見出し画像

おはこ札

買い物に行く途中、今は取り壊し最中のコンビニの裏にムベの実が成っているのを見つけた。アケビの仲間らしい。ムベは昔は食べたけれど、今は食べないとネットで調べると出てくる。

百人一首の中の「むべ山風を」は私の子供の頃のおはこ札だ。もう一つのおはこ札は「あしびきの」だ。山どりの尾のしだり尾というのが気に入っていて、だから枕詞の「あしびきの」も親しい枕詞だ。「むべ山風を」の「むべ」とこの実がなっている「ムベ」とは違うけれど、むべというとそれを思い出す。

百人一首のおはこ札を持っている人は多いのではないかとおもう。好きな札は人に取られまいと頑張ってしまう気持ちも懐かしい。
そういえば、大人ばかりになって百人一首もしなくなったなと思う。子供の頃は暇な時、きょうだいでよく百人一首で遊んだ。だから札もぼろぼろになったし、札が入っていた箱もボロボロだった。そういえばあれはどうなったのだろう。

現在の百人一首の他に、和歌によって札を取るものはあり、また歌を書いていなくて絵だけ描かれている、例えば貝覆なんかも、同じようなジャンルのあそびだろう。蝶番を真ん中にして右がわが地貝、左側が出貝。源氏絵が描かれているものが多いかなあと思う。

地貝をまんなかにぐるりと丸く伏せて置き、真ん中の空いたところに出貝を次々に伏せて出していき、地貝を持って同じ絵だなとおもう出貝をすくうように出貝を広いあげ、ぴたっと合えば同じ貝。あったら絵を確認するとういような遊び方だとか。

小さい中に源氏絵ならどの場面が描かれているのか、小さく美しく描かれている絵を見るのも楽しいものなのでしょう。私は美術館で展示されているものを眺めるのみだけれど。

札をとる和歌の遊び伊勢物語バージョンも結構見ることがある。これも、どの場面か絵を見るのが楽しい和歌の札。私が子供の頃遊んだ百人一首は歌人が描かれているものだったけれど、こういった物語の一場面が描かれているものの方が見て楽しいなと羨ましく思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?