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私は独身偽装されて妊娠しました。

嫌がる相手を脅して無理やり性行為をするとレイプになる。

また、脅さずとも「YES」を聞かずに行為に及ぶことは、
条件によっては「不同意性交」となり、
今後は性加害を行なったとして刑罰対象になる可能性がある。

強制性交罪を不同意性交罪に 刑法改正案 衆院法務委で可決

最近、話題になっている「性的合意」にまつわる話です。

では、もし。
相手が本当は既婚なのに「独身」だと嘘をつき、
あなたに近づき、関係を持った場合。
これは「合意」が取れた性行為、だと言えるのでしょうか?


私は3年に渡り、アプリで知り合った妻子持ちに「独身」だと偽られて関係を持ち、妊娠しました。今年の8月に出産を予定しています。


妊娠〜独身偽装発覚まで。

(現在、相手に対して損害賠償請求を行っている為、
詳細は省いてお伝えする形を取らせていただいています)

私の妊娠が発覚したの昨年の12月末。

既婚の事実はまだ知りませんでした。

妊娠を伝えると、様々な酷い言葉で中絶を迫られました。

私はショックで取り乱し、起き上がれないぐらい精神的に追い込まれた状態で産むか中絶するかを考えました。

年齢的にも、子供を産む最後のチャンスかもしれない。
そして、そんな言葉をかけられても、まだ私の中には相手の事を好きな気持ちがあり1人でも産むことを決意しました。

しかし、精神的にも体調的にも全く安定しないまま妊娠12週目になり、
様々な経緯があり、段々と彼に疑いを持つようになりました。

相手のインスタグラムのフォロワーの投稿を調べた結果、
実は妻子持ちであることが判明しました。

発覚後に彼を家に呼び出し事情を説明させました。
何を聞いても彼の言葉を信じることが出来ず、自分の目で事実を確認したかった為「妻と話をさせて欲しい」と私は迫りました。

彼は「まず自分から話す」と帰宅。
そして翌朝に「妻と相談した結果」と先に代理人として弁護士を立てられました。

私も代理人を立て慰謝料、認知等を請求しました。

それに対する回答からは全く謝罪の意を感じられない、あまりに酷いものでした。私が「脅迫した」「ピルを飲んでいると嘘を言った」等の嘘の主張もありました。

その後、私がたまたま相手の妻にSNSで接触する機会がありました。
そこでのやり取りから、相手が妻に話したのは全くの嘘だと判明。

相手は帰宅後はいつもの家庭生活に戻っていました。

私がまだ悪阻も辛い中、精神的に追い込まれ体重も激減。
毎日死ぬことを考え、泣いて過ごしました。

1人の友人を除き、誰にも話せませんでした。
眠れない毎日を過ごし、薬を飲みながら、生活の為に泣きながら仕事をする地獄のような毎日を過ごす中、

相手は仕事に行き、自分がした仕事の宣伝をし、家族と旅行をし、映画やスポーツ観戦を楽しんでいたようでした。

しかし、妻との接触により私が「秘密をバラした」と、さらに私は罪を擦りつけられ、慰謝料も取り下げられ胎児認知も拒否。
出生後に(全く意味のない)DNA鑑定も求められています。

実質交渉決裂と見て、今は裁判に移行予定です。


独身偽装は、刑罰対象にはならない。

独身偽装は、現在の法律では刑罰の対象になりません。

騙されて関係を持った場合は相手を「貞操権の侵害」で民事で訴えることになります。

「貞操権」とは
『「誰と性的な関係を持つか」を自由に決めることができる権利』のこと。

独身だと偽られた=既婚と知っていれば性的な関係には至らなかった相手と嘘をつかれて関係を「もたされた」為、貞操権を侵害された、という事に該当します。

慰謝料の相場は50万円〜300万円程度の場合が一般的です。

結婚の約束をしていたり、私のように妊娠をしていたりする場合は、その範囲では高額になるケースは多いですが、そうでない場合は弁護士費用と相殺程度になる場合もあり、泣き寝入りする被害者が多くいるという現実があります。

また、訴えられること自体を知らずに、逆に相手の妻に存在を知られてしまい、夫が「独身偽装」しているとは知らない妻から慰謝料を請求されたり、
謝罪を要求されて飲んでしまう人もいます。

裁判をしても報われない想い。

私は現状、相手との示談交渉は決裂しているとみて、
裁判に移行する予定です。

上記でも説明した通り、独身偽装による貞操権侵害の裁判をしても、
獲得できる金額は決して高額ではありません。
3年間騙し続けられて妊娠して不誠実な対応で逃げられた私に、
数100万程度のお金が価値のあるものとは思えません。

さらに、裁判をする事で相手の更なる反論を聞き続ける事になります。

調べる限り、定番の反論としては「既婚だと気づくはずだった/知っていたはず」などで、巧妙に嘘をつかれた私が「騙された自分の過失」をひたすら問われる辛い数ヶ月間を、(頼れる実家もない為)全く1人での初めての子育ての傍らで経験しなければいけません。

金銭的にも精神的にも、損得で考えると圧倒的に損の方が多いと感じています。

私が欲しいのは数10~100万程度のお金ではありません。
裁判に費やす時間を、寝ずに働ければ、それぐらいのお金は手にすることができます。

相手から、一度でいいから、
心からの謝罪をして欲しいと思っています。

しかし相手の態度からは、謝罪どころか、反省の気が微塵も感じられずにいます。

私の時間、人生、気持ちを無下にしたこと。
そして何よりも子供の命を、自己保身の為に消そうとしたことを、
心から謝ってほしい。

だけど、それを得られない今はもう裁判をするしかありません。
私の言葉は彼には届かないのでしょう。

だったら司法の力で、
弁護士や、裁判官、そこで書かれる書面と審判を通して、
自分のしたことの「表面」だけでも感じ取ってくれたら。

また、
裁判を経験し、その厳しい現実を皆様にお伝えするだけでも、
少しは意味のある事になる・・・
その想いだけを支えに訴訟への移行を決めました。


独身偽装の刑罰化を強く望みます。

今年の3月に、性犯罪の規定を見直す刑法改正案が国会に提出されました。改正案の中で注目されているのは不同意性交等罪。

2023年5月26日には衆議院法務委員会で採決が行われ全会一致で可決され、今夏の国会での成立を目指しています。

今まで「暴行・脅迫」による性行為のみが「レイプ」とされていたものの定義、性交同意年齢や、時効の期間が見直されます。

不同意性交罪の成立要件は以下。

①暴行・脅迫を用いた性交等
物理的に暴行を加えたり脅したりして、無理やり性交等を行う場合などです。現行法では、強制性交等罪になります。
②心身の障害を用いた性交等
相手に障害を与えて性交等を行う、または既に障害がある人に性交等を行う場合などです。
現行法では準強制性交等罪になります。
③アルコール・薬物の影響を用いた性交等
酩酊状態にさせて性交等を行う、または既に酩酊状態にある人に性交等を行う場合などです。
現行法では準強制性交等罪になります。
④睡眠その他の意識不明瞭を用いた性交等
意識を不明瞭にさせて性交等を行う、または既に意識が不明瞭な人に性交等を行う場合などです。
現行法では準強制性交等罪になります。
⑤同意しない意思の形成・表明・全うするいとまがない状態
相手の気を逸らしたり、他のことに集中したりしている時に、不意打ちで性交等を行う場合などです。
⑥予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕させた性交等
行為を持ち掛けられた状況などが予想と異なり、同意しない意思を表明できない被害者と性交等を行う場合などです。
⑦虐待に起因する心理的反応を用いた性交等
身体的虐待や性的虐待、他者への暴行を見せるなどの心理的虐待を用いて、性交等を行う場合などです。
⑧経済的・社会的関係上の地位を用いた性交等
上司と部下という関係性に基づく影響力による不利益(自身の人事評価等)を気にして、抵抗できない場合などです。

刑事事件弁護士アトム https://atombengo.com/column/27279

さらに以下のように「誤信させた状態での性交」も含まれます。

相手が誤信している状況での性交等
行為がわいせつなものではないと誤信させたり、行為をする人を別人だと勘違いさせたりして性交等を行っても、不同意性交等罪に問われます。

刑事事件弁護士アトム https://atombengo.com/column/27279

私はこれを読んで思いました。

独身偽装をすること=不同意性交なのでは?

断じて言いますが、私は、
もし彼が既婚だと知っていたら「一度も性行為」をしませんでした。

それは、
既婚者との性行為を私がしたくないからです。
私が望んでいない、嫌な、「合意の取れていない行為」だからです。


独身偽装をされて体の関係をもたれること。
これは、まさに

「不同意性交罪」の一つではないでしょうか?


独身偽装の実態はまだまだ世間に知られていません。

仮に知っていたとしても「独身と偽って関係を持つこと」を、
不倫・浮気のパターンの一つだと軽く考えている人が非常に多く、
「そうすれば既婚でも独身の相手と関係を持てる」
という浅はかな発想から嘘をつく人が非常に多くいます。

また、配偶者側でも不貞を知った際に「相手が既婚と知らなかったようだ」と簡単に説明しているSNSの投稿をよく見かけます。

中にはただの怒りから、騙されたとわかっている側にあえて嫌がらせで慰謝料を請求しているような信じられない例もあります。


する側、また、その配偶者から見ると、ただの「不貞」の流れの一つかもしれませんが、被害者側の意識は全く違います。

私のように、妊娠した人も多く、それ以外にも、長期に渡って交際し、婚約までされた人、同棲したり、子作りまで持ちかけられた人、バレた後は恐喝や嫌がらせをされた人、さらには名誉毀損や脅迫で逆に訴えられた人、、、
SNS上で私は様々な被害女性と出会いました。

彼女たちの大半は、20~30代の適齢期の数年間を無駄にしてしまい、一生心に消えない深い傷を負っています。

それなのに、それに報いてくれるような法律がありません。
唯一できる手段として、訴えを起こしている人も、その交渉・裁判の過程で非常に辛い思いをして消耗していきます。

私含め被害者たちの心を救うために、まずは独身偽装の被害の実態を皆さんに知ってもらいたいです。

そして、今夏に成立を目指す「不同意性交罪」の成立要件に、
独身偽装をすることも組み込まれ、明記され、
きちんと「性被害」だと認識されることを望んでいます。

それが、私たちの深い傷を少しでも癒し、
このような思いをする人を1人でも減らす事に繋がればと思います。


【メディア関係の方へ】
独身偽装の実態をもっと世に広めて下さるTV、新聞、Webメディア、ラジオ、podcast、youtube等発信者の方がいましたら、積極的に取材に協力致しますのでtwitterへDMをください。

尚、裁判進行中につき顔出しや相手の個人情報の提供はできませんが出来る範囲ではお話しさせていただきます。また、被害に遭われた女性達の心の傷はとても深刻です。興味本位や面白おかしく傷口を抉るような発信の方法に関してはNGを出させていただく場合がございますので予めご了承ください。

性被害者の支援、女性の自由な権利を守る立場から発信してくださる方がいたら、とても嬉しいです。私たちの発信力ではまだまだこの被害の深刻さを伝えきれていません。どうかご協力をお願いいたします。

あお@独身偽装被害者




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