フィルムカメラに思いを馳せて その3:Zenzabronica S2
S2(エスツー)の逆襲 -目指したあの夢を掴むまで-
はじめに
ある男性がいました。
男はカメラをたいそう愛したそうな。ライカ、コンタックス、ローライ…。舶来から国産まで、あらゆるカメラを集めたと。しかし、そこには男が夢想するカメラがなかったそうです。世の中に出回っているカメラでは、いつまで経っても自分の「夢(イデア)」にたどり着かない――そうだ、自分の理想のカメラを自分で作ればいいんだ――
男の執念のなせる業なのか、はたまた運命なのか。
開発者の名前を冠したブローニーフィルムカメラ、ゼンザブロニカが生まれた、と言われています。
初号機であるD、普及機であるS2、EC、645化したETR。いずれも名機ですが、今回はその中でも、汎用性も高く(比較的広い沼でもあるし)、市場に未だ出回っているS2について紹介したいと思います。
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