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雨、絶え間なく降り注ぐ涙よりたしかだろうか、頬を打つのは

 


 眠れない日が続き、3時間ほどの睡眠で起床。のろのろと支度を済ませ、もう何日目だよ、という大雨に視界を奪われながらこれまたのろのろと運転し、9時30分に病院へ到着。10時の予約で行ったが診察を受けたのは10時40分。珍しく大幅に時間が押した。その間にウルフの『灯台へ』を読んだ。この本は大雨の日によく合う。

 カウンセリングを受けて久々に涙が止まらなくなり、大いに泣いた。自分の心と向き合う時間は本当に苦しい。だが、病院を出た頃には心は少し軽くなっていた。

 がんがんの頭痛を引きずりながら、友人とその娘の3人でランチした。(コンディション整えられず、すまなかった友人)泣き腫らしてぐずぐずの顔を見られていたとは思うが触れてこなかったのでその優しさにホッとする。(もしかしたら気付かれていないかもしれないけれども)友人とは久々の再会だった。髪色が相変わらず金髪だった。私もやりたい。早急にやりたい。優しい雰囲気にその金髪のギャップがとても似合っていると思う。かっこいいかーちゃん、って感じ。

 食事をした場所が存外賑やかだったのであまり喋れずじまいだったが、なんとなくこの一緒にいる雰囲気だけでもいいかと思った。はっちゃける楽しさよりも落ち着いた雰囲気の中で楽しめる相手なので、喋らない時間があっても苦ではない。ただ、今日は世間話をするにはちょっと場所が悪かっただけで。(なぜ今日あんなにも周りが賑やかだったのだろうね)

 3歳になったばかりの娘は、ほんの少し私のことを忘れていたようだった。でも、すぐに思い出したのか、それとも慣れたのか、一度私の名前を声に出したらその後何度も呼び、手を繋ぎ歩いたり抱っこさせてくれたりと忙しかった。とにかく元気で可愛い。そして成長が早い。他所の子は大きくなるのが早いというけれど本当にそうだと思う。

 嫌だと言ったり、あっちに行きたいこっちに行きたい、あれが見たい、抱っこがいい、眠たい。子どもは一日中全力だ。言葉も増えてどんどん表現が豊かになり、素直さを全面に出して生きている。対応する親は疲れを感じながらも楽しんでいる、のだろう。毎日お疲れ様だといつも思う。

 娘が車型のベビーカーに飽きたら、片腕で抱きながら商品を見ていた。華奢な体につく腕の細さに隠れたパワーを感じた。親子の姿をぼうっと眺めては、自分の提げいるサコッシュを抱えた。中には文庫本と長財布とメイクポーチとスマホとハンカチ。肩に食い込む肩紐を浮かしてみた。それだけで身が軽くなった。いつかくる未来で、とかは考えると気が遠くなるのでやめた。帰ったら当たり前のように猫を抱いた。命を抱くのは愛おしいことだと思った。


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  ウルフの『灯台へ』とレイチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』を数ページ読んだ後、ONE PIECEを読んだ。ジャンプ+で90巻まで無料で読めるとのことで、二日かけて読破。もうたまらないよ新世界…!麦わら海賊団強すぎる…!2年目の彼ら、表情豊かになっててキャラクターそれぞれの個性が目立ってきたおかげで涙腺は緩むし笑いも止まらないし盛り上がりどころもたくさんで飽きない。本当に飽きないよONE PIECE。子どもの頃はゾロが一番かっこよくって好きだったのだけど、サンジの過去、ヴィンスモーク家の過去を知ったおかげで、大人の私はサンジが一推しです。彼の涙に何度ももらい泣きしながら読んだ。(851話“シケモク”は本当に…もう…切なすぎた…。後856話もね…)彼がいつだって優男なのは、母の命を賭けた愛情の結晶なんだよね〜。そんな優男、この世にいてくれませんか。いやもうサンジくんだけでいいか…。

 あっという間に90巻に到達してしまった。読破してしまった〜やっちまった〜。ジャンプ本誌が楽しみで仕方ない。まだ見ぬ高みへ連れてってください……。


 気がつけばエアコンをつけずに過ごしていられるようになった、夜。雨のせいで湿気からは逃れられないが、網戸から冷気が入り部屋を通り抜けてゆく。透明な冷気。さっきまで小雨だったような気がしたけれどだんだんと雨音が大きくなってきたので窓を閉めた。あとのことは扇風機に頼んだ。薄い毛布ではもう心許ないかもしれないな、と思いつつ足先まできちんと包まる。そろそろ眠気に負けてもいいと思うのだが。


 



 

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