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蒼龍 葵
2024年7月5日 15:12
←前(第5話)へ ★ マガジン第6話 「これって病んでる?妹降臨」「ただいま……」 久しぶりに身体を動かした俺は肉体的も精神的もボロボロだった。 当たり前だが、3年間のブランクは現役バリバリの後輩に勝てる訳もなく、俺は帰宅する足が鉛のように重かった。むしろ家に入る事すら躊躇われた。 でも、正直頑張ったんだ。1セット取ったし。 3年間だぞ、3年! ブランク
2024年7月5日 18:01
←前(第6話)へ ★ マガジン第7話 「妹がヤンデレ疑惑なんですけど」「忍~聞いたぞ。お前、柿崎ちゃんに喧嘩売ったんだって?」 友人の雄介がニヤニヤしながら俺に話しかけてくる。 1週間後に迫ったリベンジマッチの所為で、ただでさえ俺は朝が弱いのに、何と2時間も早くから麻衣にケツを叩かれ、無理やり起こされる日々が始まった。内容は3キロの走り込みと、公園での素振りと
2024年7月5日 20:59
←前(第8話)へ ★ マガジン第9話 「決してお漏らしではないっ!」 俺と柿崎ちゃんの羽球大会は意外なところで盛り上がりを見せ、俺は生まれて初めて後輩に《放課後校舎裏に来て下さい》と呼び出された。 ラブレター? こんなものを貰ったのは人生初めてだ。可愛い便箋に書かれたその文字を見つめて感涙全開になる。「あれ、忍。まさか後輩ちゃんからの告白?」「んっふっふ
2024年7月5日 21:34
←前(第9話)へ ★ マガジン第10話 「据え膳なのに食べられません」「弘樹……俺の悩みを聞いてくれ……」「ど、どうした田畑……」 ここ2日程、全く眠れない夜を過ごしている。それも、全て麻衣がおかしくなってしまった所為なのだが。 このままだと、俺は不眠症で死んでしまう。いくら学校の授業でコソコソ眠りを確保しても全然足りない。育ち盛りの子供はしっかり寝ないと
2024年7月6日 07:58
←前(第10話)へ ★ マガジン第11話 「救済企画が消滅しました」 俺は人生で初めて告白をされた。しかも俺の羽球を見てくれた可愛い後輩に、だ。 これから始まる夢のような青春を妄想していたら、何と夢精してしまったらしい。何がヤバいって、その醜態を妹の麻衣にバレてしまった事が一番最悪だった。 もしも、あの時の事がバレずに今も花音ちゃんとお付き合いしていたらどうなっ
2024年7月8日 07:45
←前(第17話)へ ★ マガジン第18話 「妹 VS 彼女候補」 麻衣が俺を避けて離れるようになった。 あいつは元々感情の起伏が激しいので、ある一定期間俺の事を完全拒否するのは仕方がない。これはもう反抗期再来と諦めている。 ベネット骨折から6週間ピンニングしたまま、その後2ヶ月間外来でのリハビリを行い、麻衣は再び羽球が出来る身体へと復活した。 元々利き腕と
2024年7月8日 13:07
←前(第20話)へ ★ マガジン第21話「甘すぎるショートケーキ」 先日、麻衣と栞の羽球対決で勝利を収めた栞は、俺に勉強を教えて欲しいと言ってきた。 自慢じゃないが、俺は英語だけ得意だ。雄介なんて「お前、スポーツバカじゃないのか、詐欺だ!」と罵ってくる。友達なのに酷い話だ。 栞はガチでスポーツ脳らしく、次の期末テストが相当やばいらしい。学校が違うので出題範囲は分
2024年7月8日 15:53
←前(第22話)へ ★ マガジン番外編 Side麻衣「お兄ちゃんを取られたくないもん」 私の兄貴──忍はよく女からモテる。 身長は170センチくらい、少し痩せ型だけど羽球をずっとやっていたから程よく筋肉で引き締まっている。とにかく人を笑わせたいらしく、いつも忍の周りには男女問わず人がいた。 中学2年まで続けていた羽球を突然引退してからの忍は帰宅部だ。さも自慢気に