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ささやかなものでも集まれば眩しい光になって



 訳もわからないくらいに眠い眠い、という衝動の波が先程まであったけれど、今日の朝やっとお迎えできた漫画『ベルリンうわの空』を読んでいたら知らぬ間に波は収まっていた。でも多分、またきちゃうなこれは…

お迎えした本と本を買えた嬉しい気持ちと両方を抱きしめて帰った。歩きながら読んでいた。朝のワクワクや嬉しい気持ちは一日中元気をくれる。

 朝、書店の開店と同時に、取り置きしてもらっていた本を迎えに行ってきたので、朝からとても良い気分だった。柿内さんの『町でいちばんの素人』も、たまたまチラッと陳列棚を覗いたらあったので迷わず手に取った。まだそういやプルースト生活が再開できていない。脱線ばかりする。でも絶対に読むつもりではいる。『プルーストを読む生活』もそのうち読みたいな。

 『ベルリンうわの空』は訳あって最終巻だけ持っていたのだけれど、絶対全部集めるぞ!と決めていた。それほど良い漫画だと思っている。だから今日、全巻揃えることができて、嬉しい。

 ベルリンに移住して(移住する前から物語は始まっているけど)、そこでの生活している主人公哲(テツ)さんを取り巻く、ささやかで優しくて、思いやりに溢れている日常を不思議なイラストで描かれている魅力的な作品。ベルリンでの生活がすごく楽しそうに見える。
(でもどんな場所でも一長一短はある。当たり前にね)

 自分にとってのストレスのない生活を送るのに必要なことの一つは自分との折り合いの付け方だなあと思う。
何を選んで何をやめて、どういった部分を大事にして、息をしやすくしていくか。それは本当に人それぞれだ。物事に対する捉え方の加減も全く違う。
 この漫画を読んでいると、自分で自分の思っている『ちょうど良い』を見極めて、『これがいいんだ』と思えるようになれることがいかに心身に良いことかを教えてくれる。読んでて安心するし、自分が求めていることに素直になった方がいいんだな、と改めて思う。

 今の日本って結構圧迫感がある。でも、何が本当によくって必要で、どうすればいいかが、明確化できないほどのスピード感もあるとも思う。なぜか流行ごとは止まることを知らなくて、本当に日本にいる人たちがそこで楽しんでいるのか?と不思議に思ってしまうほど。それはSNSをはじめとした情報発信の場から広がっているものを指しているけれど、本当に必要なことがどこにどんなふうにちゃんとあるかなんてわからずに生きているような気さえもする。田舎に住んでいるからと言うのもあるかもしれないけれど。

 そうしていわゆるキラキラしたものを見るのがなんだか刺激的すぎて見続けることができないので、(心が圧迫されて、荒んでいってしまう)情報発信できるものはTwitterとnoteだけしか使っていない。し、みるものも限定している。自分の必要なことはそこにはないと思っているので、それでいいとしている。それもまた自分の中でのちょうどいいことの一つだ。そういうこともこの漫画は優しく肯定してくれている。
 どんな生活をしたいか。どんな心身でいたいか。本当に自分で自分を生きるということの大切さを教えてくれる。

 他人に対してもできるだけ理解できるように努めたいし、できることはしたい。みんながみんなのために優しい社会を作るのはちょっと難しくても、自分の近くの人やその時に直面した出来事をどう対処していくかによって、少しずつでも目の前の世界の彩りは変わっていく気がする。

 もちろん好き嫌い関係なくやっていかなきゃならないこともあるけど、そういうこともやっていきつつ、その日その日を生きる。自分を生きる。ありのままでいい。工夫しながら、発見しながら、取捨選択をしながら、『これでいいや』と思うこと認めること。そしてその中に『こうしたい!』と言うことも混ぜていくこと。

 幸せの水準なんてはっきりとしたものはわからないけれど、ストレス少なめに、うまく穏やかに生きていたいと思う。

 

眠くなるまで本を読む。いつも枕の周りには数冊の本がある。そのごちゃついた中で眠るのが好き。

もう少しだけ夜を楽しむ。また明日。

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