。空だ。食べるものがない。ロードバイクを担いで外にでる。 峠をまわって買い物をして家にかえる。洗濯機をまわし、シャワーを浴びる。壁に貼られた二歳の時の娘の写真をとる。机に座る。猫が膝(ひざ)にのる。三枚のうち一枚は中国の南京で二枚は東京の同所で撮られたものだ。三枚とも皮財布に入っていた。横5cm縦7cmに切られている。角は擦(す)れている。

800文字日記/20220414thu044/テーマ「シャワー、性器」008

腹に猫がのる。起きる。7時。外で車が水を弾いてはしる。雨だ。体調が悪い。腹に猫が乗る。猫と目が合う。猫をどかす。「猫を観察する」枕元のメモ紙にかく。掃除を始めると猫がはしゃぎまわる。「観察方法をかんがえる」机のメモ紙に書く。汗ばむ。服を脱ぎ浴室の扉をあける。 シャワーを浴びる。レバーが提げられる。水垢で黒ずんだシャワーヘッドの穴からいきおいよく熱い湯が後頭部に浴びせられる。目をつぶったまま右手で温度を調節する。瞬(またた)く間にバスルームは水蒸気で白くなる。湯は、頭の上から

800文字日記/20220413wed/043テーマ「鬱、猫のメモ」007

鴉(からす)の鳴き声で目覚める。七時。ひどいウツだ。昨日、ネットで荒らしにあった。それがフラッシュバックになってうなされる。寝る。芝刈り音で目覚める。十一時。枕元のメモ帳に色々書いてある。「綿谷ノボル、綿矢りさ、インストール、顔が見えないネット掲示板、自分を見失った憎悪、2ちゃんねる。ディスりの文化、SNS、LINEのグルチャ、自己顕示欲、承認欲求症、note、言葉を使って他者を攻撃するのは人間だけ、言葉で人は死なない(憤死は別)。自然は命の奪(うば)い合い、歯磨きをする描写