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歳をとると陥りがちな「知ってるつもり」

私たちは学生の頃、勉強を「知る」ためにしました。
若い時は「知らない」ことが前提だったからですよね。
多くの人は、大学卒業の22歳頃まで。

そのあとは?

今日は、歳をとると陥りがちな
「知ってるつもり」について
考えてみたいと思います。


社会人になってからの「勉強」


皆さん、社会人になってから勉強していますか?

もちろん、仕事を通して新たに知る、
覚えることはたくさんあると思います。
新たに知って覚え、経験が増え、キャリアは広がっていく。

これ、どんな意識で働いているかで大きく違いますよね。

また、真面目な日本人にありがち。
与えられた業務に関しては、きっちり覚えてやるけど

「この技術って他に使い道無いのかな」
とか
「ほかのツールはどうなっているんだろう」
とか

疑問を持ったり
違う角度で見たり
発展を考えたり
、しない。

そしてある時、自分がやってきたことが
全く時代遅れになっていたりします。
これだけ情報化社会なのに、
「もうだめ」になるまで気づかなかったりします。

あるセミナーに出た時、こんな話がありました。
「社会人のうち、自主的にセミナー参加したり
勉強している人は、日本人はわずか5%
うろ覚えですが、アメリカ人は20%と言った気がします。

バックデータはありません。
でも、腑に落ちました。

会社によりますよね。
私の前の会社の回りは、
確かに5%(20人に一人)くらいでした(笑)。


「手に職」信仰


以前、知人がこんな話をしていました。
60代前半の男性です。
男性の父親は、商店街で「時計や」さんを営む
時計職人だったそうです。
男性が中学卒業の時、父親からこう言われたそうです。

「手に職は間違いない。
修行に入って、時計職人になってはどうか?」

まだ中学生だった男性は悩んだけれど、
「学校に行きたい」
と時計職人の話は断ったそうです。
その後高校、大学と出て、会社勤めをしました。

今から50年近くも前の話です。
「クオーツ」時計の出る前です。
今や時計もデジタルですよね。
この時中学卒業と同時に「時計職人」になっていたら、
どうなっていたでしょう?


母の「公務員」信仰


私の母は、私と兄に
「学校の先生になれ」
「公務員になれ」
と、ことあるごとに言っていました。

以前こちらに書きました。
「マズローの5段階欲求」で言うところの「社会的欲求」への渇望です。

当時母が言っていたのは、
「学校の先生は、冬休みも夏休みもある。」
「公務員はちゃんと休みがあって、安定している。」

もしかしたら、当時はそうだったのかもしれません。

でも今、私の友人が学校の先生をしていますが、
ちょー過酷な仕事です。
冬休みも夏休みも、先生にはありません。
公務員も安定はしているでしょうけれど、
給与は上がるどころか下がり、
日々ストレスとの戦いではないでしょうか?

そもそも母は「学校の先生」や「公務員」の
仕事の中身など知っていたのでしょうか

また、母は田舎に住んでおり、
東京のサラリーマンが何をしているのかなんて
今もよくわかっていません。

知っていることが少なすぎるのです。


歳をとっているから、ものを知っている?


人は「歳」を取っているから
ものを知っているわけではありません。

仮に22歳で勉強を終え、
その後30年も40年も勉強していなければ
何も知らないのと同じです。

それを本人がわかっていないケースが多い。

子供に昔の価値観で「アドバイス」なんてしてはいけません
アドバイスするなら、ちゃんと広い見識で
勉強をしてからではないでしょうか?

若い人のほうが、今の時代に敏感です(当たり前)。

先日娘と、こんな話が出ました。
娘の友人が服飾の専門学校に行っています。

「卒業したらどんなところに勤めるんだろ?」
私が聞きました。

「ほとんどが販売員」
との話でした。

30ン年前、私の友人も「文化服装学院」に行っていました。
当時はバブル絶頂期、服もデザイナー隆盛期でした。
私も9000円のTシャツとか、買っていました。
友人もアパレルの会社に、デザイナーで入社しました。
服の好きな人は、頑張ればデザイナーになれ、生活もできた時代でした。

いまやファストファッションの時代。
一人当たりの服飾費は当時の何分の1でしょう?
私に関しては、5分の一くらいです。
服を作る現場は、デザインを勉強したからといって
それで食べられる時代ではないのでは?
と、想像できます。

「昔は、デザイナーになりたい!って言って
文化服装学院とかに行ってたんだけどね。」
私が言うと
そんな人、今いないと思う。
娘は言いました。

同じような話を、美大関係の人からも
聞いたことがあります。
「グラフィックデザイナー」という仕事が
成り立たなくなってきている、と。


「知らない」ことを「知らない」


前の会社で、主婦の方をパートタイムで採用したことがありました。
「パソコン出来ます。」
とのことでした。
しかし実際は、以前銀行でパートタイムをしていて、
銀行のシステム(ATMのようなもの)は使える。
でも普通のPCは使えない。
PCからメールを送ったことがない、という方でした。
本人は、PCと銀行のシステムの違いが判らなかったのです。

またPCで検索やネットでショッピングは出来る、という方も。
会社のデータやフォルダの扱い、
例えばコピーと移動の違いや共有の仕方などがわからず、
フォルダが丸ごと捨てられる事件などもありました。

「知らない」ことを「知らない」ということです。


「教えて」と言おう


では、どうすればよいのでしょう?

まず、自分の「知っているつもり」を取り除きましょう
「知っている」と思うのは、自分を守ろうとする心理です。
しかし、新たに知る「チャンス」を無くします

何かの話が出た時「知ってる」と思ったら、
「ほんとにそうか?」
「その「知ってる」はいつの話だ?
と自分に問いかけてみましょう。

そして、「知らない」ことを恥ずかしいと思わないことです。
変化の時代です。
どんどん情報は更新されていますから
「知らない」は恥ずかしい事ではありません。

そして、「教えて」と言いましょう
その時
「自分はこのように思ったけれど、違うの?」
と自分の認識を相手に伝える。

そうすれば、相手は
「何を知っていて、何が分からないか」
がわかります。

若い人は歳上の人に
「知らないでしょ?」
とは言えないものです。

こちらから「教えてね」と言いましょう。

何歳になっても、「過去の人」にならないように
日々の情報に敏感に。
勉強を欠かさず。

錆びない?かびのはえない?人になりたいですね。

私も日々精進します!

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