成績が3段階中オール2からオール3になり、決意した中学受験。大学受験の鍵となるのは中学からの学校選び。
昨今、中学受験をする人が増加しているということを耳にします。
実際の統計を調べてみると、今年も前年を上回り、9年連続で増加をしているということです。
このような結果の一つとして、学習指導要領の変更に伴い、25年度から大学入試が変わりますが、保護者は私立の方がそれに対応できると見ており、思考力、表現力なども私立の方が優位と期待を寄せられていると考えられます。
小学生から大学入学までの道のりが決まる今、中学受験をした私の経験を交えて必要性と受験戦略について書いていきます。
私が中学受験をした理由
見出しにもある通り、私の小学校で中学受験をした女子は私以外に1人もいませんでした。男子で近くの国立附属中学に進む人が2人、私立中学に進むのは私ともう一人の男子だけでした。
東京ではむしろ受験をしない人の方が少なく、中学受験をする人が増加している現状があります。しかし、田舎では地元の中学に進むことが普通とされており、私立は勉強ができない子が行くというイメージすら抱いている人がいました。
私は、もともと地元が大好きだということもあり、周りが当たり前のように地元の中学に進む中で受験をするという考えはもっていませんでした。ですが、小学5年生のときに、総合成績はオール3(3段階中)、細かい段階評価もオールAをとって、勉強に対する自信をつけて母親に勧められたことを機に受験というものを考え始めました。
1年前はオール2だった成績。
オール3をとっていた私ですが、もともと勉強ができる天才肌であったわけではありません。むしろ、小学4年生のときはオール2をとっているほどです。私が飛躍的に成績が伸びた理由は、勉強をしたというよりも先生に好かれたというところが正しいです。テスト勉強をしたことはありませんでしたが、毎月1回行われるテストには前日に勉強をするようにし、勉強をしたことは間違いなく関係しています。ですが、3段階中オール3、しかもオールAをとることができたのは、先生に勧められた学級委員の仕事を熱心に行い、授業中の発言や話を聞く態度も目を見てうなずくということを欠かさずにしていたから取れたものです。
「勉強ができる」は果てしなく立ちはだかる壁のように感じた
オール3・オールAでしたが、先生に好かれたから取れたものであったので、もともと勉強がすごくできるというわけではなかったです。しかし、当時は成績として出ていたものを真に受けていたので、「私って、頭いいんだ!」と勘違いをしていました。そんな中、ある日自信満々で全国統一小学生テストを受けました。
結果は、偏差値30~40代で自分のレベルの低さを自覚し、落胆しました。
これからについて親と話し合い、地元の公立学校では気に入られるか先生による評価で成績が前後してしまうと考えるようになりました。また、中学受験の塾を体験してレベルの高さに勉強で大学も合格するということの自信がもてなかったので、附属で大学に行ける保証がある学校を探し、自分自身の性格に当てはまった学校を受験をすることにしました。特に私の周りでは、学歴によって判断されるところが大きかったので、そのような環境が真剣に中学受験を考えるきっかけとなりました。
大好きな地元を離れたからこそ、中学受験をするにあたっては最後まで悩み続けました。私の周りで感じた中学受験をすることの主なメリットとデメリットを比べ、中学受験の必要性について考えていきます。
中学受験のメリット
①独自のカリキュラムにより、思考力や表現力が育つことが期待できる
私立はその学校の建学精神に基づいて授業や活動が設定されているので、一貫性があり思考力を養い傾向にあります。私の学校はカトリックのミッション系であったので6年かけてキリスト教の教えに基づいて祈り、講演や学習面でも隣人愛についてのエッセイをかきました。また、奉仕活動を定期的に行うなど学校としての色は、新たな実行力、思考力を鍛えることが期待できます。
②大学受験をしなくてもよい場合がある
附属大学が設置されていなくても、指定校推薦の枠が多く受験せずにレベルの高い学校に進むことができることがあります。のびのびと学習や生活をすることができるのは大きなメリットです。また、卒業生が特定の大学に進学されていることでの恩恵を受けられます。私はお世話になった先輩に大学受験の経験を教えていただき、小論文や面接対策に役立てることができました。
③一貫校の場合、深い友情が芽生える
中高6年間一貫の学校が多く、長きに渡って関わってきた友人は心を許しあえることができる存在となるでしょう。良好な友人関係が築きやすい環境はなによりも、かけがえのないものかもしれません。小学生の時は、これ以上の友達には出会えないと思っていましたし、実際中学生のときもその思いは変わっていませんでした。しかし、6年という月日は長く、高校生になって友人は家族のような人たちになっていました。
中学受験のデメリット
①周りに流され、勉強しない可能性がある
私の周りには、誘惑ばかりする人がいました。勉強しようとしているときに誘われ、寮生活であったこともあり、流されてしまえば勉強しなかったと思います。高校受験がないため、中だるみをする上、思春期ということもあり、対人関係を壊さないようにするために周りに流されやすくなります。また、そのような環境は敷かれたレールを歩まされることにもなりかねません。
②学校が合わない場合は本当に合わなくてつらい
学校色が強いので、自分の考えや価値観に合わないと理解できないということもあります。私の同級生は自分に合わないという理由で20人弱やめた人がいます。寮生活で拘束も激しかったので、堅苦しいルールが性格で合わないと感じる人もいたと思います。
③お金がないと金銭的にカツカツになるかも
特に私立は、大学も推薦で行こうとした場合多額の費用が課せられます。家計が裕福でないと、金銭的な余裕がなくなります。修学旅行が海外の場合があることといった一つの出費が嵩むことが多いです。今はあまり感じなくとも、大学院までは進めないかもしれないといったこともあるかもしれません。現在は、教育支援が復興しつつありますが、私は大学院まで行くのなら自分のお金で払うといった制約が家族の中で話されています。
一番大切なのは学校選び
私は中学受験をした身であるため、肯定的に感じています。ですが、学校の合うあわないはあり、一概に中学受験がいいとは言い切れません。公立でも私立でも自らの性格や進路先に合うように考えることが必要です。私は、中学受験をして、学校がスピリットとしてもつキリスト教の考えを理解することで、自分だけではない他者のために心を込めて尽くすことの大切さを学びました。はじめは厳しいルール、慣習に戸惑いも感じて後悔をすることもありました。それでも、学校の価値観をある程度容認できる辛さなら、成長痛として必要なものかもしれません。同じ学校でも、人の考えや行動によっては成長の度合いが異なります。勉強が純粋にできて、意欲的かつ積極的に取り組める素質を持っているなら、公立学校で十分でも中学受験で期待されることを得られると思います。
新たな景色、世界を見るためには留学制度や教育課程といった環境からだとも思うので、自分に本当にあっているのか見極めながら、選択肢として中学受験の可能性をもつ地域が広がってほしいと願っています。
大学受験は一般入試だけではなく、総合型や指定校といった入試形態の方が増加しつつあります。一人でも多くの人が希望大学に合格するための参考になる記事を今後書けるように精進していきます。